未来の空港アクセス線を創る、
電気SIOの挑戦
羽田空港アクセス線(仮称)
JR東日本では、当社の首都圏鉄道ネットワークを有効活用し、多方面からのダイレクトアクセスを実現する「羽田空港アクセス線(仮称)プロジェクト」を推進しています。
中核となる「アクセス新線」は事業認可を取得し、「東山手ルート」とともに環境影響評価を開始。これにより東京方面から羽田への直通が実現し、“シームレスな移動”が現実のものとなります。電気システムインテグレーションオフィス(電気SIO)では、本プロジェクトの鉄道電気システムに関する調査、プロジェクト管理、設計施工管理等を担っています。
- 首都圏
- エネルギー
- 列車制御システム
- 情報通信
都市をつなぎ、未来を拓く高速リンク
羽田空港アクセス線(仮称)は、首都圏の鉄道ネットワークと空の玄関口を直接結ぶ、新たな大動脈です。
都市と世界をシームレスに結ぶためには、安全で信頼できる電気システムの整備が不可欠です。
電気SIOは電車線・送電・配電・通信・列車制御など多岐にわたるシステムを総合的に設計・施工監督し、未来に残る都市基盤の“見えない骨格”を形づくっています。
既存インフラを再活用するスマートな設計
休止中の大汐線や既存の高架橋を有効利用することで、環境負荷を減らしながら効率的に整備を進めています。
電気SIOは、この既存構造物に合わせた送電線・電車線設備・配電設備・信号設備・通信設備の再設計を担い、古いインフラを現代のシステムに調和させる役割を担っています。新旧をつなぎ、最適化する“見えない調整力”がプロジェクトの可能性を支えているのです。
空港と一体化した地下駅
羽田空港新駅(仮称)は、空港ターミナルに直結する地下駅として設計されています。
電気SIOは、利用者が安心して快適に駅を遣えるよう、照明やバリアフリーに必要となる電力供給、駅と空港を結ぶ信号・通信システム、非常時の安全設備を一体的に整備を行う。単なる“駅の建設”ではなく、空港施設の一部として機能する高度な電気システムを支えています。
2031年度開業を見据えた段階的着工
2031年度の開業に向け、田町駅第1回線路切換・東京貨物ターミナル保守基地線使用開始などの工事が着実に進められています。
電気SIOは、計画段階から完成まで一貫して参画し、工程管理と電気設備全般の最適化を推進。
複数の専門チームを調整しながら、長期にわたるプロジェクトを確実に進行させる“統合役”として存在感を発揮しています。
列車制御システムの設計者として
寺門 悠樹(信号ユニット所属・2020年度入社)
私は列車制御システムの各種図表類の作成や工事発注を担当しています。羽田空港アクセス線(仮称)は新たな線路になるため、列車を運行させるための列車制御システムもイチから検討しており、列車を安全に運行するための基となる図表類は関係者と十分に議論し検討・作成しています。
本プロジェクトは列車制御システム以外にも様々な系統が携わっているため、限られた工期・予算の中で開業に向け、関係箇所との課題解決に向けた調整などを行う必要があります。調整する上で、異なる立場や専門分野の関係者と協力しながら最適な解決策を導き出すことは難しさもありますが、その分、自身の成長や視野の広がりを実感できます。
羽田空港アクセス線(仮称)プロジェクトは社会的影響が極めて大きく、私が携わる設備が将来にわたり国内外の多くの人々の移動を支えることに、大きな責任とやりがいを感じています。 完成後に利便性向上を実感できるだけでなく、自身の仕事として誇りを持てるプロジェクトです。過去には工事監督として携わり、今回は設計者として再び携われることを嬉しく思い、日々の業務に励んでいます。
情報通信の設計者として
杉山 和輝(通信ユニット所属・2014年度入社)
私は現在、情報通信設備の工事発注や課題解決に向けた関係部署との調整を担当しています。情報通信分野では、列車無線や防災情報システムをはじめ、列車の安全・安定輸送を支える設備から電話設備、自動火災報知設備、防犯カメラなど駅やお客さまに関わる設備まで幅広く取り扱っています。
私は入社以来、約10年間にわたり水戸事業本部 信号通信技術ユニットで設備の保守・維持管理業務に従事してきました。その経験を活かし、保守性や拡張性を考慮した設備設計に取り組んでいます。
羽田空港アクセス線(仮称)プロジェクトは、JR東日本の将来を担う大規模事業です。解決すべき課題や関係部署との調整事項は数多くありますが、一つひとつの課題に主体的に向き合い、関係者と調整しながら最適な解決策を導き出すことで、技術者としての専門性と課題解決力を高めています。
情報通信分野の技術者として首都圏の鉄道輸送を支え、新たな鉄道ネットワークの構築に携わることに、大きなやりがいを感じています。社会的影響の大きいプロジェクトの一員として、誇りを持って日々の業務に取り組んでいます。
エネルギー(電車線)の設計者として
奥田 真也(電力ユニット所属・2011年度入社)
私は電車線設備の設計図面の作成や工事発注準備、開業までの課題解決に向けた関係箇所との調整などを行っています。私の担当する東京貨物ターミナルから羽田空港を結ぶ新線エリアは、JR東日本でも例のない運河下の海底トンネル区間となり、今後100年、200年にわたり使用する設備として安全・安定輸送を支える設備仕様を検討する必要があります。
新線エリアの設計では、他社の海底トンネルの視察、メーカーの意見交換を行い、腐食に強い材料の導入を検討しました。また、現地設備がない状態での設計で、各系統の設備を同一図面上にプロットして、それぞれが規定を満たす構成となるよう事前に課題を洗い出すなど、手戻りのない設計が求められます。そうした中で、過去に担当した品川駅の線路移設工事の経験や、規定ルールを管理してきた経験を生かして設計を進めています。
新線の工事に携われることは、経験する機会の少ない地図に残る仕事であり、自分の書いた図面が現地設備に反映できるやりがいのある仕事と感じます。将来子供と海外旅行に行くときに、羽田空港アクセス線に乗って自慢できるように、日々の業務に励んでいます。
エネルギー(配電)の設計者として
大嶽 和之(電力ユニット所属・2015年度入社)
私は新線区間における配電設備の設計業務を担当しています。配電設備は、変電所から駅や信号設備へ安定して電気を届ける鉄道運行に欠かせない設備から、駅の照明・電光掲示板等お客さまの利便性を支える設備まで多岐にわたります。鉄道の安全・安定輸送を支えるため、電気容量計算や照明設備の選定など技術検討を的確に遂行し、信頼性の高い配電設備の構築を目指しています。
羽田空港アクセス線(仮称)の約5kmを占めるトンネル区間では、限られた空間の中で、防災対策や保守性への配慮等、地上区間とは異なる条件での検討が求められます。設備相互の離隔や施工性の良い材料選定等、多くの制約条件を満足させながら最適な設備計画としています。前例の少ない設備も多いため、先輩方の助言や過去の文献・事例を活用し、安全性・保守性・信頼性を兼ね備えた設備の実現を目指して設計業務を進めています。
本プロジェクトは、新たな鉄道路線を建設する大規模なプロジェクトであり、課題も数多くありますが、大きなやりがいを感じています。今後も関係者と一体となって設計・工事を推進し、開業に向けて尽力していきたいと考えています。