【第1回JR東日本地域共創アワード優秀賞】
地域(自治体)と連携した伴走型の海外事業モデル 新たなインバウンド・アウトバウンドの「モデル」づくりについて<山形県高畠町>

2024.6.6

「第1回 JR東日本地域共創アワード」にて優秀賞を受賞した、高畠町、JR東日本台湾事業開発、JR東日本 東北本部、山形統括センターの取組みをご紹介します。

高畠町の抱える課題

インバウンドや特産品の輸出などの海外事業への取組みについて、高畠町は「前例・経験がない」「相談相手がいない」「輸出・貿易の知識と経験が少ない」「現地のニーズがわからない」などの課題がありました。これまで模索しながら様々な事業を展開してきましたが、単年度の取組みとなってしまい、効果も限定的で、中長期的なスパンで協業できる事業、パートナーを探していました。

高畠町×JR東日本グループの連携

そんなときに、JR東日本グループと高畠町が持つ課題や叶えたい姿を共有し、多くの対話を重ねた末に、次のビジョンを作りました。

※高畠町提供

我々が掲げた事業テーマは、インバウンドと地産品輸出の掛け算により、ヒトとモノの流れを創出し、高畠ファンを増やすことです。交流人口よりも深く関わり、関係人口よりももう少しライトな関係性、それを高畠ファンと定義しています。

これまでの事業計画と違う点は、
1.複数年(3年間)の計画であること(単発の事業では終わらない)
2.高畠町、JR東日本グループが共通のビジョンであること(共通の価値観)
3.台湾も日本も喜ぶ、ワクワクする事業であること(チャレンジする価値)
事業ビジョンが定まり、定期的に議論する体制を取り、登場人物を加えていきながら事業を進めました。

※高畠町提供

課題の解決・JR東日本グループのリソース活用

台湾の方々にまずは「知ってもらう」ことを目指し、1年目の取組みでは、
・オンラインでの観光ツアーの実施
・ホテルメトロポリタンプレミア台北において特産品を活用した料理コースを提供する「高畠町フェア」の開催
を行いました。
2年目は、コロナウイルスの5類以降を機に「認めてもらう、来てもらう」ことを目指し、
・実際に高畠町の関係者が台湾入りし、リアルの観光PRイベントを開催
・町内産フルーツを使用したPREMIEREデザートを開発
・個人旅行者向けの旅行商品の造成
を行いました。

これまでの成果

ホテルメトロポリタンプレミア台北でのホテルフェアでは、高畠のスペシャルコース料理やワインの飲み放題を、1,000人を超える方に楽しんでいただき、観光イベントでは高い満足度と、認知度が向上したアンケート結果に結びつきました。また、NHKクローズアップ現代で特集された、訪日外国人数伸び率トップ100に当町が全国2位にランクインしました。

今後の展望

この事業で得た一番の財産は、JR東日本グループと町が「私たち」というフィルタで、地域課題や魅力を捉えられるようになったことです。自治体と民間企業との関わりは、他の事業ではビジネスとして関わることが一般的です。そんな中、この事業で得られたこの「私たち」という価値は、今後の事業、地域発展の軸になったと感じております。まだまだ課題が山積していると前述いただきましたが、解決する課題がある≒ともに地域づくりに取り組む可能性がある、そのようにも考えており、地域の課題やニーズのご用命に応じ、今後も、当社グループとで引き続きの連携・共創をさせていただければと思います。

※JR東日本台湾事業開発提供

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