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2024.6.6
「第1回 JR東日本地域共創アワード」にて優秀賞を受賞した、一般社団法人Sail on Japan 、地元高校生、JR東日本 秋田支社 横手・大曲統括センターの取組みをご紹介します。
若者の県外流出
一般社団法人Sail on Japanの奥代表は秋田県教育委員も務め、若者の県外流出、若者が魅力を感じる「学べる場」「働く場」が少ないという点に強い課題感を持っていました。高校生たちが地元でやりたいことを実現して、地元で働く楽しさや地元地域とのつながり、魅力的な人との出会いを経験してほしいという想いで、実践的なキャリア教育や、就職・起業サポートを続けています。
高校生×Sail on Japan×JR東日本の連携
奥代表とその想いに共感した横手・大曲統括センターは地元の各高校を訪問し、実践的な起業プログラム(=ジェラート店の開業)への参加を募りました。駅が電車に乗るためだけの場所でなく、美味しいジェラートを味わうために訪れるというような新たな目的を創り、駅を中心に地域を元気にしていきたいと3者で連携を進めました。そうして、手を挙げてくれた秋田県立横手高等学校、秋田県立横手城南高等学校、秋田県立大曲農業高等学校、鹿島朝日高等学校横手キャンパスの学生たちが中心となって、横手駅の未利用スペースに、ジェラート店「Stella」を開業しました。

高校生経営者による店舗運営
「Stella」という店名は、「ステーション」と「ジェラート」を掛け合わせた響き、「星のように自分たちが地域の中で輝こう」という意味がこめられています。Stellaでは高校生たちが経営、企画、商品開発、製造、販売までを一貫して挑戦しています。「夏はさわやかなシャーベット系がいいのでは」「冬は濃厚なミルク系を」「お米やあんこを使ったジェラートをつくろう」などメンバー間で話し合い、高校生ならではのアイデアを生かした商品ラインナップを強みとしています。ジェラートの素材には、自分たちで生産した野菜・果物や、傷がつき市場には出回らない農作物を生産者の方々から引き取り、ジェラートとして活用するといった、地産地消を意識しています。

店舗の開業にあたり、活動のための資金調達として、クラウドファンディングで100万円をこえる支援をいただくことができました。オープン当日は多くのお客さまで賑わい、準備していたジェラートがほぼ完売するほどの大盛況で多数のメディアにも取り上げられました。事前に準備したオペレーションがうまくいかず苦労しましたが、閉店後、自分たちが頑張った成果を振り返り、今まで感じたことのない嬉しさと達成感がこみあげました。

はじめは「高校生だからできないことが当たり前」といった気持ちもありましたが、実体験を重ねていったことで、高校生でも大きなことができる、と大きな自信を持つことができました。
今後の展望
常設の店舗としての持続を目標に掲げています。夏場と比べて冬場は売上が半分以下となるため、温泉施設やカフェなどに卸販売することで売上を持続していく計画をたてています。また、他の高校生からも「自分たちもやりたい」という声を多くいただいています。自分たちの経験を活かして、全国の駅の未利用スペースなどを活用しながら、地域の活性化×地元高校生の活躍の場として、この活動を全国に広めていきたい、駅と地域をつなぐハブとして地域の元気を創出していきたいと考えています。

【プレスリリース】
地元でがんばる高校生を応援! 高校生が運営するジェラート店「Stella ステラ」がオープンします!
(2023年7月20日)
第1回JR東日本地域共創アワード 開催レポートはこちらから