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2024.6.6
「第1回 JR東日本地域共創アワード」にて最優秀賞を受賞した、弘前市とJR東日本 秋田支社 弘前統括センターの取組みをご紹介します。
弘前市における「りんご産業」の重要性
令和4年の弘前市の農業産出額は全国7位(9年連続東北1位)、果実部門では9年連続で突出して全国1位を獲得しています。弘前市におけるりんご産業は、生産、販売のみならず地域の様々な業種に波及しており、地域の雇用の場の創出や外貨獲得等の役割を担う大きな基幹産業となっています。
地域におけるりんご産業の課題
しかしながら、経営体の減少や今後の担い手不足が大きな課題となっており、今後のりんごづくりを担うボリュームゾーンを確保することが必須となっています。また、りんご産業の土台である生産現場では、年間を通じて大部分は人による手作業となっており、短期間に終えなくてはならない作業や、身体負荷が大きい作業、繁閑差が大きく労働時間の平準化が難しいなどの課題があります。
弘前市の取組み
これらの課題を解決するために、弘前市は日本の市町村で唯一の「りんご課」を設立しました。弘前市の主産業であるりんご産業の振興のため、生産から加工・流通・販売に至るまでりんごに特化した事業を展開することを目的としています。文化やシビックプライドとしても重要な「日本一のりんご産業」を将来も持続可能とするため、これまで積み上げてきた「りんご産業イノベーションン」の土台をベースに、SDGsで切り拓く持続可能な「日本一のりんご産地」の実現プロジェクトを提案し、令和5年5月、県内で初めて「SDGs未来都市」、北東北3県で初めて「自治体SDGsモデル事業」に選定されました。

弘前市×JR東日本の連携体制の構築
りんご産業の活性化にむけて弘前市とJR東日本が連携し、さまざまな取り組みを行っています。
津軽ラウンジを活用したPR
弘前市、弘前観光コンベンション協会、弘前市物産協会と連携をしながら、弘前駅構内の「津軽ラウンジ」にて、りんご製品やSDGsの関連施策を展示、駅をご利用されるお客さまに広くPRしました。

【プレスリリース】
JR弘前駅でりんごのPRを実施します(2023年10月19日)
農業副業の導入
弘前市は、全国の自治体で初めて副業を導入し、独自の要領を策定して兼業を認可しました。人手のピークとなるりんごの収穫期に合わせてJR東日本の社員が1日農業バイトアプリ「daywork」を活用し、副業やボランティアにて農作業を支援することで、労働力を確保する取り組みを実現しました。弘前駅で働く社員のみならず、支社、本社社員も副業やボランティアとして参加し、実際に参加した社員からは「どのような作業が大変か体感できた」「首都圏で販売したいなどのニーズを聞くことができた」「農作業によりリフレッシュできた」などの声が寄せられています。

【プレスリリース】
SDGsで切り拓く持続可能な「日本一のりんご産地」の実現に向け弘前市とJR 東日本は補助労働力確保支援の取組み
を開始します(2023年11月7日)
今後の展望
今後は、他企業と連携した農的関係人口創出プログラムの推進や、弘前駅でのシードル、津軽産ワインのイベント実施、生果、加工品等の首都圏駅でのPR、JREMALLやグループ会社による県外での販売機会創出など、弘前市とJR東日本グループ相互のアセットを活用し、1~3次産業までのワンストップな施策を進め、「魅力的な地域づくり」「豊かな未来の創出」を目指していきます。
第1回JR東日本地域共創アワード 開催レポートはこちらから