JR弘前駅から向かったのは、2020年に開館した「弘前れんが倉庫美術館」。
建築家の田根剛氏が再生を手掛けた美術館には、地元ゆかりのアーティストや現代アートを手掛ける芸術家の作品を展示。市民ギャラリーやライブラリーを備えるほか、ワークショップなども盛んに行われ、県内外から多くのアートファンが足を運んでいます。もともとこちらの建物は、近代日本の始まりとともに建てられた吉野町煉瓦倉庫。明治・大正期に酒造工場として建設され、日本で初めてシードル製造が行われた場所なのだそう。シードル製造工場としての役目を終えてからは政府備蓄米倉庫として使用されていました。
しかし2000年代に、弘前出身の現代美術作家が展覧会を開催したことを機に話題を呼び、弘前市がこの建物を取得。芸術文化施設への整備が始まり、高度な耐震補強と既存の煉瓦壁を内外無傷で保存する設計により、美しい姿に生まれ変わったのです。
また、別棟では、「CAFE & RESTAURANT BRICK」が“弘前のファミリーレストラン”をコンセプトに青森県産の食材を使った料理などを提供しています。美術館でのんびり鑑賞を楽しんだ後にホッと一息つくのにピッタリの落ち着いた雰囲気の館内です。ミュージアムショップを併設するほか、ガラス越しに「A-FACTORY 吉野町シードル工房」の酒蔵を見られるのも魅力のひとつ。レトロな趣を生かしながらもスタイリッシュに生まれ変わったこの空間では、ウエディングパーティーが開かれることもあるそうです。