「リゾートしらかみ」で行く、秋の津軽「リゾートしらかみ」で行く、秋の津軽

今だけの絶景とご当地グルメに出逢う

秋の行楽シーズンがいよいよ到来! 行く先での楽しみはもちろん、秋色に染まった白神山地や岩木山、広大な畑にたわわに実る真っ赤なリンゴを車窓越しに眺めることができるのが「リゾートしらかみ」に乗車する旅ならではの醍醐味です。このシーズンだけのとっておきの絶景とグルメに出逢いませんか。

リンゴの名産地ならでは 車窓越しののどかな風景

リゾートしらかみ『橅』編成
写真提供/JR東日本秋田支社 東能代駅
秋晴れの下、颯爽と走る「リゾートしらかみ『橅(ぶな)』編成」。青森県の五所川原市、板柳町、藤崎町と続く沿線のエリアは、“りんごの里”と呼ばれている。
車窓からの景色
写真提供/JR東日本秋田支社 東能代駅
間近に臨むリンゴ畑の向こうに見えるのは岩木山。色づいたリンゴが彩る車窓からの景色は、まさに青森ならでは。

風光明媚な日本海沿いを走る五能線は、秋田県のJR東能代駅から青森県のJR川部駅間の全長147.2kmを結ぶ43駅のローカル線。この時期、四季の移ろいを感じるノルタルジックな風景を目当てにした観光客の姿が多く見られます。JR秋田駅から「リゾートしらかみ」に乗車すると、のどかな田園風景が続いた後に進路は海辺へ。県境を超える頃には、見渡す限りのオーシャンビューと世界自然遺産である白神山地が乗客を魅了します。そして列車は山間部へと向かい、岩木山麓に広がるリンゴ畑の中を進みます。

世界遺産に抱かれた景勝地で 見る者を圧倒する大自然を体感

青池
写真提供/岩森学
神秘的なブルーが美しい「青池」。秋は周辺の木々から落葉し湖面を彩る。
青空と紅葉の写真
写真提供/岩森学
青空と紅葉のコントラストが見事。33ある湖沼群のすべてに特徴があり、すべてを周るには6時間ほどを要する。
日本キャニオン
写真提供/岩森学
「日本キャニオン」の展望台へ行くには山道を登る必要があるため、列車旅では麓からの眺めを楽しもう。

ユネスコ世界遺産(自然遺産)に登録されている白神山地は、ブナの原生林が自生する世界有数の山岳地帯の総称。標高約200mから1,250m以上、約130,000ヘクタールに及ぶ秋田県北西部から青森県南西部のエリアに、未だ手つかずの自然が残っています。
白神山地がまたぐ秋田と青森への県境あたり、五能線「リゾートしらかみ」が走る深浦町のJR十二湖駅で下車。「十二湖」は、津軽国定公園と自然休養林に指定された地域に33ある湖の総称。最大の見どころは、コバルトブルーに輝く「青池」です。湖底に朽ちたブナの大木が見られるほど透明でありながら、湖水はまるで青いインクを流したかのように鮮やか。周囲の木々を鏡のように映す水面は、訪れる時間帯や角度によって色合いを変え、訪れる者を魅了します。さらに、十二湖エリアに向かう道中、林の向こうに覗く断崖が「日本キャニオン」。 凝灰岩の白い岩肌が、アメリカの「グランドキャニオン」を連想させることからその名がついたとされています。

データ

  • 十二湖
  • 住所:青森県西津軽郡深浦町松神国有林内
  • アクセス:JR十二湖駅からバスまたはタクシーで15分

列車旅にやさしいスポット 駅舎機能を併せ持つ観光拠点

物産館コロボックル
JRウェスパ椿山駅に隣接。町内や周辺エリアの観光パンフレットなども揃え、観光客を迎えてくれる。
物産館コロボックル
菓子や乾物、日本酒までさまざまな土産品が並ぶ館内。町内にある駅はすべて無人のため、五能線の運行状況などはモニターに掲出される。
深浦町観光協会の兼平さん
深浦町観光協会の兼平さん。町の特産品「ふかうら雪人参」の加工品をすすめてくれた。スムージーはテイクアウト(350円)でも味わえるので、試飲がてら喉を潤してはいかが。

JRウェスパ椿山駅を下車すると目の前にあるのが「物産館コロボックル」。この一帯はかつてリゾート施設のある観光エリアでしたが、駅のみとなったことから2021年に深浦町観光協会がここへ移りました。現在は待ち合いとしての駅舎機能を担い、周辺の観光や宿泊などの案内所としてこの施設を管理・運営しています。町の特産「ふかうら雪人参」の加工品をはじめ青森県内の土産品が並ぶ館内には、ドリンクなどをテイクアウトできる軽食コーナーもあり、観光客がくつろぐ姿が見られます。
周辺の観光スポットについて尋ねると「十二湖」をすすめてくれたのが、深浦町観光協会の兼平さん。「夏は新緑、秋は紅葉。季節ごとに表情を変える自然の美しさを体験できます。列車旅なら散策ルートの出発点近くにある『青池』にぜひ。訪れる時間によって池の色が違って見えるんです」とのこと。「この時期ならではの紅葉と一緒に、雪人参など町特産のグルメも楽しんでくださいね」と笑顔で見送ってくれました。

また、全国各地から熱心なファンが訪れる「黄金崎不老ふ死温泉」が近隣にあり、「リゾートしらかみ」が出発・到着するタイミングに合わせて、送迎のためのバスを運行。観光拠点として今では欠かせないスポットになっています。

データ

  • 物産館コロボックル
  • 住所:青森県西津軽郡深浦町大字舮作字鍋石58-23
  • TEL:0173-82-0875
  • 営業時間:9:00〜17:00
  • 定休日:無休 ※12月〜3月は水曜定休。年末年始は休み
  • 料金:入館無料

青森県NO.1の水揚げ量を誇る町 マグロのご当地グルメ

黄金崎不老ふ死温泉
日帰り利用ができるお食事処のある新館。JRウェスパ駅間の送迎バスは、新館を発着点にしている。
海辺の露天風呂
写真提供/黄金崎不老ふ死温泉
遮るものがなく海までの距離が約1m、圧倒的な開放感が自慢の「海辺の露天風呂」。潮風を感じながらの湯浴みは身も心もリフレッシュしてくれる。
深浦マグロステーキ丼
地元産の野菜を取り入れた「深浦マグロステーキ丼」1,800円。ワカメで作った特産の麺「つるつるわかめ」入りのお吸い物、香の物、「ふかうら雪人参」のプリン付き。
深浦マグロステーキ丼
セルフで好みの焼き加減に調整するスタイル。ジンギスカン鍋に野菜を乗せて、蒸し焼きのようにしてマグロに火を通す。
深浦マグロステーキ丼
3種の小ぶりな丼が完成。手前から、昆布醤油にからめて長芋と漬け丼風にして味わう生の刺し身、特製の味噌ダレと錦糸卵が相性ピッタリの片面焼き、海藻入りの塩とマグロ節が旨みを引き立てる両面焼き。

青森県を代表する本マグロ(クロマグロ)といえば一本釣りで知られる“大間のマグロ”ですが、県全体の水揚げ量を見るとクロマグロの約半分は深浦地区で漁獲されています。“黒いダイヤ”とも呼ばれるクロマグロは、日本海を回遊して春から夏にかけて津軽海峡へと北上するため夏が旬。漁期は晩春から秋にかけてと長く、冬に獲れるマグロに比べてやや小ぶりながら赤身の味わいに定評があります。
この地域で獲れるマグロの美味しさをもっと知ってほしいという地元民の思いから、2013年にご当地グルメ「深浦マグロステーキ丼」が誕生しました。天然のマグロを3種類の丼で味わえるこのメニューは、現在町内の5店舗で提供。海辺の露天風呂が有名な「黄金崎不老ふ死温泉」でも味わうことができます。「十二湖」を散策した後は、きっとお腹がペコペコ。通称“マグステ丼”で活力をチャージしてはいかがでしょうか。

データ

  • 黄金崎不老ふ死温泉
  • 住所:青森県西津軽郡深浦町大字舮作字下清滝15-1
  • TEL:0173-74-3500
  • 営業時間:お食事処 夕陽 11:00〜14:00(LO13:45)
    新館大浴場 10:30〜14:00(最終受付13:30)
    本館大浴場 9:00〜19:00(繁忙期は8:00〜20:00) ※冬季は休館の場合あり
    海辺の露天風呂 8:00〜16:00(最終受付15:30)
  • 定休日:無休
  • 料金:入浴 大人1,000円、小学生500円

観光コンシェルジュが迎える 弘前エリアのインフォメーション

弘前ねぷた
弘前ねぷた300年祭を記念した「平 惟茂 紅葉狩(たいらのこれもちもみじがり)」や「素戔嗚尊 八岐大蛇退治(すさのおのみことやまたのおろちたいじ)」などを館内1Fに展示。
弘前観光コンベンション協会の野村さん
弘前市立観光館の窓口を担う、弘前観光コンベンション協会の野村さん。地元出身の観光コンシェルジュとして、地元愛が溢れるナビゲートをしてくれる。
追手門広場
同施設がある追手門広場には、「弘前八幡宮」祭礼の際に出陣していた7つの山車や「弘前ねぷたまつり」に欠かせない大太鼓を展示公開する「山車展示館」なども。

JR弘前駅からバスやタクシーで約15分のところに「弘前市立観光館」があります。来館客を迎えてくれるのは、弘前の伝統的な大型組ねぷた。重要無形民俗文化財「弘前ねぷたまつり」は、全国各地の七夕まつりの行事である“ねむり流し”や“虫送り”といった風習と融け合いながら、約300年の歴史をつないできました。津軽の文化にふれられる同施設内には物産販売コーナーのほか、津軽塗をはじめとする津軽の民工芸品を展示するコーナーがあり、現代まで愛され紡がれてきた手仕事の素晴らしさに感心させられます。
この施設の道路向かいにあるのは、桜の名所として知られる「弘前公園」。花々が咲き誇る春の華やかさ、新緑の木漏れ日がきらめく夏の爽やかさなど、季節ごとにさまざまな表情を見せます。残暑が遠のくと木々は赤や黄色へ彩りを変え、まさに“錦秋(きんしゅう)”という言葉を表したかのような美しさが園内全体に漂います。「改修のため、背景に岩木山を臨む場所に弘前城天守閣が移動しているので、今しか見れないその景色を眺めてほしいです」と薦めてくれたのは、観光コンシェルジュの野村さん。「本格的な冬の到来前に雪が積もる年がありますよね。そんな時に見られるのが、落ちた真紅の紅葉と真っ白な雪のコントラスト。これがとてもキレイなんです」。地元出身だからこそ知るとっておきの景色も教えてくれました。

データ

  • 弘前市立観光館
  • 住所:青森県弘前市下白銀2-1
  • TEL:0172-37-5501
  • 営業時間:9:00〜18:00 ※まつり期間は延長の場合あり
  • 定休日:無休(年末年始は休み。臨時開館の場合あり)
  • 料金:入場無料

秀峰・岩木山と並ぶ市民のシンボル 桜紅葉が魅せる日本の秋

弘前城天守閣
写真提供/弘前観光コンベンション協会
秋晴れの空の下に映える、弘前城天守閣。背景に見える岩木山が、町一帯を見守っているかのよう。
根上がりイチョウ
写真提供/弘前観光コンベンション協会
西の郭で存在感を放つ、根上がりイチョウ。辺り一面が鮮やかな落ち葉の絨毯で覆われる。
本丸の本丸南馬出石段
写真提供/弘前観光コンベンション協会
本丸の本丸南馬出石段には、艶やかに色づいたモミジが落葉。この季節だけ見られる赤い階段は必見。

秀峰・岩木山が色づき初めてから、少し遅れて津軽の里も秋色に。紅葉が見頃を迎える頃、弘前公園は観光客でにぎわいます。秋の公園の主役は桜紅葉(さくらもみじ)。イチョウやカエデなどさまざまな樹木も、日本らしい和の風景を見せてくれます。また、江戸時代以前に築かれて現存する東北で唯一の天守・弘前城が、石垣の老朽化による修理工事を進めているため、本丸内部の仮の天守台に移動しています。紅葉越しのお城、さらにバックに岩木山という贅沢な景色は、まさに今だけ見られる絶景です。
さらに、11月1日(金)〜10日(日)は「弘前城菊と紅葉まつり」が開催されます。弘前城植物園を主会場にフラワーアートの展示や市民菊花展、花や実すぐりリンゴ※を浮かべた花手水などを鑑賞できるほか、日が暮れる頃には公園内の紅葉をライトアップ。中国の四神で伝説の神獣“玄武”をモチーフに作られたフラワーアートにプロジェクションマッピングを投影し、情緒豊かなムードを演出します。
※果実を大きく品質良く育てるために摘果されたリンゴ

データ

  • 弘前公園
  • 住所:青森県弘前市大字下白銀町1
  • 開園時間:24時間 ※ 弘前城本丸・北の郭9:00〜17:00、弘前城植物園9:00〜17:00
    ※弘前公園自体は24時間無料で入園可能ですが、一部有料区域につきましては有料期間が【4/1~11/23 本丸・北の郭】、【4月上旬~11/23 植物園】となっています。
    ※植物園は上記期間以外は入園できません。
    ※上記期間は休園日はなく無休となっています。
  • 問い合わせ:弘前市みどりの協会 電話番号:0172-33-8733

※営業時間や定休日などは、2024年10月上旬時点の情報です。紹介施設の都合により、変更になる場合があります

記事作成:あきたタウン情報

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