風光明媚な日本海沿いを走る五能線は、秋田県のJR東能代駅から青森県のJR川部駅間の全長147.2kmを結ぶ43駅のローカル線。この時期、四季の移ろいを感じるノルタルジックな風景を目当てにした観光客の姿が多く見られます。JR秋田駅から「リゾートしらかみ」に乗車すると、のどかな田園風景が続いた後に進路は海辺へ。県境を超える頃には、見渡す限りのオーシャンビューと世界自然遺産である白神山地が乗客を魅了します。そして列車は山間部へと向かい、岩木山麓に広がるリンゴ畑の中を進みます。
秋の行楽シーズンがいよいよ到来! 行く先での楽しみはもちろん、秋色に染まった白神山地や岩木山、広大な畑にたわわに実る真っ赤なリンゴを車窓越しに眺めることができるのが「リゾートしらかみ」に乗車する旅ならではの醍醐味です。このシーズンだけのとっておきの絶景とグルメに出逢いませんか。
風光明媚な日本海沿いを走る五能線は、秋田県のJR東能代駅から青森県のJR川部駅間の全長147.2kmを結ぶ43駅のローカル線。この時期、四季の移ろいを感じるノルタルジックな風景を目当てにした観光客の姿が多く見られます。JR秋田駅から「リゾートしらかみ」に乗車すると、のどかな田園風景が続いた後に進路は海辺へ。県境を超える頃には、見渡す限りのオーシャンビューと世界自然遺産である白神山地が乗客を魅了します。そして列車は山間部へと向かい、岩木山麓に広がるリンゴ畑の中を進みます。
ユネスコ世界遺産(自然遺産)に登録されている白神山地は、ブナの原生林が自生する世界有数の山岳地帯の総称。標高約200mから1,250m以上、約130,000ヘクタールに及ぶ秋田県北西部から青森県南西部のエリアに、未だ手つかずの自然が残っています。
白神山地がまたぐ秋田と青森への県境あたり、五能線「リゾートしらかみ」が走る深浦町のJR十二湖駅で下車。「十二湖」は、津軽国定公園と自然休養林に指定された地域に33ある湖の総称。最大の見どころは、コバルトブルーに輝く「青池」です。湖底に朽ちたブナの大木が見られるほど透明でありながら、湖水はまるで青いインクを流したかのように鮮やか。周囲の木々を鏡のように映す水面は、訪れる時間帯や角度によって色合いを変え、訪れる者を魅了します。さらに、十二湖エリアに向かう道中、林の向こうに覗く断崖が「日本キャニオン」。 凝灰岩の白い岩肌が、アメリカの「グランドキャニオン」を連想させることからその名がついたとされています。
JRウェスパ椿山駅を下車すると目の前にあるのが「物産館コロボックル」。この一帯はかつてリゾート施設のある観光エリアでしたが、駅のみとなったことから2021年に深浦町観光協会がここへ移りました。現在は待ち合いとしての駅舎機能を担い、周辺の観光や宿泊などの案内所としてこの施設を管理・運営しています。町の特産「ふかうら雪人参」の加工品をはじめ青森県内の土産品が並ぶ館内には、ドリンクなどをテイクアウトできる軽食コーナーもあり、観光客がくつろぐ姿が見られます。
周辺の観光スポットについて尋ねると「十二湖」をすすめてくれたのが、深浦町観光協会の兼平さん。「夏は新緑、秋は紅葉。季節ごとに表情を変える自然の美しさを体験できます。列車旅なら散策ルートの出発点近くにある『青池』にぜひ。訪れる時間によって池の色が違って見えるんです」とのこと。「この時期ならではの紅葉と一緒に、雪人参など町特産のグルメも楽しんでくださいね」と笑顔で見送ってくれました。
青森県を代表する本マグロ(クロマグロ)といえば一本釣りで知られる“大間のマグロ”ですが、県全体の水揚げ量を見るとクロマグロの約半分は深浦地区で漁獲されています。“黒いダイヤ”とも呼ばれるクロマグロは、日本海を回遊して春から夏にかけて津軽海峡へと北上するため夏が旬。漁期は晩春から秋にかけてと長く、冬に獲れるマグロに比べてやや小ぶりながら赤身の味わいに定評があります。
この地域で獲れるマグロの美味しさをもっと知ってほしいという地元民の思いから、2013年にご当地グルメ「深浦マグロステーキ丼」が誕生しました。天然のマグロを3種類の丼で味わえるこのメニューは、現在町内の5店舗で提供。海辺の露天風呂が有名な「黄金崎不老ふ死温泉」でも味わうことができます。「十二湖」を散策した後は、きっとお腹がペコペコ。通称“マグステ丼”で活力をチャージしてはいかがでしょうか。
JR弘前駅からバスやタクシーで約15分のところに「弘前市立観光館」があります。来館客を迎えてくれるのは、弘前の伝統的な大型組ねぷた。重要無形民俗文化財「弘前ねぷたまつり」は、全国各地の七夕まつりの行事である“ねむり流し”や“虫送り”といった風習と融け合いながら、約300年の歴史をつないできました。津軽の文化にふれられる同施設内には物産販売コーナーのほか、津軽塗をはじめとする津軽の民工芸品を展示するコーナーがあり、現代まで愛され紡がれてきた手仕事の素晴らしさに感心させられます。
この施設の道路向かいにあるのは、桜の名所として知られる「弘前公園」。花々が咲き誇る春の華やかさ、新緑の木漏れ日がきらめく夏の爽やかさなど、季節ごとにさまざまな表情を見せます。残暑が遠のくと木々は赤や黄色へ彩りを変え、まさに“錦秋(きんしゅう)”という言葉を表したかのような美しさが園内全体に漂います。「改修のため、背景に岩木山を臨む場所に弘前城天守閣が移動しているので、今しか見れないその景色を眺めてほしいです」と薦めてくれたのは、観光コンシェルジュの野村さん。「本格的な冬の到来前に雪が積もる年がありますよね。そんな時に見られるのが、落ちた真紅の紅葉と真っ白な雪のコントラスト。これがとてもキレイなんです」。地元出身だからこそ知るとっておきの景色も教えてくれました。
秀峰・岩木山が色づき初めてから、少し遅れて津軽の里も秋色に。紅葉が見頃を迎える頃、弘前公園は観光客でにぎわいます。秋の公園の主役は桜紅葉(さくらもみじ)。イチョウやカエデなどさまざまな樹木も、日本らしい和の風景を見せてくれます。また、江戸時代以前に築かれて現存する東北で唯一の天守・弘前城が、石垣の老朽化による修理工事を進めているため、本丸内部の仮の天守台に移動しています。紅葉越しのお城、さらにバックに岩木山という贅沢な景色は、まさに今だけ見られる絶景です。
さらに、11月1日(金)〜10日(日)は「弘前城菊と紅葉まつり」が開催されます。弘前城植物園を主会場にフラワーアートの展示や市民菊花展、花や実すぐりリンゴ※を浮かべた花手水などを鑑賞できるほか、日が暮れる頃には公園内の紅葉をライトアップ。中国の四神で伝説の神獣“玄武”をモチーフに作られたフラワーアートにプロジェクションマッピングを投影し、情緒豊かなムードを演出します。
※果実を大きく品質良く育てるために摘果されたリンゴ
※営業時間や定休日などは、2024年10月上旬時点の情報です。紹介施設の都合により、変更になる場合があります
記事作成:あきたタウン情報