今回お話を伺ったのは、弘前市の津軽藩ねぷた村で金魚ねぷたを作っている檜山和大さん。金魚ねぷたを作り続けて約30年!経験と技術が認められ、2020年に弘前マイスター(※1)に認定されたそうです。「民芸品制作者として認めていただいて嬉しい反面、新型コロナウイルスの影響でねぷた祭りが中止になったのは残念だった」と檜山さんは話します。
津軽地方で伝承されている「金魚ねぷた」は、津軽錦という種類の金魚がモチーフになっていると言われています。起源は江戸(藩政)時代までさかのぼります。当時、金魚は大変貴重で、殿様など上流階級しか飼うことができませんでした。そこで津軽地方の農民たちは、竹を丸めて骨組みを作り、紙を貼り金魚の顔を描いたものを子どもたちに与えたことが金魚ねぷたのはじまりと言われております。今回は津軽地方の民芸品「金魚ねぷた」を紹介します!
今回お話を伺ったのは、弘前市の津軽藩ねぷた村で金魚ねぷたを作っている檜山和大さん。金魚ねぷたを作り続けて約30年!経験と技術が認められ、2020年に弘前マイスター(※1)に認定されたそうです。「民芸品制作者として認めていただいて嬉しい反面、新型コロナウイルスの影響でねぷた祭りが中止になったのは残念だった」と檜山さんは話します。
塗りには、下地加工、中塗り、上塗りの段階があり、今は分業することが多いのですが、うちはこの工程を一貫して行っています。自分のこだわりを貫ける分、込める思いもひとしお。塗っては研ぐを繰り返して天然漆ならではの光沢と曲線美を作り出し、ゴミを付けず刷毛目が見えないように塗る「花塗り」には自信を持っています。
※弘前マイスターとは、弘前市の地域産業を支える優れた技能・技術の継承・発展及び人材育成を図るため、弘前市が認定した産業全般に携わる優れた技術者のこと
金魚ねぷた作りは、①骨組み ②和紙貼り ③墨入れ ④ろう引き ⑤色入れ の工程で作られます。中でも、墨入れで真ん丸な目玉を書くのが難しいそう。
30年前に金魚ねぷた作りの修業を始めた檜山さんはひたすら丸い目玉を書く練習をしたと言います。
他にも、ろう引きでは、ろうが固まらないうちに描き上げるスピードも必要なんだとか。
津軽藩ねぷた村では「金魚ねぷたづくり体験」ができます!世界にひとつだけの金魚ねぷたで、津軽の夏の風物詩を味わいませんか?
30年作り続けた金魚ねぷたの存在をもっと多くの人に知ってもらいたいと檜山さんは話します。伝統のある民芸品を現代風にアレンジして、日々挑戦し続けているそうです。疫病退散の意味を込めてアマビエ金魚ねぷたを作成したり、毎年の干支を金魚ねぷたをアレンジして表現しています。
最近では新たな挑戦として、JR東日本秋田支社、(株)弘南鉄道、弘前市と、東北デスティネーションキャンペーンに向けて、「金魚ねぷた列車」のプレ企画に協力しました。350個もの金魚ねぷたを電車内に装飾するためにひたすら毎日金魚ねぷたを作り続けた檜山さん。
「昨年は夏にねぷたまつりがなく残念でしたが、秋には金魚ねぷた列車を運行して大成功でした。今年も金魚ねぷた列車を体験して、ぜひ皆さんにも癒されてほしい!」と話していました。
津軽藩ねぷた村の檜山さんもご協力したという「金魚ねぷた列車」とは何でしょうか?!
2020年9月5日(土)から9月30日(水)弘南鉄道大鰐線で、電車内に約350個の金魚ねぷたを装飾した「金魚ねぷた列車」を東北DCへ向けたトライアルとして運行しました。日暮れ前から金魚ねぷたの灯りだけで運行され、電車の揺れに合わせたように、まるでたくさんの金魚が空を泳ぐような、幻想的な光景がひろがります。
手作業で一つ一つ取り付けたり、イベントの様子を情報発信したり、素敵な写真を撮影したり、電車の中にいることを忘れさせてくれるようなイベントにするために、JR東日本秋田支社、(株)弘南鉄道、弘前市、弘南鉄道アソビプロジェクトの皆さんで準備しました。
東北DCとは…東北6県の自治体や観光関係者とJR6社などが一体となって行う大型の観光キャンペーンです。開催期間は2021年4月1日(木)~9月30日(木)で、東北6県で6ヶ月の開催は初めての取組です。(東北DC特設サイトより引用)
弘南鉄道アソビプロジェクトのメンバーである、(株)弘南鉄道の工藤司さんにもお話を伺いました。
弘南鉄道のイベント列車は、30年以上の歴史があるそうです。7月には車両でビアホールが楽しめるビール列車、12月には忘年列車、2月には津軽の郷土料理けの汁が食べられる「けの汁列車」など、毎年の恒例となったイベント列車が運行されています。
金魚ねぷた列車プレイベントでは、「装飾が終わるときや夜に灯りがついたとき、なんだかゾクゾクしました!いつも見ている車両じゃないみたいで、異様な感じが初めての感覚でした」と工藤さんは話します。
夏祭りの時期に街中に飾られる金魚ねぷたを見ることはありますが、これだけたくさんの数の金魚ねぷたが2両の中に集まる光景はなかなか見ることができない体験です。新しい観光名所になりそうで、これからのイベントに向けて今からわくわくが止まりません!
今回ご紹介した津軽地方の民芸品である金魚ねぷた。制作体験やイベントなど、津軽には可愛いものだけじゃなく楽しい体験もたくさん!かわいい金魚ねぷたに出会える津軽でお待ちしてます!
記事作成:株式会社コンシス