2026/3/25
笠間焼の湯呑み
~奥深い緑から感じる職人の手仕事の温もりと優しい質感~
列車に揺られ、豊かな時間をお過ごしいただく、車内の設えに触れる、美しい音楽に触れる。移りゆく車窓をご覧になりながら、ゆっくりと食事をお楽しみいただくことはもちろん、そこで出会う旬の食材、土地の食材、一緒にご用意する飲み物や、提供する器に触れることなどを通して東日本を感じていただけることが、私たちの喜びです。
今回は茨城県笠間市の陶芸家、井上英基氏が「TRAIN SUITE 四季島」のために特別に制作した湯呑みをご紹介します。
*いのうえ・ひでき
1970年水戸市生まれ。 日展・日本現代工芸美術展などで活躍 2015年碧彩釉を用いた大鉢が第23回日本陶芸展で最高位の大賞、桂宮賜杯を受賞。2023、25年に日展で特選を受賞、日展会友。
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笠間焼は、日本三大稲荷の一つである笠間稲荷神社の参拝みやげとして、古くから用いられてきました。江戸時代後期に始まった日本で最も古い陶磁器生産地の一つであり、日用品から芸術性の高い作品に至るまで、現代においても多くの人々に愛され続けています。「これが笠間焼」という決まった型がないのが最大の特徴であり、作り手の個性そのものが器に表現されているのも魅力の一つです。
その中で、井上英基氏は釉薬(ゆうやく)による表現を追求し研究を重ねることで、奥深い緑色の釉(うわぐすり)を生み出しました。器を通して「それぞれの人が心に描く自然の風景や、記憶に残る情景を感じ取ってほしい」という想いが込められています。 
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この特別な湯呑みには、碧彩釉(へきさいゆう)と白い釉薬を上下に施した「碧彩湯呑み」、列車内のモダンな和の雰囲気に合わせ碧彩釉と白い釉薬を縦じま状に施した「碧彩千紋(せんもん)湯呑み」と2種類のデザインがございます。「『四季島』は海沿いを走るコースもあるので、紺碧の海と白い砂浜をイメージした」とのこと。美しい色合いが印象的なこの逸品を、各コースのお寿司をご提供する場面で使用しています。 -
水戸線を走行する冬の1泊2日コースでも、江戸前寿司とともに笠間焼の湯呑みをご堪能いただけます。同じデザインでも、一つひとつ表情の異なる器からは、職人の手仕事の温もりが感じられます。土地に思いをはせながら、見た目の美しさや手に触れたときの優しい質感にもぜひご注目ください。