2021年3月26日

MIYAGI MONO

|宮城県|

復興の大豆、希望のきなこ。

JR東日本グループは地域と連携した産直市の展開、伝統工芸品の発掘、農産加工商品の開発など新たな雇用の創出や資源の活性化を図る地方創生プロジェクトに積極的に取り組んでいます。今回は宮城県における事例、「仙台きなこシリーズ」を紹介します。

復興のシンボルになる新しいお土産の開発を。

JR東日本グループでは地域の魅力ある素材(1次産業)を掘り起こし、優れた加工技術等(2次産業)を組み合わせ、消費者の視点を踏まえた商品開発と販売(3次産業)を実現していく6次産業化に特化した取り組みをグループとして進めています。

仙台きなこシリーズは、その名称から分かるように宮城県における事例。東日本大震災で農業にも大きな被害が及んだ東松島市で『農業を続けることが農家の復興につながる。地域の希望になる』と、米のほかに麦や大豆と試行錯誤を重ねながら作付け品目を広げていた「農業生産法人アグリードなるせ」とJR東日本のつながりが、新しい展開のきっかけとなりました。

復興の大豆、希望のきなこ。 写真1

1999年に農地利用改善組合としてスタートし、2006年に農業生産法人化を果たした「アグリードなるせ」。2011年3月11日に被災するものの、津波の被害を受けた土地の除塩活動や耕作放棄地の引き受けなどを行い、米、麦の栽培や大豆の輪作を実践しながら地域営農の持続的発展をめざしています。

「当時JR東日本グループでは、作付け品目の拡大とともに6次産業化を進めようとしていたアグリードなるせさんを支援したい、そのために何ができるかということを考えていました。被災地で生産された大豆を使い、かつJR東日本グループの販路を生かし切れる商品のアイデアを考えるというところまでは決まったのですが、具体的な商品化の段階で詰まってしまい、仙台駅 エキナカなどに出店している仙台銘菓・萩の月を手がける菓匠三全さまにご相談しました。」そう語るのは、JR東日本仙台支社 事業部 企画・地域共創課の渡邊智憲。

復興の大豆、希望のきなこ。 写真2

エキナカを中心とする店舗等を利用した「マーケティング・消費者ニーズの共有」、「テスト販路の活用」、「食品表示や衛生基準など商品開発に関わる情報の共有」といった側面から、市場に求められる商品づくりをバックアップしています。

試作と試食、
数えきれないくらいの議論を重ねてできた商品。

「JRさんの最初の一言目が、『大豆をなんとかできませんか』でした。大豆と聞いて一瞬戸惑いましたが、復興に向けたチャレンジに関するご相談を頂き、とても光栄に思いました。そして「きなこ」に加工することを思いつき、そこからはひたすらに試作と試食の繰り返し。JRさんにも参加していただき数えきれないくらいの議論を重ね、最終的に4つの商品が生産のラインに乗ることになりました」

濃密な時間を過ごしてきた証でしょうか。菓匠三全 常務取締役の田中裕史氏は、数年前の出来事を昨日のことのように話してくれました。

復興の大豆、希望のきなこ。 写真3

きな粉自体もパッケージングされ、「仙台きなこ」として販売されています。

復興の大豆、希望のきなこ。 写真4 復興の大豆、希望のきなこ。 写真5

「お客さまへのサービス」「喜働の職場づくり」「堅実経営」の三つの完全をめざす精神に由来する社名を掲げ、1947年の創業以来、仙台銘菓「萩の月」をはじめとした和洋菓子製造・販売を通じて地域の文化的発展に寄与し続けている「株式会社菓匠三全」。21世紀にふさわしい新商品の開発にも精力的に取り組んでおり、世界の食品コンクール「モンドセレクション」では連続で最高金賞・金賞の受賞を達成しています。

震災から10年の節目の年にラインナップを拡充

そして2016年3月、晴れて店頭に並んだのは、仙台きなこクランチ、仙台きなこおかき、黒蜜きなこもち、仙台きなこの4商品。シリーズは瞬く間に人気商品となり、販売初月から計画を上回る売上を記録したのです。

復興の大豆、希望のきなこ。 写真6

選りすぐりの大豆をきなこに加工し、お米のパフのクランチにコーティングした「仙台きなこクランチ」(写真左)、さっくり揚げたこだわりのおかきに淡く香ばしいきなこをからめた「きなこおかき」(写真中央)、やわらかい黒蜜のお餅に香り高いきなこをたっぷりまぶした「黒蜜きなこもち」(写真右)

「シリーズの商品をお買い求めくださったお客さまからは、『これからの仙台土産の定番になりそう』『封を切った瞬間に香ばしさが広がって幸せな気持ちになる』といったうれしいお声を数多くいただきました。復興への思いに共感してくださる方も多く『応援してるから頑張ってね』とお声がけいただいたときには、宮城県民としてこの上ない喜びを感じました」

菓匠三全 営業部の後藤結里花氏は、店頭に立つ販売員でなければなかなか聞くことができない、お客さまのリアルな声を紹介してくれました。

復興の大豆、希望のきなこ。 写真7

こうして好意的な反響とともにマーケットに迎えられ、堅調な売上を続けてきた仙台きなこシリーズも今年で誕生から6年目。さらに2021年は震災から10年の節目の年にもあたるということで、JR東日本グループと菓匠三全では、このタイミングで仙台きなこシリーズをより魅力的なブランドにしていこうと、ラインナップ拡充の準備を進めています。

4月から順次ラインナップに追加される予定の商品は、黒蜜を仕込んだきなこ味のタブレットをさっくり繊細なラングドシャクッキーとあわせた「みとわ 黒蜜きなこ」、口どけよく焼き上げた「ケーキドーナツ きなこ」、ノンフライでヘルシーなおいしさを実現した「仙台うす焼きせんべい きなこ」、そしてリニューアルが図られる「黒蜜きなこもち」(いずれも取扱店舗は仙台駅構内の各店等となる予定)。宮城県へ訪れた際には、みなさんもぜひ仙台きなこシリーズを旅の思い出と共に味わってみてください。

復興の大豆、希望のきなこ。 写真8

左から株式会社菓匠三全 常務取締役 田中裕史氏、株式会社菓匠三全 営業部 後藤結里花氏、JR東日本仙台支社 事業部 企画・地域共創課 渡邊智憲

菓匠三全

  • 菓匠三全 写真

    広瀬通り大町本店
    住所 仙台市青葉区大町2-14-18
    電話番号 022-263-3000
    営業時間:9時~19時(HPを参照ください)
    https://www.sanzen.co.jp/