秋を迎えた高峯渓谷はカラマツが黄金色に染まり、冬は雪化粧がほどこされる。渓谷の遥か先には中央アルプスの稜線が。標高およそ2000mの尾根の上に立つ高峰温泉からは、宿に居ながら雄大な四季の大パノラマを堪能できる。

　高峰温泉の湯守・後藤英男さんはチャレンジ精神が旺盛で、湯を守るだけでなく、さまざまなもてなしを日々考えている。今では宿のシンボルになっている「雲上の野天風呂」は湯守のお手製。絶景と湯を同時に満喫できる湯船に、リピーターが絶えない。さらに昨冬には宿の2階にある展望風呂のリニューアルを行った。「湯船には推定200年以上、直径1mを超える天然の高野槙を使用しています。一本物の大木をどこから館内に運び入れるかに悩み、結局窓から搬入しました」と湯守。大工事の末誕生した湯船は天然木の風格を感じる見事な仕上がり。木の香りに包まれ、木肌と湯の温もりをじっくり味わおう。

　高峰温泉の滞在中、多彩に用意されたアクティビティにもぜひ参加したい。ガイドと歩く「自然観察会」（別料金・要予約）、宿で行われる「温泉療養講座」や「星の観望会」、「野鳥教室」などを体験すれば、高峰温泉を取り巻く自然の豊かさに驚かされることだろう。