地・温泉は、その地に根ざし地元の人たちから昔から愛されてきた湯である。かつては湯治場だった、という一軒宿が多い。大規模ではなく、もてなしがすみずみまで行き届く規模。宿の人たちとも話や笑顔が行き交う、そんな気さくな宿。部屋にも、風呂場にも木の温もりがあり、心からくつろげる。もちろん、湧き出る湯は“かけ流し”もしくはそれに準ずる、本物の湯でなければならない。
そして、食事は“地”のものが、愛情こもったその地の流儀で供される───そんな湯だけが“地・温泉”という称号を得ることができる。