三条金物
新潟県三条市
精密な加工が生み出すエレガンス
重厚さ、華やかさ、繊細さ。美しき照明カバーとカトラリー
「金属はこんなにも美しいものか」。LOUNGE こもれびの扉の近くの門柱照明やDINING しきしまの照明カバーを目の前にすると、思わず息を呑む。どっしりとした重厚感、そしてゆるやかな曲線が描く透かし彫りのような精巧なデザイン。灯りがともると彫りのシルエットが浮かび上がり、あたかもひとつのアートオブジェのような華やかな存在感を放ち始める。
そして食事の際にテーブル上に配されたスプーンやフォークなどのカトラリー類の、シンプルで美しいフォルム。それらの柄には「TRAIN SUITE 四季島」のロゴがさりげなく細かな線で刻印されている。磨き上げられた金属が放つ光沢と細部まで貫かれた美意識が、旅のエレガンスを奏でる。
「ものづくりの町・三条」を生んだ、高精細な金属加工技術
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「金物の町」と知られる新潟県三条市。江戸初期、度重なる天災で生活に困窮していた領民のために江戸から和釘鍛冶職人を招いたのが、この地の金物づくりのはじまり。その技を受け継ぎ、長年にわたり、新技術を取り入れてより高精細な金属加工技術を発展させてきた。さらに昭和以降は金属加工を軸に、「ものづくりの町・三条」としてその名を知らしめてきた。
板垣金属は昭和44(1969)年の創業以来、主に自動車や電子機器メーカー向け製品の金属加工を手掛けている。鉄からステンレス、アルミまで、どんな材料でもより精密にそして薄く加工する。照明の灯りに照らされ、繊細な輝きを放つその金属面からは、三条の町が育んできた精密加工のエッセンスが息づいている。