何万回も叩いて生み出す銅の器の美 客室に備えられた花器や一輪挿しは、新潟の伝統工芸、鎚起(ついき)銅器という鍛金技術によるもの。1枚の銅板を金槌で何万回も叩いてかたちにしていく。どれひとつとして同じものはなく、色味やかたちが少しずつ異なる。四季折々の花木もそこに生けられると、銅が放つ鈍い輝きとともに、より華やかさが増すようだ。 四季島スイートとデラックススイートに設えられた、鎚起銅器の花器。生けられた花木をひき立てる。 銅の肌が美しい洗面台の一輪挿し。丸型はスイート、縦長型は四季島スイートとデラックススイートに。
越後の風土が育んだ超絶技巧の伝統美 金属加工業の町として名高い新潟県燕市。江戸中期、この地で古(いにしえ)より親しまれてきた弥彦山で銅が採掘され、そこから釜、やかんなどの鎚起銅器づくりが行なわれるようになった。当初は素朴な生活道具が主であったが、現在ではその高度な鍛金や彫金の技が生み出す美術工芸品としても高い評価を得ている。 玉川堂の創業は文化13(1816)年。初代玉川覚兵衛が鎚起銅器づくりを継承し、やかんや鍋、釜などの生産を手掛け始めたことに端を発する。現在も築100年を超える日本家屋の工房には職人たちが銅板を打つ鎚音が響きわたり、気の遠くなるような工程を経て、世界でひとつだけの銅の器が生み出されている。 「株式会社玉川堂」オフィシャルサイト 詳しくはこちら