会津塗

福島県会津若松市

伝統の技と現代の美意識が交差する
奥深き会津塗の世界

艶やかな黒漆のキーボックスと
洗練された拭き漆のアメニティボックス

「TRAIN SUITE 四季島」の客室には、会津塗の文化の継承を物語る二つのアイテムがある。
ひとつは、鍵を収めるための会津塗のキーボックス。黒漆がしっとりとした光沢を放ち、丁寧に漆を塗り重ねる職人技に伝統の重みを感じる。もうひとつは、会津塗の中でも拭き漆という技法で仕上げたアメニティボックス。透けた生漆を木地に塗っては拭き取る作業を繰り返し、木目をいかして仕上げた塗の風合いは、熟練の塗師による手仕事だからこそ。深みがありながら現代のスタイルに馴染む美しさだ。

伝統の黒漆と、受け継ぎながら新しさを生み出す拭き漆。
いずれのボックスにも、職人たちの丁寧な仕事や誇りが宿っている。

客室に配されている会津塗のキーボックス。漆による仕上げ塗りの艶やかな光沢と黄金色に輝く蒔絵の線に息を呑む。
上蓋を開けると、真っ赤なビロード製の内張り。黒艶と深紅の組み合わせが目を引く。
洗面スペースに置かれたアメニティボックス。金の蒔絵で描かれているのは「TRAIN SUITE 四季島」のロゴ。美しい木目がデザインにいかされた拭き漆ならではの逸品。
アメニティを収める内箱には赤拭き漆が施されている。幾度も塗と拭きを繰り返し、奥深い赤色が生み出される。使うほどに艶が増す会津塗だからこそ、ふだん使いのように手に取って。

会津の人びとと歩んできた、日常を彩る漆の器

会津の地で漆器づくりが始まったのは安土桃山時代。領主・蒲生氏郷(がもう・うじさと)公によってもたらされた。以来、この雪深い土地の人びとによって大切に育まれてきた。会津塗は、ふだん使いにも適する丈夫な器だ。堅牢にかたちづくられた木地には、丁寧に漆が塗り重ねられ、最後に艶やかな蒔絵が描かれる。
鈴善漆器店は、創業天保3(1832)年。ときの藩主・松平家の御用商人だった初代鈴木善九郎にまでさかのぼる。会津若松の老舗として、会津塗の継承に力を尽くす。
関美工堂は、「BITOWA」「NODATE」「urushiol」など、次世代に向けた新しいスタイルの会津塗を発信し、年齢性別国籍を問わない新たな漆ファンを生み出し広げてきた。

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