会津塗
福島県会津若松市
奥深き会津塗の世界
艶やかな黒漆のキーボックスと
洗練された拭き漆のアメニティボックス
「TRAIN SUITE 四季島」の客室には、会津塗の文化の継承を物語る二つのアイテムがある。
ひとつは、鍵を収めるための会津塗のキーボックス。黒漆がしっとりとした光沢を放ち、丁寧に漆を塗り重ねる職人技に伝統の重みを感じる。もうひとつは、会津塗の中でも拭き漆という技法で仕上げたアメニティボックス。透けた生漆を木地に塗っては拭き取る作業を繰り返し、木目をいかして仕上げた塗の風合いは、熟練の塗師による手仕事だからこそ。深みがありながら現代のスタイルに馴染む美しさだ。
伝統の黒漆と、受け継ぎながら新しさを生み出す拭き漆。
いずれのボックスにも、職人たちの丁寧な仕事や誇りが宿っている。
会津の人びとと歩んできた、日常を彩る漆の器
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会津の地で漆器づくりが始まったのは安土桃山時代。領主・蒲生氏郷(がもう・うじさと)公によってもたらされた。以来、この雪深い土地の人びとによって大切に育まれてきた。会津塗は、ふだん使いにも適する丈夫な器だ。堅牢にかたちづくられた木地には、丁寧に漆が塗り重ねられ、最後に艶やかな蒔絵が描かれる。
鈴善漆器店は、創業天保3(1832)年。ときの藩主・松平家の御用商人だった初代鈴木善九郎にまでさかのぼる。会津若松の老舗として、会津塗の継承に力を尽くす。
関美工堂は、「BITOWA」「NODATE」「urushiol」など、次世代に向けた新しいスタイルの会津塗を発信し、年齢性別国籍を問わない新たな漆ファンを生み出し広げてきた。