GLOBAL 国際事業

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03

INTERVIEW 3
インド高速鉄道プロジェクト-1

03 INTERVIEW 3 インド高速鉄道プロジェクト 大和田 裕也 2010年入社(エリア職)

INTERVIEW3

インド高速鉄道
プロジェクト

大和田 裕也

YUYA OWADA

  • 国際事業本部
  • インド高速鉄道部門
  • 2010年入社(エリア職)

MISSION

インド西部のムンバイ〜アーメダバード間(508km)を約2時間で結ぶ高速鉄道プロジェクト。インド初となるこの高速鉄道に日本の新幹線方式が採用され、JR東日本などの鉄道会社10社が出資した日本コンサルタンツ(JIC)などがプロジェクトで大きな役割を担う。プロジェクトが佳境を迎えるなか、JR東日本はさまざまな側面から支援を行っており、開業後のO&M(運行・保守)を見据えた体制構築のサポートも重要な使命のひとつになっている。インド高速鉄道部門に所属する大和田は現在、インド高速鉄道公社(National High Speed Rail Corporation Limited、以下NHSRCL)の職員に向けたO&Mの研修を進めている。

与えられたのは、幅広い役割と大きな裁量。

与えられたのは、幅広い役割と大きな裁量。

2019年に国際事業本部のインド高速鉄道部門に配属となった大和田が、まず所属したのは計画ユニット。部門全体の収支管理や独立行政法人国際協力機構(JICA)などの関係機関との調整、契約業務、精算などを担当した。初めて携わった国際事業で、大和田は大きな衝撃を受けた。
「一人ひとりに任せられる仕事の幅が広く、一つひとつの業務の規模感が大きい。契約業務にしても、その契約額の大きさに当初は驚きましたね。しかも、プロジェクトを円滑に推進するためには、スピード感を持ってそうした業務を進めなければなりません。緊張感を持って仕事に取り組む必要がありましたが、その分刺激に溢れたやりがいのある日々でした」

計画ユニットで2年間を過ごした後、大和田は人財育成・O&Mユニットへ。NHSRCL向けに研修を実施することが、大和田の主な業務となった。2022年にはNHSRCLの実務責任者である次長級職員13名に対し、3ヵ月間にわたって日本で研修を行った。そして、再び次長級職員を日本に招き、9ヵ月にわたってOJT研修を実施するための準備を現在進めている。運輸や車両、土木、電力などの業務分野にわかれてOJT を行うため、関係する社内部門やグループ会社、パートナー会社は多岐にわたるが、その調整を担うのも大和田の役目だ。
また、NHSRCLと協議し、スケジュール調整や研修時のルール作成も行っている。現場研修時に写真撮影を許可する範囲など、ルール作成ひとつとっても調整すべきことは多い。そうした業務のなかに身を置く大和田は、大切なのはコミュニケーションを深めることだと言う。
「言語も暮らしている文化も異なるNHSRCLの職員との相互理解を図るには、コミュニケーションを重ねるしかないと思っています。日本人にとって当たり前でも、異なる文化で暮らしているインド人にとっては当たり前でないことも多い。高速鉄道の開通に向けて万全のO&M体制を実現するためにも、NHSRCLとの積極的なコミュニケーションは欠かせません」

前例のない国際プロジェクトに携われるやりがい。

前例のない国際プロジェクトに携われるやりがい。

「今のキャリアは、入社当時は想像できませんでした」。学生時代は外国語学部で英語を学んでいた大和田は、現在のキャリアについてそう語る。仕事で英語を活かしたいという希望を持ちつつ、就職活動で軸となったのは「地域や社会に貢献できる仕事」に就くこと。そうした理由から、地域に寄り添ったサービスを提供し、多彩な事業を手掛けているJR東日本に興味を抱いた。
エリア職で入社した当時の目標は運転士。入社後に配属になった東京駅では改札業務を担当し、お客さまへのご案内や応対などを行った。そして2年半後には車掌となり、宇都宮線や高崎線、常磐線に3年間乗務。その後は東京総合指令室の企画グループに異動となり、稟議書作成や予算管理、会議運営など、さまざまな業務を担当した。

大和田のキャリアを大きく変えたきっかけは、公募制異動で国際事業本部に手を挙げたこと。学生時代に学んだ英語を活かして国際事業に携わりたいという気持ちが大きくなり、応募した。
「国際事業本部に異動が決まり、インド高速鉄道部門へ配属になったときは本当に嬉しかったですね。当社としても前例のない大規模な鉄道の国際プロジェクトに、自分が携われるのですから。ただ、前例のないプロジェクトであるため、すべての業務が試行錯誤の連続ですし、ルーティンワークはひとつとしてありません。私がインド高速鉄道部門に異動してきた2019年当時は、鉄道建設用の用地取得等が進んでいない段階でした。そこからさまざまなハードルを乗り越えながら、プロジェクトを進めてきました」
現在の人財育成・O&Mユニットでの業務も、頭を悩ますことばかりだという。例えば、JR東日本が蓄積してきた新幹線の運行ノウハウ。NHSRCLに提供するにあたっては、そうしたJR東日本の貴重なノウハウにも“価格”を設定しなければならない。誰も正解を知らない仕事に、大和田は日々向き合っている。数々の高いハードルを乗り越え、インド高速鉄道を無事に開業させるために、大和田はこれからも挑戦を続けていく。

FUTURE

インド高速鉄道プロジェクトをやり遂げることで、インド国内の交通が格段に便利でスピーディになり、大きな社会貢献ができるはずです。また、当社にとっても、本プロジェクトが日本国内で蓄積してきたノウハウを海外へ輸出するモデルケースになると私は思っています。将来は、駅のスペースを活用して魅力的な商業空間を生み出すエキナカなどのノウハウなどを、海外で活用してもおもしろいのではないでしょうか。
また、ひとつの会社に在籍しながら多様な事業に関われるのが、JR東日本に就職する大きな魅力だと思っています。私自身も、東北・上越・北陸方面への観光誘致や魅力あるエキナカづくりなど、携わりたい仕事がたくさんあります。国際事業本部で養った幅広い視点やグローバルマインドを活かし、若手社員の育成にも力を入れていきたいですね。挑戦したいことが数多くあるので、これからも一日一日を大切にしていきます。

FUTURE

PROFILE

JR東日本入社後は、首都圏での駅業務、車掌、そして指令ユニットでの勤務を経て、公募制異動で国際事業本部へ。「地域や社会に貢献できる仕事がしたい」という就職活動時の想いを、さまざまな側面から実践してきた。インド英語には独特のイントネーションがあり、学生時代に英語を専門的に学んできても、NHSRCLの職員との会話ではリスニングが難しいことも多い。より良いコミュニケーションを図るため、現在はオンライン英会話での学習も進めている。

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