列車制御システム・エネルギー・情報通信
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 現場調査が終わったら設計です。調査時に思い描いていた内容を具体的にわかりやすく、図面や文章にしていきます。現状に形がなく新しいものを創り出していくため創造力も必要です。 また、設備は新しく作ると長く使用することになります。従って、ただ作ることだけでなく、将来の電気使用量や周辺環境、メンテナンスのことも考慮して設計を行う必要があり、メンテナンス分野の社員との連携も重要となります。 新しい設備を使用する前には、設備に問題がないか、安全上支障はないか厳しい検査を行います。たとえば、列車制御システムではメーカーによる工場内試験のほか、現地にて全ての制御条件の試験を行います。このような徹底した試験・検査が、安全正確な輸送につながっています。 検査に合格し、いよいよ使用開始となる際にはいつも緊張が走ります。ですが、切換後に列車が通るのを見ることが工事部隊の一番のやりがいです。 お客さまや当社にとっての新たな価値を生み出していく大規模プロジェクトを扱います。綿密な計画を練り、調査・設計は直轄作業と外注作業とで連携しながら進めています。調査・設計内容を整理して工事を発注し、的確な施工管理のもと工事を進めます。最後に竣工検査を行い、使用開始となります。 そして喜ぶのも束の間。工事部隊は次のプロジェクトに取り組みます。 工事の規模が大きくなると、毎日コツコツ施工を進めることが多いですが、全ては切換工事と呼ばれる他系統も含めた大掛かりな施工に向けての準備です。切換工事とはその名の通り、設備を古いものから新しいものに切り換えるための工事です。 切換工事を境に列車が新しい設備を使って走るのです。このような切換工事では、土木工事・軌道工事も同日に施工するため、関係者と連携を密に取りながら作業を行っていきます。時には40時間以上かけて施工することもあり、工事分野で働く社員にとっての一大イベントです。 工事の担当部署は「電気システムインテグレーションオフィス」で、東京と仙台にオフィスがあります。各部署では施工管理を行う現場もあり、工事施工箇所によって拠点が分かれています(東京・新宿・品川・高崎・仙台・盛岡 2023年10月現在)。 大規模プロジェクトには、人手も年月も資金も多く必要です。取り掛かる前には工事の必要性・効果など様々な視点から綿密な検討を行い、大規模プロジェクトが幕を開けます。 プロジェクトの成功には、詳細な現場調査が鍵をにぎっています。完成形をイメージし、設計するための測量を行います。現場調査での下地作りが出来を左右するのです。11計画策定・現場調査工事設計竣工検査(使用前検査)・使用開始工事施工(施工管理)プロジェクト・工事

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