列車制御システム・エネルギー・情報通信
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 輸送障害発生時、原因特定のため係員が多くの箇所のデータを測定し運転再開まで時間を要することがあります。そこで、現地係員を指揮する指令員が早期に障害原因の特定や復旧方法を指示できるよう、障害の発生状況(時系列情報)を入力することで、AIにより過去のデータベースの中から類似する事例を抽出し、障害の原因や復旧方法の提案を行うシステムを開発しています。引き続きデジタル技術を活用し、さらなる輸送安定性の向上を目指します。 ヘッドマウントディスプレイ型のMR※デバイスを、異常時に現場駆けつけた作業員と指令間の連絡ツールとして導入しています。このMRデバイスを用いる事で現地状況、図面等の情報を相互に共有する事ができ、設備トラブルの早期復旧に寄与します。※MR (MixedReality): ARとVRを組み合わせたようなもので、CGなどで人工的に作られた仮想世界と現実世界を融合させる技術。 従来、電車に電力を供給する架線設備については、現地で至近距離から目視等による点検を行ってきました。現在は検査の省力化と品質向上、働き方改革の推進を目指し、電気・軌道検測車(East-i)搭載のカメラおよびセンサで取得した画像などのデータによる架線設備検査「架線設備モニタリング」を導入しました。今度はさらなる検査の省力化を目指し、画像のデータからAIを活用して設備状態の良否を自動判定するシステムを実装していきます。 通信設備の機能維持を図るために、定期的に設備の検査を人によって実施しておりますが、センシング技術を活用し、「遠隔で自動的に」検査データを取得できるように保守に係わる機能の増強を図っていきます。具体的には列車無線基地局や通信電源装置の各種保全情報(周波数・出力・電圧・温度など)を自営ネットワークを活用して遠隔で一括収集し、設備の健全判断に活用していきます。■列車無線装置の自動遠隔測定グラフ10MaintenanceAIを活用した指令作業⽀援MRデバイスの活用架線設備モニタリング通信設備のスマートメンテナンスメンテナンスのこれから

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