5 土木構造物は雨、風、地震などの自然外力を受けるため、設計時の想定以上に外力を受ける可能性があります。JR東日本では、安全を 1993年以降、落橋防止対策、高架橋柱や橋脚の耐震補強対策を進めており、東日本大震災後の2012年度からは、優先度の高い線区を定めて対策に着手しています。その後も最新の地震研究の知見に基づき対策エリアを拡大しており、2021年度からは「地盤の揺れやすさ」と「構造物の揺れやすさ」という新たな指標を導入して優先度の高い設備の地震対策を推進する予定です。■高架橋・橋脚の耐震補強■盛土・切取の耐震補強■新幹線早期地震検知システム 高架橋柱や橋脚は、急激に破壊が進む“せん断破壊先行型”のものから“曲げ破壊先行型”のうち耐震性が比較的低いものへと、地震時の損傷レベルの大きなものから順に補強を進めています。 首都圏の在来線を中心に、盛土・切取の高い個所から補強を進めています。 地震計が一定規模以上の地震を検知した段階で直ちに架線の電力を遮断することで、沿線に大きな揺れが到達するより先に、列車を減速・停止させるシステムを導入しています。当社で設置している早期検知地震計に加えて国立研究開発法人防災科学技術研究所が整備を行っている「日本海溝海底地震津波観測網(Snet)」の地震観測データを導入しており、2019年1月から活用する観測網を拡大しています。今後は、海底地震計情報の在来線への導入等についても、引き続き検討を進めていきます。■レール転倒防止装置による新幹線逸脱防止 走行中に地震が発生し脱線した場合に被害拡大を防止するため、車両に設置したL型車両ガイドがレールに当たることで車輪が線路から逸脱することを防止する対策を進めています。現在すべての新幹線車両へのL型車両ガイドの設置が完了し、レール転倒防止装置の整備を進めています。L型車両ガイドがレールに当たることで車輪が線路から逸脱することを防止 列車緊急停止対策 列車の線路からの逸脱防止対策自然災害対策ハード対策 耐震補強対策ソフト対策04
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