11 営業列車に線路設備モニタリング装置を搭載し、線路のゆがみや材料の状態について高頻度にデータ収集を行っています(2018年 7月より本格導入)。これによりタイムリーな補修作業や人力による点検作業の周期延伸が可能となり、社員の安全性向上や点検の品質向上にもつながっています。線路設備モニタリングは2019年に鉄道事業者で初めて国土技術開発賞「最優秀賞」を受賞しました。 リアルタイムの面的な降雨分布を把握し、その情報から将来の降雨量を予測することで、列車運行の安全性をさらに向上させる手法について開発を行っています。 2017年12月より、羽越本線、陸羽西線の一部区間において世界の鉄道で初めてドップラーレーダーを用いた突風に対する列車運転規制を開始しました。さらに2020年11月には、突風の探知精度向上のために、AIを活用した突風探知手法による列車運転規制を開始しました。現在、対象エリアの拡大について研究開発を進めています。 JR東日本は「安全・安心」、「サービス&マーケティング」、「オペレーション&メンテナンス」、「エネルギー・環境」の4分野をテーマとしてJR東日本研究開発センターを中心に研究開発を進めています。武蔵野線E231系に搭載している線路設備モニタリング装置(2017年11月運用開始)軌道材料モニタリング装置軌道材料モニタリング装置での撮影画像 異常気象に伴う記録的な大雨や局地的な集中豪雨などの気象変化に対応するため、気象レーダーで線路沿線の降雨量を観測し、数十年に一度発生するような規模の雨量に達した場合に列車の運転を一時見合わせる運転規制を2020年8月より追加導入しています。 1km以下のメッシュで地震動の強さが示される面的地震動情報を用いて、線路に沿って地震動の強さを把握することで、地震時の列車運転規制をきめ細かく実施する方法の開発を進めています。常時微動による洗掘検知固有振動数の低下⇒支持力の低下 河川増水等により橋脚基礎周辺の土砂などが流出する洗堀を検知するため、洗掘時の橋脚の常時微動による固有振動数の低下から橋脚の支持力の低下を検知する手法の研究開発を進めています。研究開発 線路設備モニタリング装置(在来線) レーダー雨量を用いた降雨予測技術の活用 ドップラーレーダーを用いた突風に 対する運転規制手法の開発 異常気象に対応した運転規制の追加導入(新幹線) 面的地震動情報を活用した運転規制方法の開発 常時微動を用いた洗掘検知手法の開発
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