社長メッセージ:代表取締役社長 深澤祐二

PROFILE

1978年 日本国有鉄道入社
1987年 東日本旅客鉄道株式会社 人事部
2003年 総合企画本部投資計画部長
2006年 取締役人事部長。その後、常務取締役、副社長を経て、
2018年 代表取締役社長に就任

JR東日本社長 深澤祐二

皆さん、こんにちは。
JR東日本の社長の深澤です。

「新しい時代へのモードチェンジ」

2022年は鉄道開業150年という節目の年でした。お客さまからの反響も大きく、私たちの運営している鉄道という事業が日本の経済や生活・文化の発展を支えてきたということを改めて実感することができました。国鉄改革を経て生まれたJR東日本グループは、その後もSuicaやエキナカなど、毎日の風景を変えるサービスを生み出してきました。私たちは、鉄道開業時から持つイノベーションのDNAを忘れず、今後も鉄道を軸として、駅を中心とした様々な生活シーンでご利用いただき、お客さまの大切な毎日を支えるという重要な役割を果たしていかなければなりません。
一方で、この先の人口減少やeコマースを中心としたライフスタイルの変化、このコロナ禍により今までのビジネスモデルを大きく変革する必要に迫られています。私たちはこの機会を「会社を変革する絶好のチャンス」と受け止め、ひるむことなく前向きな挑戦を続けています。

少し具体例をお示しします。
「JRE Local Hub」は燕三条駅でDXを活用し、地域の工場と国内外の企業をビジネスマッチングする仕組みにより、地域産業の発展に貢献していきます。前橋市の「MaeMaas」はSuicaの技術を活用し、マイナンバーカードと連携することで、生活されている方の利便性を大きく向上させていきます。西国分寺駅ホームの「スマート健康ステーション」はオンライン診療により、待ち時間なしの診断を提供するだけでなく、医師の自由度の高い働き方を生み出していきます。こうした我々の持つリアルなネットワークとデジタルを結び付けた取組みは、目の前の社会課題を解決し、日本に新たな活力を生み出す力を持っています。
高輪ゲートウェイ駅を中心とした、駅と街が一体となった「100年先を見据えた新たなまちづくり」、脱炭素社会の実現をリードする水素ハイブリッド電車「HYBARI」、インドにおける高速鉄道プロジェクトは新しい未来を創る大きなプロジェクトです。


今、再び「移動」のニーズが高まってきている中で、私たちは直面する課題をしっかりと受け止めながら、次の150年に向けて力強く一歩を踏み出すステージに立っています。これからのJR東日本グループは、これまでの変革の取組みを礎にコロナ禍の状況からモードチェンジし、新しい時代への飛躍をめざします。
グループの総合力を発揮した事業展開を行いながら、従来の枠組みに捉われない創意工夫を実践できるよう業務体制や働く環境のアップデートも進めており、社員一人ひとりの活躍フィールドが格段に広がっています。この変革の機運をさらに高め、JR東日本の新しい時代を創っていくためには、多様な価値観と柔軟な発想力を持った皆さんの力が必要です。

「社会を変えていく」

ここからは、現在進めている「成長・イノベーション戦略の再構築」「経営体質の抜本的強化」「ESG経営の実践」という3つの軸を通して、具体的にどう社会を変えようとしているのかについて、少し詳しくご紹介します。 「成長・イノベーション戦略の再構築」では輸送サービス、生活サービス、IT・Suicaサービスの3事業を融合し、DX(デジタルトランスフォーメーション)・CX(コーポレート・トランスフォーメーション)を推進することにより新たな価値を生み出していきます。「Beyond Stations構想」による新たな価値創造の場の提供や、eコマース「JRE MALL」の更なる強化、新幹線等による荷物輸送サービス「はこビュン」の拡大、「JRE POINT」を活用したお客さまそれぞれに合わせたサービスのブラッシュアップ、新たなデジタル金融サービス「JRE BANK」の創業準備、リアル空間とバーチャル空間を融合させたメタバースステーション「Virtual AKIHABARA World」の展開など、当社グループのアセットをフル活用して新しい暮らしの提案やデータを活用した新領域への挑戦に取り組みます。高輪ゲートウェイや新宿・渋谷・大井町エリアの開発など、多様で魅力あるまちづくりも着実に進めていきます。国際事業においても海外プロジェクトへ積極的に挑戦するなど、世界の鉄道を技術で牽引していきます。生活サービス、IT・Suicaサービスの成長を加速し、3事業の融合と連携をさらに進めることで、モビリティ事業と生活ソリューション事業のセグメントの収益比率をできるだけ早く「5:5」にしていきます。 「経営体質の抜本的強化」では、鉄道の構造改革を進めます。ワンマン運転の拡大やドライバレス運転の実現に向けた技術開発、チケットレス・モバイルシフトなどによる駅業務の変革、AI・ドローンなど最新技術を活用したスマートメンテナンスなど、外部との連携をさらに拡大することで知見・システムを取り入れ、技術力を高めながら、時代を先取りしたスタイルの実現に取り組みます。また、今年から「オフピーク定期券」を始めますが、人流を変えることで働き方を変え、社会を変えていきたいと考えています。 「ESG経営」では、「ゼロカーボン・チャレンジ2050」達成に向け、エネルギーを「つくる」から「使う」までのすべてのフェーズでCO₂排出量実質「ゼロ」に向けたチャレンジを行います。次世代の鉄道車両として、水素をエネルギー源とする水素ハイブリッド電車「HYBARI」の実証実験や水素バスの導入拡大を続けます。また、水素ステーションの建設など供給から消費までを担う一気通貫での水素社会実現を目指します。さらに、観光型MaaSや各地のまちづくりを進め、ローカルDXを通じた地方創生にも積極的に取り組み、当社グループのソリューションを活用した「伴走型地域づくり」を進めることで、SDGsの達成をめざします。

「変革を力強く推し進める多様な人材の活躍」

「人物本位、実力本位の採用を行い、人材をじっくり育て、一人ひとりが持つ能力を最大限に引き出していきたい」というのが、当社の人材に対する基本姿勢です。 これからのJR東日本は、お客さまの移動のニーズに応える「輸送サービス」と、人々の生活を豊かにする「生活サービス」、「IT・Suicaサービス」を掛け合わせることで、お客さまに提供できる価値を拡大していきます。そのためにはより幅広い価値観を持った多様な人材が、それぞれの持てる力をそれぞれのフィールドで発揮することが必要です。時代の変わり目で、新しいチャンスがうまれようとしているこの今、お客さまの日常や地域社会を支える使命感・責任感・誠実さに加え、環境の変化に対応して「変革」を推し進める柔軟な発想とチャレンジ・スピリットを持っている、意欲にあふれる多様な人材を求めています。

JR東日本社長 深澤祐二

「変えてゆく、
超えてゆく。」

私は重要な社会インフラを支える企業の社長として、「社会や地域の課題に向き合い、先んじて解決していく」という視点が大切だと考えています。そして、次の150年先を見据えた新しい社会を切り拓いていく担い手となることが、私たちJR東日本グループの果たすべき使命です。当社グループが持つ技術と情報を中心としたネットワークの力を活かして、皆さんが抱いている「志」や「夢」を叶え、新しい時代をともに創っていきませんか。「日常の暮らしをもっと便利なものに変えていきたい」「社会に貢献し、世の中に役に立つ仕事がしたい」そうした思いを実現するビジネスフィールドがJR東日本グループには大きく広がっています。「すべての人の心豊かな生活を実現する」ため、新たな価値の創造に向けて挑戦し、世の中のためになるという気概を持ち、一緒に輝ける方との出会いを心待ちにしています。

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