列車制御システム・エネルギー・情報通信では、電気技術や情報通信技術を用いて、鉄道事業を中心とした事業を支えています。各分野において、無線列車制御システムや自動運転を可能にする輸送システム・再生エネルギー・スマートグリッド・5Gなど、最新技術の研究開発・実用化にも取り組んでいます。主な業務内容は工事・開発・投資計画の策定、設計、施工管理やメンテナンス業務などです。
列車制御システムの仕事
列車制御システムは、高度な技術でJR東日本の「鉄道輸送サービス」に、より高い付加価値を与える仕事です。JR東日本エリア内を走る1日12,000本以上の列車の位置を正確に把握し、進むべきルートを構成し、絶対に衝突や脱線をさせないように制御するシステムを管理しています。安全性の向上はもちろん、お客さまに定時性・快適性を提供しています。
-
鉄道用信号機
-
新幹線総合指令所
-
踏切設備
- 事業ミッション
- 具体的な取組み
- これから実現したいこと
事業ミッション
列車制御システムは、鉄道の大量かつ正確な運行を根幹から支える重要なシステムです。1本の列車を制御するうえでも、様々な技術を駆使して列車の位置を把握し、ダイヤと照合したうえでポイントを転換します。開通したルートにふさわしい速度制限を乗務員や車両に伝達し、付近の踏切を鳴動させます。高頻度で複雑な運行を安全に行うためには、列車同士の衝突を防ぐための仕組みや、一つひとつの制御の正確さも必要です。線路内にある設備やそれらを制御する電子機器などで構成される、列車制御システムを管理することにより、日々の安全な運行を支えています。
自動列車運転装置(ATO)の開発や、GNSSと携帯無線通信網により列車制御を行う世界初のシステムの開発などにも取り組んでいます。
世界でも有数の輸送量を誇るJR東日本で磨かれた列車制御の技術を活かし、インドやタイ、インドネシア等における技術支援を行っています。

運行状況をリアルタイムに把握することができる東京圏輸送管理システム(ATOS)
具体的な取組み
「さまざまな原因で発生する輸送障害に対して、ダウンタイムが最小になるように、現地設備の簡素統合化の推進や早期運転再開をアシストする次期輸送管理システムを開発し、信頼性の高い列車制御システムの実現をめざしています。
さらに、列車位置検知を今までのような軌道回路(左右のレールを車輪で短絡することで列車検知する方式)に拠らずに、走行する列車自らが在線する位置を認識し、無線を使って車上・地上間で双方向に情報伝送を行うことにより列車間の間隔を制御する新列車制御システムATACS(Advanced Train Administration & Communications System)を開発。これにより、線路周辺の設備を削減し、シンプルな設備で自動的なブレーキ制御を行い、安全・安定性の向上やメンテナンスの簡素化を実現できます。さまざまな機能を包含するトータルシステムとしては、世界で初めて2011年10月に仙石線に導入され、2017年11月より埼京線にも導入されました。

これから実現したいこと
JR東日本では、ドライバレス運転の実現に向けて、自動列車運転装置(ATO)の開発を進めています。山手線ではATOを高性能化し、他システムのATACS(無線式列車制御システム)やATOS(東京圏輸送管理システム)との連携により、遅延回復や列車同士の運転間隔の調整による省エネ運転(群制御)を実現します。これにより定時性や乗り心地を確保したドライバレス運転の実現を目指しています。
また上越新幹線では、新幹線のE7系を使用して、新潟駅~新潟新幹線車両センター間において回送列車のドライバレス運転の試験を行いました。今後、試験結果などをもとに実用化に向けた検討を進めていきます。


仕事説明(列車制御システム)

-
工事監督
-
監督員として工事の完遂に向け、設計管理や施工会社・社内の関係部署との調整を行います。また、契約図書に基づく施工状況の確認や安全指導、その他施工途上で生じるさまざまな課題解決を図るなど、重要な役割を担っています。
-
工事設計
-
計画された工事の実現に向け、列車制御システムの仕様や施工方法を検討します。列車制御システムは使用開始後、長期間使用するため、将来のメンテナンスなどを考慮しながら新しいものを創り出していきます。
-
工事計画
-
無線式列車制御システムの導入や信号設備の改良などの工事を計画します。必要な工事の内容や期間、費用を検討し、工事設計者に対し詳細設計を指示します。
-
設備メンテナンス
-
規定されている保全周期をもとに、信号設備の検査計画を策定します。検査そのものは外注することが多いですが、その検査結果や設備の経年から適切な設備の修繕時期について判断し、修繕を計画して、故障の未然防止に尽力します。また、信号設備の故障が発生した際はすみやかに原因を究明し、適切な処置を行うことで、安全安定輸送に貢献します。
-
指令(電気設備)
-
24時間365日信号設備を監視し、異常時にはメンテナンス部門と連携しながら関係箇所へ指示を出し、早期復旧に貢献します。
-
研究開発
-
より効率的なメンテナンス方法や新たな列車制御システムの導入など、さまざまな技術を鉄道に活用するための研究を行っています。
-
国際事業
-
インド高速鉄道を初めとし、海外において日本の鉄道技術を用いたコンサルティング業務を行います。鉄道におけるさまざまな規定や設備の仕様を海外環境に合わせて検討し、安全・安定輸送を実現する日本の鉄道技術をアピールします。
エネルギーの仕事
エネルギーは、JR東日本の最大の商品である「鉄道輸送サービス」を安定的に提供するために欠かせない仕事です。電気を生み出す発電所から、それを使用する電車や駅負荷設備までをトータルに管理しています。また、ESGと密接に関わる分野であり、より環境に優しい鉄道輸送サービスの実現に向けて、様々な取組みを推進しています。
-
変電設備
-
電車線設備
-
駅負荷設備
- 事業ミッション
- 具体的な取組み
- これから実現したいこと
事業ミッション
自営発電所で発電した電力を、全長1,200kmにもおよぶ自営送電線・変電設備・電車線路・配電設備などを経由して、電車や駅などに安定供給することがミッションです。発電から電力を消費する列車、照明や電光掲示器などの電力負荷設備までをトータルに管理し、鉄道輸送の安全性と安定性の確保はもちろん、お客さまへの快適な空間の提供をエネルギー面から支えています。
再生可能エネルギーの活用や発電の高効率化・脱炭素化、回生電力の有効活用、ホーム・コンコースのLED化などにより脱炭素化し、サステナブルな社会の実現を目指す「ゼロカーボンチャレンジ2050」を推進していきます。

具体的な取組み
JR東日本は新潟県に信濃川発電所(水力)、神奈川県に川崎発電所(火力)を有し、日本の鉄道事業者で唯一大規模な発電所を管理しています。発電した自営電力は、電力会社から供給される電力とあわせて列車や駅に供給されています。また、環境にやさしいエネルギーの創出を推進しています。例えば、CO2排出量の少ない天然ガスを燃料とした火力発電設備への更新のほか、車両センターなどの用地を活用した大規模太陽光発電所、風力発電所を順次運転開始してきました。また、2018年4月には青森県にて共同出資事業の八戸バイオマス発電所を運転開始しました。今後も随時拡充していきます。
-
信濃川水力発電所
-
JR秋田下浜風力発電所
鉄道輸送サービスの安定性向上および電車線路のメンテナンス性向上を図るため従来方式から構成する電線の本数や金具、支持物等の部品点数を低減し簡素統合化したインテグレート方式へのシステムチェンジを行っています。この方式を従来設備の更新や羽田アクセス線等のプロジェクトに導入していきます。

これから実現したいこと
JR東日本の事業においては、列車の運行やお客さまへのサービス提供など、あらゆる場面で電力が必要となります。昨今では、新幹線の高速運転や列車増発といった輸送サービスの改善、エレベーター等のバリアフリー設備やホームドアの整備、エキナカ開発など、各事業における電力需要はますます増加しています。このようなニーズに対応するため、発電所、変電設備、配電設備、電車線路設備といった、多種多様な電力設備に最新技術を導入することで、更新・強化を行いつつ、メンテナンスの省力化を図っています。架線設備のメンテナンスでは、電気・軌道総合検測車搭載のカメラおよびセンサーで取得した画像などのデータによる架線設備検査「架線設備モニタリング」の導入により、DXを推進しています。
JR東日本グループが掲げる「ゼロカーボン・チャレンジ2050」の実現においてエネルギーは重要な要素であり、2030年度東北エリアCO2フリーに向けた再生可能エネルギー電源の開発拡大や、川崎発電所における水素発電の導入に向けた検討推進により電源の脱炭素化をめざします。先進的なエネルギー技術を積極的に取り入れ、サステナブルな社会の実現に向けて挑戦していきます。また、電車が減速する際に発生する回生電力をより一層有効に活用するため、蓄電池を用いた電力貯蔵装置等の導入を進めております。また、地熱など新たな再生可能エネルギーの導入可能性についても検討を進めています。




仕事説明(エネルギー)

-
工事監督
-
監督員として工事の完遂に向け、設計管理や施工会社・社内の関係部署との調整を行います。また、契約図書に基づく施工状況の確認や安全指導、その他施工途上で生じるさまざまな課題解決を図るなど、重要な役割を担っています。
-
工事設計
-
計画された工事の実現に向け、電力設備の仕様や施工方法を検討します。電力設備は使用開始後、長期間使用するため、将来のメンテナンスなどを考慮しながら新しいものを創り出していきます。
-
工事計画
-
スマートグリッド技術の導入や架線設備の改良などの工事を計画します。必要な工事の内容や期間、費用を検討し、工事設計者に対し詳細設計を指示します。
-
設備メンテナンス
-
規定されている保全周期をもとに、電力設備の検査計画を策定します。検査そのものは外注することが多いですが、その検査結果や設備の経年から適切な設備の修繕時期について判断し、修繕を計画して、故障の未然防止に尽力します。また、電力設備の故障が発生した際はすみやかに原因を究明し、適切な処置を行うことで、安全安定輸送に貢献します。
-
指令(電気設備)
-
24時間365日電力設備を監視し、異常時にはメンテナンス部門と連携しながら関係箇所へ指示を出し、早期復旧に貢献します。
-
研究開発
-
より効率的なメンテナンス方法や鉄道版スマートグリッドなど、エネルギー分野における最新技術を鉄道に活用するための研究を行っています。
-
国際事業
-
インド高速鉄道を初めとし、海外において日本の鉄道技術を用いたコンサルティング業務を行います。鉄道におけるさまざまな規定や設備の仕様を海外環境に合わせて検討し、安全・安定輸送を実現する日本の鉄道技術をアピールします。
情報通信の仕事
情報通信は、JR東日本の最大の商品である「鉄道輸送サービス」の情報化を推進し、利便性を高めるために欠かせない仕事です。情報通信のエンジニアは先端技術を導入・活用して列車の安全・安定輸送を確保するとともに、お客さまへのさまざまな情報提供を行うための環境を整備しています。
-
情報指令
-
新幹線旅客案内システム
-
通信機器室
- 事業ミッション
- 具体的な取組み
- これから実現したいこと
事業ミッション
信頼性が高く快適な鉄道輸送などの輸送サービスを実現するためには、お客さまや社内の各所への的確な情報提供が欠かせません。このため、設備の更新、機能強化のみならず、通信ネットワークの更新・増強を行っています。JR東日本では、エリア内全域に保有する3万kmを超える通信ネットワークを整備することで、多数のシステムが使用する音声通信や光伝送・TCP/IPを利用したデータ通信を可能にしています。これによりお客さまが安心してスマートに鉄道を利用できる環境をバックアップしています。
また沿線の気象状況をリアルタイムで集積する防災情報システムや列車無線システムなど、情報通信技術を基にした鉄道輸送の安全を支えるシステムも管理しています。
列車無線システムや防災情報システムの強靭化や、通信インフラの一部を他事業者へ貸出すことによる新事業の創出にも挑戦しています。

具体的な取組み
JR東日本では総数約400システムで利用している東日本全域に広がる自営ネットワーク“JR-IPNet”を保有しています。10年後やその後を見据えたネットワークを目指し、現在以下のような更新工事に取り組んでおります。
1.システム数の増加や業務改革(DX化)、映像利用やビッグデータ収集など高速大容量化に対応するため100Gへの増速を行います。
2.スライシング技術を導入しシステムや情報の重要度に応じてネットワークを論理的に分離して不正アクセスや情報漏洩を防ぎます。
3.ネットワーク機器の性能を考慮して余剰な機器を削減し、シンプルな構成にしてコスト削減を行います。
4.オープンソースを利用した監視システムとして再構成することで低コストで拡張性が高いシステムを追求します。
更新工事後の新しいJR-IPNetでは、今まで以上に多様な使い方を可能にしJR東日本グループの確固たる通信基盤としていきます。

また、乗務員やお客さまへ情報を伝えるための在来線デジタル列車無線システムを整備しています。首都圏各線区への導入は既に完了し、現在は地方圏の各線区への拡大を進めています。従来のアナログ方式に比べ、デジタル化により音声通話品質が向上し、指令と乗務員間の通話がより明確になるほか、さまざまなデータ通信が可能となり、トラブル発生時のお客さまへの情報提供や、乗務員への迅速かつ確実な通告などを行えるようになりました。

これから実現したいこと
携帯電話事業者が5G通信設備の整備を進めるにあたり、駅のホーム等、当社鉄道沿線において電波が届きにくいという問題があります。そこで当社およびグループ会社が駅をはじめ鉄道沿線に5G環境の基盤を整備し、携帯電話事業者の共同使用を可能にすることにより、鉄道沿線の5Gエリア化を目指しています。
また、自然災害の激甚化に伴いシステムの重要性が増しています。更なる信頼性の向上を図るため、次期プレダスの更新等、新たなプラットフォームの構築に取り組んでいます。

仕事説明(情報通信)

-
工事監督
-
監督員として工事の完遂に向け、設計管理や施工会社・社内の関係部署との調整を行います。また、契約図書に基づく施工状況の確認や安全指導、その他施工途上で生じるさまざまな課題解決を図るなど、重要な役割を担っています。
-
工事設計
-
計画された工事の実現に向け、情報通信設備の仕様や施工方法を検討します。情報通信設備は使用開始後、長期間使用するため、将来のメンテナンスなどを考慮しながら新しいものを創り出していきます。
-
工事計画
-
デジタル列車無線の導入や情報通信ネットワークの改良などの工事を計画します。必要な工事の内容や期間、費用を検討し、工事設計者に対し詳細設計を指示します。
-
設備メンテナンス
-
規定されている保全周期をもとに、通信設備の検査計画を策定します。検査そのものは外注することが多いですが、その検査結果や設備の経年から適切な設備の修繕時期について判断し、修繕を計画して、故障の未然防止に尽力します。また、通信設備の故障が発生した際はすみやかに原因を究明し、適切な処置を行うことで、安全安定輸送に貢献します。
-
指令(電気設備)
-
24時間365日情報通信設備を監視し、異常時にはメンテナンス部門と連携しながら関係箇所へ指示を出し、早期復旧に貢献します。
-
研究開発
-
より効率的なメンテナンス方法や新たな無線システムの導入など、さまざまな情報通信技術を鉄道に活用するための研究を行っています。
-
国際事業
-
インド高速鉄道を初めとし、海外において日本の鉄道技術を用いたコンサルティング業務を行います。鉄道におけるさまざまな規定や設備の仕様を海外環境に合わせて検討し、安全・安定輸送を実現する日本の鉄道技術をアピールします。