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JR東日本からのプレスリリースを年度別に掲載しています。(JR東日本広報部)
平成12年4月4日


京浜東北線にデジタル方式のATCを導入

JR東日本では、2003年度より京浜東北線南浦和〜鶴見間において、従来と抜本的に異なるデジタル方式のATCを導入します。
このシステムの導入により、ATCによる急ブレーキがなくなり乗り心地が向上するほか、ピーク1時間の運転可能本数が増加(現行24本→28本/時)します。

 現在京浜東北線及び山手線で使用しているのATC(自動列車制御装置)は1981年に作られましたが、使われている技術は1964年東海道新幹線開業時のATCをベースにしており、極めて安全・安定なシステムではあるものの、列車の運転本数が今以上に増やせない、急にブレーキがかかる等の問題点も抱えていました。
 今回、従来方式と抜本的に異なり、デジタル技術を用いて車上で最適なブレーキ制御を行う方式のATCを開発しました。
 このシステムにより急ブレーキがなくなり乗り心地が向上するほか、ピーク1時間の運転本数の増加が可能となる、工事費やメンテナンスコストが削減できる等の効果があるため、今回、京浜東北線南浦和〜鶴見間に本方式のATCを導入します。


1. デジタル方式のATCの仕組み
 従来のATCはアナログ信号を用いて列車の運転速度を地上側から指示する方式でした。今回の方式は、地上からは先行列車の位置をデジタル信号で伝送し、車上では曲線や勾配等の線路条件を考慮した最適なブレーキ制御を行います。

2. 特徴
徐々にブレーキを強める方式を採用し、ATCによる急ブレーキがなくなるので、乗り心地が改善されます。
ブレーキのロスがなくなるため、現在ピーク1時間24本/時の運転本数を28本/時まで増加することが可能になります。
運転士に先行列車の位置等の運転支援情報を提供することにより、さらにスムーズな運転ができます。
地上設備の簡素化が可能となり、工事費とメンテナンスコストの削減が図れます。
現在開発中の次期新幹線ATCやATACS(無線技術を活用した列車間隔制御)など、未来技術へ発展可能なシステムです。

3. スケジュール
2003年度初使用開始