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JR東日本からのプレスリリースを年度別に掲載しています。(JR東日本広報部)
平成10年12月18日


コンピュータ西暦2000年問題への対応状況について

当社は鉄道輸送をはじめ多くの業務分野でコンピュータを使用していることから、西暦2000年問題への対応を経営上の重要課題として位置づけ、万全を期すよう全社を挙げて対応に取り組んでいます。
西暦2000年問題の取組みとしては、1996年11月に対策スケジュールを策定し、97年4月に改修作業に着手しました。重要なシステムについては、改修及び試験を99年6月までに概ね完了する予定です。その他のシステムについても99年11月までに完了する予定です。
これまでのところ計画通り順調に作業を進めていますが、万一トラブルが発生した場合に備え、危機管理計画(コンティンジェンシープラン)の検討を開始しました。

当社は、鉄道の基幹業務である指定券・乗車券類の販売や列車の運行など様々な分野で多くのコンピュータシステムを使用しており、また、車両や自動券売機、自動改札機などマイクロコンピュータを搭載した多数の設備・機器を保有しています。
従って、当社では、コンピュータ西暦2000年問題への対応を、経営上の重要課題として位置づけ、全社を挙げて対応に取り組んでいます。

1.当社の西暦2000年問題への取組み
 (1)
取組みの経緯
1996年11月 副社長を主査とするOA委員会で対策スケジュールを策定
1997年 4月 システム改修作業に着手
 (2)
推進体制
本社各部門で部門別のまとめを行い、経営管理部が全体を管理しています。
 (3)
経営陣への報告
西暦2000年問題への対応状況について、経営陣は役員会議等で報告を受けています。
 (4)
予算及び要員の確保
2000年問題に対応するための予算については、1997年度より必要な予算を確保しており、1999年度まで経費を支出します。また、要員については、システム改修・試験など必要な要員を確保済みです。
2.対応状況
 (1)
コンピュータシステム
コンピュータシステムは、各々の期限までに対応を終えることとしていますが、重要なシステムの完了時期は概ね1999年6月、全てのシステムの対応が終わるのは1999年11月です。また、当社システムとデータ接続がある相手側システムについて、対応状況を確認中です。主なシステムの対応状況は以下の通りです。

指定券・乗車券類の販売
座席予約システムをはじめ乗車券販売システムは対応がほぼ完了していますが、定期券システムは更新を行っており99年5月の使用開始の予定です。ビューカードシステムは99年8月に対応を終える予定です。
列車の運行管理
東京圏に導入されている輸送管理システム、その他線区に導入されているPRC(自動進路制御装置)はともに、99年9月までに対応を終える予定です。新幹線の運行管理システムについては99年3月までに対応を終える予定です。
電車への電源供給
在来線については99年3月、新幹線については99年11月に対応を終える予定です。発電所の制御システムは99年5月に対応を終える予定です。
 (2)
マイクロコンピュータ(マイコン)搭載設備・機器
マイコンを搭載した設備・機器は調査の結果、以下のように対応します。

[I]
ATC、ATS-Pなどの列車制御に関わる装置や一般のエレベータ、エスカレータなどは、日付(時間)の管理をしていないので2000年問題はありません。特に車両についても、多くのマイコンを搭載していますが、運行制御には日付を持ったマイコンを使用していないので2000年問題はありません。(故障記録用などで使用)
[II]
自動改札機、電子連動など日付を持った設備・機器は改修が必要となります。自動券売機、自動改札機などは既に対応を完了しています。電子連動装置については、連動本来の機能には問題がありませんが保守用の履歴情報の表示機能についての改修を99年9月までに行います。その他、データ集計機、保守用の検査装置など、99年11月までに全ての対応を終える予定です。
なお、病院等で使用している超音波診断装置など医療機器についても99年8月までに対応を終える予定です。
3.危機管理計画(コンティンジェンシープラン)の策定
 (1)
試験については、2000年の日付での模擬テストを含め必要な試験を実施し万全を期していますが、2000年問題の影響でシステム停止、誤作動など不測な事態が生じた場合の影響を考慮し、これらのトラブルによる影響を極小化するための危機管理計画の検討を開始しています。