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JR東日本からのプレスリリースを年度別に掲載しています。(JR東日本広報部)
平成10年12月8日


「踏切事故0(ゼロ)運動」の展開について

当社における踏切事故は、会社発足時からさまざまな安全対策を推進してきた結果、大幅に減少してきております。しかしながら、踏切警報機が鳴り出してから進入するといった悪質なものが依然として多く発生するなど、当社の取り組みだけでは解決できない面もあることから、年末年始を迎えるにあたり、踏切事故防止キャンペーン「踏切事故0運動」を展開いたします。
テレビCMでは、身近な電車シミュレーションゲームを題材に、踏切での無謀運転の危険性を訴えかけます。また、新聞やラジオ、ポスター等においても踏切事故の恐ろしさやその代償が大きいことを訴えかけ、交通ルールの遵守を呼びかけます。

当社には7,551ヶ所の踏切がありますが、踏切事故の発生件数は会社発足時の247件(昭和62年度)から71件(平成9年度)へと大幅に減少しております。また、今年度も11月末までに39件と昨年度同期(47件)を下回る状況となっております。

これらは、会社発足時からの「踏切統廃合」や「1種化」、「障害物検知装置」の設置拡大(昭和62年度 235ヶ所→平成9年度 2,278ヶ所)、「オーバーハング型警報機」や「大口径しゃ断機」の増設などの安全対策を推進してきた結果であると言えます。

しかしながら、昨年度発生した71件の踏切事故のうち、踏切警報機が鳴り出してから進入するといった悪質なものが45件(約63%)を占めるなど、当社の取り組みだけでは解決できない面もあることから、年末年始を迎えるにあたり、下記のとおり踏切事故防止キャンペーン「踏切事故0運動」を展開いたします。(本キャンペーンは平成3年度から開始し、今回で通算11回目となります。)

1. 実施期間
平成10年12月16日(水)から平成11年1月15日(金)まで
2. 実施エリア
全社エリア(但し、テレビCMについては、踏切事故が発生した場合に影響が大きい首都圏エリアおよび「つばさ」ルート(福島県、山形県)、「こまち」ルート(岩手県、秋田県)を重点に放送いたします。)
3. キャンペーンの方法
「警報機、鳴ったら渡らない」をキャッチコピーに、テレビやラジオ、新聞、ポスター等により踏切事故の危険性やその代償が大きいことを訴えかけます。
踏切などでドライバーにチラシやグッズを配布し、踏切事故防止を訴えかけます。
踏切設備の点検・整備を行うとともに、自治体や運輸事業関係協会など関係箇所に対して踏切事故防止に関する協力要請を行います。
4. キャンペーンの内容
●テレビ・・・・・・・ CM身近な電車シミュレーションゲームを題材に、踏切事故のもたらす結果の重大性を訴えかける内容としています

●ラジオ・・・・・・・ キャッチコピー「警報機、鳴ったら渡らない」を繰り返すことにより、これを浸透させるような内容としています
●駅ポスター・・・・・ 関係運輸局や警察の後援を得て、踏切事故防止を訴えかける内容としています
●新聞・車内ポスター・ 踏切カメラの存在や踏切事故の社会的影響の大きさ、事故を起こした個人の代償の大きさなどを訴えかける内容としています
●チラシ・・・・・・・ ポスター等の内容に加え、冬期において発生しやすい路面凍結によるスリップや落輪にも注意を呼びかける内容としています
5. その他
当社では、これまで踏切の視認性の向上や踏切内に自動車が誤って進入した際に列車を止めるシステムなどの事故防止対策を推進してまいりましたが、依然として「直前横断」のような無謀運転による踏切事故が後を絶たない状況となっております。

このため、既にお知らせしたとおり、ハード面では10月から内房線大井戸踏切など計3ヶ所の踏切において、「赤・白」しま模様のしゃ断棒や強度が高い素材を使用したしゃ断棒を試験的に設置するなど、新たな「抑止効果」の高い対策の検討も進めております。(この試験につきましては、今年度内にアンケート調査等を実施し、効果の検証を行う予定です。)

これと同様に、今回のキャンペーンでは、特にドライバーに対して、踏切カメラが設置されていることや事故を起こした際の社会的影響および代償の大きさなどを訴えかけることにより、ソフト面でもより高い「抑止効果」をあげてまいりたいと考えております。