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POINT1
弘前城のある「弘前公園」は、「日本三大桜名所」のひとつ。園内に咲くさまざまな品種の桜を見るために、国内外から例年約200万人が訪れます。弘前公園の桜の歴史は古く、それは1715年、つまり江戸時代までさかのぼります。津軽藩士が京都から持ち帰った桜を城内に植えたのが始まりと伝えられ、明治時代には廃藩によって荒れ果てた城内を見かねた旧藩士が自費で桜を植樹しました。当時は明治維新後の動乱期。「城を行楽地にするとは何事か」と一部では反対の声があり、苗木が引き抜かれることもありました。しかし、植樹が続けられた結果、大正時代には桜が見事に咲き誇るようになったのです。1918年、「弘前さくらまつり」の前身である「第一回観桜会」を弘前商工会が主催。太平洋戦争などで中断した時期もありましたが、現在もその催しは続いています。
POINT2
津軽平野にそびえる「岩木山」は、青森県で一番高い山。大昔から信仰の対象とされ、「津軽富士」の愛称で親しまれてきました。夏は新緑、秋は紅葉、冬は冠雪。季節ごとに変わる景色が、美しい日本の四季を感じさせてくれます。街で咲く桜が満開を迎える頃になると、山の桜は少し遅れて花開きます。
岩木山のふもとで見られる桜の並木道は、地元の人たちが1985年から植えたもの。10年間かけて約6,500本のオオヤマザクラが並ぶ道が完成しました。ドライブコースは約20km。雪が残る岩木山を背景に桜が映える光景は、一度見たら忘れられません。開花時期は、例年4月中旬から4月下旬。10日以上かけて、標高の低い方から高い方へと徐々に色づきます。
POINT3
作家・太宰治生誕の地である旧金木町(現在の五所川原市)の「芦野公園」。太宰が幼少の頃に遊んだ場所として知られるこの公園は、「日本のさくら名所100選」に選ばれています。
約80ヘクタールの広大な園内には、桜の木が約1,500本。芦野湖畔に青々と茂る松の木が、愛らしい桜のカラーを際立たせます。一番の見どころは、この時期だけ現れる桜のトンネルをローカル鉄道が通る姿。満開の桜とレトロな列車の絵になる組み合わせは、鉄道ファンでなくても気分が高揚。沿線でカメラを構える観光客が多いのも納得です。公園内に「芦野公園駅」があるので、津軽鉄道でアクセスするのが良いでしょう。
POINT4
蓮の名所として知られる「猿賀公園」。鏡ヶ池と見晴ヶ池の2つの池を取り囲むように咲く桜が、春に訪れる人々を魅了します。坂上田村麻呂が蝦夷平定の際に建立したとされる「猿賀神社」が敷地内にあり、鏡ヶ池の中心に鎮座する真っ赤な社(猿賀神社の末社「胸肩神社」)と桜のコントラストが印象的。思わず写真に撮りたくなる、日本ならではの風景です。
見晴ヶ池ではペダルボートや手漕ぎボートのレンタルができ、桜を眺めながら水上散歩も楽しめます。園内に咲く桜の品種は、シダレザクラや、ソメイヨシノ、八重桜など。例年4月下旬から5月上旬にかけて「平川さくらまつり」が開催されます。
厳しい冬を越えて咲く、津軽の美しい桜。花が咲いてから散るまでの期間はわずかですが、満開の華やかさも散り際の儚さも私たちに感動を与えてくれます。
さらに近年は春のみならず、ライトアップで彩る“冬に咲くさくら”も話題なっています。魅力溢れる津軽の桜を求めて、各地の名所を巡ってみてはいかがでしょうか。
記事作成:あきたタウン情報