教育課程一覧表
本校は、「看護の心を育てる」をモットーに、人間関係を基盤とした教育を通して広い視野で物事をとらえ、看護に必要な知識・技術・態度が身につき、実践に生かすことができる看護教育をめざしています。
授業科目は基礎分野、専門基礎分野、専門分野からなり、授業の形態は講義、演習、実習に分けられております。教育内容の重複と欠落をなくし、単純なものから複雑なものへ、さらに一般から専門へと順序性を重視しています。
基礎分野
基礎分野は、専門基礎分野、専門分野の基礎と位置づける。看護の対象は、生活者としての人間である。人間は一人ひとり尊重される存在であり、固有の考えを持ち、一回限りの人生を送っている。対象の生命、人生に関わる看護師として、人間理解を深めると共に、一人の人間として成長できるよう、倫理観や教養、感性を養い、科学的思考力を身につけることをねらいとする。また、国際社会、情報社会に対応できる基礎的な能力を学ぶ内容とする。
専門基礎分野
専門基礎分野は、看護を学ぶ上で基礎となる「人体の構造と機能」「疾病の成り立ちと回復の促進」「健康支援と社会保障制度」の3つで構成される。
「人体の構造と機能」は、解剖生理学の概略と、人体を構成する各器官の構造と機能の概略を学ぶ内容とする。そして人間の生活行動からからだを学ぶことで、科学的な根拠を基に、看護を実践していくための知識を学ぶ内容とする。
「疾病の成り立ちと回復の促進」は、生活者の視点で人体の構造と機能を整理し、疾病を持ち生活する対象に看護していくための基礎的知識を学び、臨床判断能力の基礎となる知識を学ぶ内容とする。
「健康支援と社会保障制度」は、地域で生活する対象を支えるために、健康の保持・増進・回復に関係する法規や施策について学び、生活者である人間を取り巻く保健・医療・福祉のしくみを学ぶ内容とする。
専門分野
専門分野は、「基礎看護学」「地域・在宅看護論」「成人看護学」「老年看護学」「小児看護学」「母性看護学」「精神看護学」「看護の統合と実践」の8つで構成される。専門分野は、科学的根拠に基づき、対象の状況を判断し、援助関係を基盤に看護を実践する基礎的能力を養う内容とする。人間はからだ、こころ、社会関係をもち生活過程を営んでいることを理解する。また、健康の保持・増進、疾病の予防、及び健康の回復に向け、生命力の消耗を最小に、対象の安全・安楽・自立を目指した看護を実践できる内容とする。
「基礎看護学」は、看護を実践する上での基盤となる科目である。看護の概念や役割、対象理解と看護実践の基礎的知識・技術・態度を学ぶ。また、看護倫理について考えを深めると共に、看護過程の思考をふまえ、対象の状況に合わせた看護が実践できることをねらいとしている。
「地域・在宅看護論」では、対象が生活する地域において、看護を実践する基礎的知識・技術・態度を学ぶ。地域の理解を深めるために、フィールドワークを通して学ぶ。対象は、全ての発達段階、あらゆる健康障害の種類や健康の段階にある人々、その家族である。地域で生活する対象の生活の質の向上と維持を目的に、保健・医療・福祉のあらゆる面から支えていくため、社会資源の活用や多職種との連携について学ぶ内容とする。また、基礎看護学で学んだ技術を基に、生活する場に応じた方法で日常生活支援・医療的処置を学ぶ内容とする。
「成人看護学」では、成人期の特徴と健康上の課題を明らかにし、対象に応じた看護が実践できる基礎的知識・技術・態度を学ぶ。病気の経過は単独に存在するのではなく、連続性を持っている。一人の人を生活者の視点で捉え、病気からの回復過程に応じて学ぶ内容とする。
「老年看護学」では、人生の最終段階にある高齢者と家族を理解し、人生を統合し最後までより健康な生活を送るための看護を実践する基礎的知識・技術・態度を学ぶ。対象の加齢に伴う日常生活への影響と高齢者に起こりやすい症状を学ぶ。そして、高齢者の健康障害の複雑性を理解し、高齢者と家族の生活を支える看護について学ぶ内容とする。
「小児看護学」では、著しい成長・発達を遂げ、家族や社会の中で育まれる乳児期、幼児期、学童期、思春期にある子どもとその家族を対象とする。子どもの成長・発達の特徴を理解するとともに、子どもを取り巻く環境や病気が子どもと家族に与える影響を理解する。そして、子どもの健康の保持・増進・回復を促すとともに、あらゆる健康状態にある子どもとその家族に対する看護を実践する基礎的知識・技術,・態度を学ぶ内容とする。
「母性看護学」では、リプロダクティブヘルス/ライツの視点から、女性の一生を通じた健康の保持・増進、次世代の健全育成を目指し、母子及び、その家族を対象とした看護実践を学ぶ。人間の持つ種族保存の働きとその意義を理解し、妊娠、分娩、産褥期における対象の看護の基礎的知識・技術・態度を学ぶ内容とする。また、学生自らの母性観、父性観を養い、生命の尊厳について思いを深められる内容とする。
「精神看護学」では、全ての発達段階にある人を対象とする。障害の有無に関わらず、全ての人の精神的健康の保持・増進を支援し、その人らしい生活を送るために必要となる看護を実践する基礎的知識・技術・態度を学ぶ内容とする。
「看護の統合と実践」では、既習の知識・技術・態度を統合し、対象の状況に応じた看護を実践できる内容とする。看護をマネジメントする基礎的能力やチーム医療における看護師としての役割、多職種との連携・協働を学ぶ。医療安全への意識を高め、災害直後から支援できる看護の基礎を学ぶ内容とする。
「臨地実習」は、看護の本質を体験、実践を通して体得することをねらいとする。知識・技術・態度を統合し、あらゆる発達段階、および健康の段階にある対象に、科学的根拠に基づいた質の高い看護実践を行うための基礎的能力を身につける。また、看護の質を高めるために看護を探求し、自己を振り返り、自ら学び成長し続けられる態度を養う。
教育内容 | 科目 | 単位数 | 時間数 | |
---|---|---|---|---|
基礎分野 | 科学的思考の基 人間と生活・社会の理解 |
看護につながる物理学 | 1 | 30 |
情報科学 | 1 | 15 | ||
統計学 | 1 | 15 | ||
人間の心理 | 1 | 30 | ||
人間生活と文化 | 1 | 30 | ||
生涯発達論 | 1 | 30 | ||
哲学 | 1 | 30 | ||
教育学 | 1 | 30 | ||
論理学 | 1 | 30 | ||
カウンセリング | 1 | 15 | ||
基礎英語 | 1 | 30 | ||
医療現場での英会話 | 1 | 30 | ||
スポーツ実技 | 1 | 30 | ||
音楽 | 1 | 30 | ||
専門基礎分野 | 人体の構造と機能 | 解剖生理学Ⅰ | 1 | 30 |
解剖生理学Ⅱ | 1 | 30 | ||
解剖生理学Ⅲ | 1 | 30 | ||
解剖生理学Ⅳ | 1 | 15 | ||
生化学 | 1 | 30 | ||
疾病の成り立ちと回復の促進 | 病理学 | 1 | 30 | |
生命を維持する働きの障害と治療 | 1 | 30 | ||
食物を消化・吸収する働きの障害と治療 | 1 | 15 | ||
血液系と免疫系の障害と治療 | 1 | 15 | ||
脳神経系と運動器系の障害と治療 | 1 | 30 | ||
生命の連続性を維持する働きの障害と治療 | 1 | 15 | ||
感覚器の働きの障害と治療 | 1 | 15 | ||
治療法の基礎Ⅰ | 1 | 15 | ||
治療法の基礎Ⅱ | 1 | 30 | ||
微生物学 | 1 | 30 | ||
薬理学 | 1 | 15 | ||
健康支援と社会保障制度 | 医療概論 | 1 | 15 | |
公衆衛生学 | 1 | 15 | ||
社会福祉 | 2 | 30 | ||
法の基礎 | 1 | 15 | ||
医事法規と薬事法規 | 1 | 15 | ||
専門分野 | 基礎看護学 | 看護学概論 | 1 | 30 |
看護の理論・看護と倫理 | 1 | 30 | ||
観察とコミュニケーション | 1 | 30 | ||
フィジカルアセスメント | 1 | 30 | 生活を整える援助技術Ⅰ | 1 | 30 |
生活を整える援助技術Ⅱ | 1 | 30 | ||
生活を整える看護過程の展開 | 1 | 30 | ||
看護過程 | 1 | 30 | ||
経過別・主要症状別看護 | 1 | 30 | ||
診療に伴う看護技術 | 1 | 30 | ||
臨床看護技術 | 1 | 30 |
教育内容 | 科目 | 単位数 | 時間数 | ||
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専門分野 | 地域・在宅看護論 | 地域・在宅看護概論 | 1 | 15 | |
地域で暮らす人々を支えるシステム | 1 | 15 | |||
地域における生活支援技術 | 1 | 15 | |||
地域で暮らす人の看護 | 1 | 30 | |||
地域・在宅看護論演習 | 1 | 15 | |||
エンドオブライフケア | 1 | 30 | |||
成人看護学 | 成人看護学概論・保健 | 1 | 15 | ||
生命を維持する働きに障害のある成人の看護 | 1 | 30 | |||
内部環境を維持する働きに障害のある成人の看護 | 1 | 30 | |||
食物を消化・吸収する働きに障害のある成人の看護 | 1 | 30 | |||
血液の破綻による障害がある成人の看護 | 1 | 30 | |||
免疫系と生命の連続性を維持する働きに障害のある成人の看護 | 1 | 15 | |||
老年看護学 | 老年看護学概論・保健 | 1 | 30 | ||
加齢現象に伴う日常生活援助 | 1 | 30 | |||
人間を統合する脳の働きに障害のある高齢者の看護 | 1 | 30 | |||
行動範囲を拡大する働きに障害のある高齢者の看護 | 1 | 15 | |||
小児看護学 | 小児看護学概論・保健 | 1 | 30 | ||
健康な小児への日常生活援助 | 1 | 15 | |||
健康を障害された小児の理解と小児看護技術 | 1 | 15 | |||
健康を障害された小児の看護 | 1 | 30 | |||
母性看護学 | 母性看護学概論・保健 | 1 | 30 | ||
妊婦・産婦の理解と看護 | 1 | 15 | |||
褥婦・新生児の理解と看護 | 1 | 30 | |||
母性看護学演習 | 1 | 15 | |||
精神看護学 | 精神看護学概論・保健 | 1 | 15 | ||
精神に障害のある人の理解 | 1 | 30 | |||
精神看護の基本技術 | 1 | 15 | |||
精神に障害のある人の看護 | 1 | 30 | |||
看護の統合と実践 | 災害看護・国際看護 | 1 | 30 | ||
チーム医療と多職種連携 | 1 | 15 | |||
看護マネジメント・医療安全 | 1 | 30 | |||
看護マネジメントの実践 | 1 | 30 | |||
看護研究の基礎 | 1 | 30 | |||
継続看護の実践と看護研究 | 1 | 30 | |||
臨地実習 | 基礎看護学 | 看護の対象を理解する看護実習 | 2 | 90 | |
日常生活を整える看護実習 | 2 | 90 | |||
地域・在宅看護論 | 地域・在宅看護論実習 | 2 | 90 | ||
成人看護学 | 生体の恒常性が不安定な時期から回復に向かう成人の看護実習 | 2 | 90 | ||
生涯にわたり生活調整が必要な成人の看護実習 | 2 | 90 | |||
老年看護学 | 高齢者の日常生活を支える看護実習 | 2 | 90 | ||
健康障害のある高齢者の療養を支える看護実習 | 2 | 90 | |||
小児看護学 | 小児看護学実習 | 2 | 90 | ||
母性看護学 | 母性看護学実習 | 2 | 90 | ||
精神看護学 | 精神看護学実習 | 2 | 90 | ||
看護の統合と実践 | 看護マネジメントの実習 | 3 | 120 | ||
合計 | 104 | 3000 |