センチネルリンパ節生検

センチネルリンパ節生検とは

わきの下にあるリンパ節のうち、乳がんが最初に転移するリンパ節をセンチネルリンパ節とよびます。この検査ではセンチネルリンパ節だけを取り出し、がん細胞の転移があるかどうかを調べます。検査の結果、このリンパ節にがん細胞の転移がなければ、その先のリンパ節にも転移がないと判断でき、残っているわきの下のリンパ節を取り出すこと(腋窩リンパ節廓清)を省略することができます。

検査の方法

センチネルリンパ節生検はRI法と色素法の2種類があります。当院では、より確実にセンチネルリンパ節を見つけ出すため、2種の方法の併用を行っております。センチネルリンパ節生検は手術と同時に行っていきます。

手術当日

当日午前中に、核医学検査室にて、ごく微量の放射性医薬品を乳房に注射します。注入された薬品はセンチネルリンパ節に流れ集積するので、その様子を撮影し、センチネルリンパ節の位置を画像化します。さらに手術時、放射線を検知する検知器を用いて、位置を特定します。このRI法に加えて、色素法では色素を乳房に注入し、色素に染まったセンチネルリンパ節を確認します。位置が確認できたらセンチネルリンパ節を摘出し、転移があるかどうかを調べていきます。(術中迅速病理診断)

術中迅速病理診断

センチネルリンパ節生検の診断によって手術の方法が変わる可能性があるため、迅速性が求められています。病理検査室に運ばれたセンチネルリンパ節は急速に凍結した標本で診断し、結果はすぐに手術室に報告されます。(おおよそ20分)
当院では年間約70件(2013年)の術中センチネルリンパ節生検の迅速診断が行われています。

専用の機械で凍結標本を作製している画像

専用の機械で凍結標本を作製している過程

スタッフ全員で診断している画像

スタッフ全員で診断している様子

検査当日の流れ

核医学検査室入口の画像

①手術当日朝、まずRI法による検査を行うため、外来棟B3階にある核医学検査室に行きます。

乳房に注射しているイメージ

②センチネルリンパ節の生検を行う側の乳房に放射性医薬品を腫瘤の位置と、乳首の2か所に注射します。注射後は、薬が流れるよう乳房をマッサージしていきます。

撮影しているイメージ

③薬がセンチネルリンパ節に流れ、集積している様子を撮影していきます。撮影時間は、約20分間です。

撮影した画像のイメージ

④撮影した画像で、センチネルリンパ節の位置や数を確認します。撮影が終了したら、病室で待機です。

手術中のイメージ1

⑤手術室入室。麻酔後、色素を乳房へ注射し、センチネルリンパ節へ色素を流し集積させます。この色素と、携帯型放射線検知器でセンチネルリンパ節を特定し、探し出し摘出していきます。

手術中のイメージ2

⑥摘出したセンチネルリンパ節は、すぐに病理診断へまわし、摘出したリンパ節に転移があるかどうかを調べていきます。