むくみ外来
特色
「むくみ(浮腫)」でお悩みの方は少なくありませんが、その原因はさまざまです。
「むくみ外来」は、「むくみで悩んでいるのだけど、どの診療科を受診したらいいのかわからない」という患者さんを対象にした外来です。すでにいずれかの診療科あての紹介状をお持ちの患者さんや、ご自身が受診する診療科を考えておられる患者さんは、その診療科を受診してください。紹介状をもらったけれど、診療科の指定がない場合は、遠慮なく、「むくみ外来」を受診してください。
いくつかの検査をすることによって、「むくみ(浮腫)」の原因を探り、関係する診療科と連携しながら、よりよい対応法を考えていきたいと思います。
むくみ(浮腫)
「むくみ(浮腫)」とは、本来は血管内にあるべき水分が、血管外に出てしまい、皮下に貯まる状態のことです。

一般に「むくみ(浮腫)」が生じる部位で、最も多いのは足(下肢)です。それは、日中、立位や端坐位(椅子に座ったように、足をおろして座ること)でいることが多いからです。
心臓から足への血流は、心臓というポンプが送り出された血液が重力と同じ方向に流れます。一方、足から心臓へと戻る血流は、重力とは反対方向に流れなければなりませんが、その際にポンプとして働くのは足の筋肉なのです。ですから、足の筋肉を使わずに長時間立位や端坐位でいると足がむくみやすいですし、足の筋肉が少ない女性や高齢者は足がむくみやすいのです。また、足の「むくみ(浮腫)」が夕方や夜に悪化しても、翌朝には改善することが多いのは、夜間は臥位で(横になって)寝ているからです。臥位だと、足からの血流は水平方向になるので、重力とは無関係になり、心臓に戻りやすくなるのです。

足の「むくみ(浮腫)」の原因と考える場合には、「むくみ(浮腫)」が両足なのか?片足なのか?が重要です。両足の「むくみ(浮腫)」(両下肢浮腫)の原因としては、心臓病、腎臓病、肝臓病、低栄養状態、貧血、甲状腺疾患などホルモンの病気、薬剤など、全身に問題がある場合が多いですし、「片足のむくみ(浮腫)」(片側性下肢浮腫)の原因としては、深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)、リンパ浮腫、蜂窩織炎、下肢手術後、血管外からの圧迫、片麻痺など、その足に問題があることが多いのです。
因みに、足の「むくみ(浮腫)」の全てが病気ではありません。夕から夜、特に長時間の立ち仕事や座業の後、両足がむくんでいても、翌朝にすっきり直っていて、他に自覚症状や健診での異常がなければ、様子をみていて(経過観察で)よいと判断することもあります。
足以外の「むくみ(浮腫)」のうち、片手のみの浮腫はその手に何か問題がありそうですし、まぶたや唇の「むくみ(浮腫)」はアレルギー反応の場合もあります。
足の「むくみ(浮腫)」の治療、つまり、血管外に出てしまった水分を血管内に戻す方法として、一番重要なのは、原因に対する治療です。それ以外には、下肢挙上、足首の運動、着圧ソックスなどが、効果的な場合も多いです。なお、利尿薬(血管内の水分を尿として排泄する薬)は、脱水や電解質異常、腎障害になるリスクもありますので、全身としての体液貯留が多い場合など限られた状況でのみ使用します。
スタッフ紹介

- 役職・医師名
- 部長 杉下 和郎
- 得意な分野
- 【臨床工学室長兼任】
心不全、高血圧、循環器内科一般 - 認定等
- 日本循環器学会認定循環器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
日本心臓病学会特別正会員(FJCC)
日本心不全学会・不整脈ICD・CRT研修履修
日本透析医学会会員
メッセージ/診療について
メッセージ
「むくみ(浮腫)」に限りませんが、全く医学知識なしで診察をうけるよりも、多少の知識を持って診察を受ける方が、理解や納得できることが多いようです。
とはいえ、患者さんは一人一人病状が違います。詳しくは、診察の際にご確認ください。
診療について
診療日:毎週木曜日 午前
担 当:総合診療科 杉下 和郎
予約方法:当外来は予約制です。当日受付でも対応できることがありますが、長時間お待ちいただきますので、あらかじめご予約の上ご来院ください。
- 診療情報提供書(紹介状)がある場合
医療連携でご予約ください(TEL:03-3373-5931 休診日を除く午前8:30~午後5:00) - 診療情報提供書(紹介状)がない場合
電話予約センターでご予約ください(TEL:03-3320-2211 休診日を除く午前9:00~午後4:30)