臨床検査科
特色
臨床検査科は、採血、生化学・血液、輸血、一般、細菌、病理、生理、聴覚・平衡機能の8つの検査室で構成されています。日本臨床衛生検査技師会から「品質保証施設認証」を取得し、検査の正確性を保証するとともに、最新の検査機器を使用することにより迅速に詳細な結果を報告できるよう努めております。所属する臨床検査技師の多くは各種認定資格を有し、新しい知識・技術の習得と専門性を高め、学術・研究活動を積極的に行なっています。輸血管理料Ⅰ取得病院として、適正で安全な輸血医療を24時間体制で提供しています。末梢血幹細胞の凍結処理・保存を担い細胞移植療法をバックアップしています。
通常の検査業務だけでなく、医療安全、栄養サポート、感染対策、輸血療法、糖尿病、ブレストケアの院内チームの一員として、多くの職種と連携・協力し患者さまにとって最善の医療を提供しております。
各検査室の紹介
採血室
医師の指示に基づいて検査に必要な血液や尿、鼻腔ぬぐい等の検体を採取し、各検査室に送ります。この部門では採血業務の他に経口ブドウ糖負荷試験などを行っています。
一般検査室
尿、便、髄液、穿刺液、関節液、精液などの検査を行っています。尿の定性検査では尿中の糖や蛋白、潜血などを調べます。尿沈渣では尿中の細胞や結晶を顕微鏡で観察し、腎疾患や尿路の病気を探します。また尿を使って肺炎球菌やレジオネラの迅速検査を行っています。
生化学検査室
採血室で採った血液を用いて肝臓や腎臓、膵臓などの機能や、コレステロールなどの脂質、糖尿病の指標HbA1cの測定をして身体の状態を数値で把握できるようにしています。B型肝炎・C型肝炎・梅毒・HIVなどの感染症や、甲状腺ホルモン・腫瘍マーカー心筋マーカーなどの多数の項目を院内で検査し、外来の診察前検査に対応しています。
また血液中の赤血球や白血球、血小板の数を調べます。機械と顕微鏡を用いて貧血や白血病の検査を行います。
特に重要な検査項目については夜間休日を問わず24時間検査を行っており、鼻腔などから採取した検体でのインフルエンザや新型コロナウイルス抗原、A群溶血連鎖球菌などの迅速検査も行っています。
その他に血糖自己測定器や持続血糖測定(CGM)を使用する患者さんへの使い方説明、入院中の糖尿病教育入院の患者さんへの検査説明を通して、糖尿病の患者さんの療養に携わっています。
細菌検査室
喀痰、尿、血液などあらゆる検査材料から、顕微鏡的検査、培養検査などで感染症の原因微生物を検出しています。感染症の診断において、原因微生物の証明は診断に直結する重要な検査です。病原菌が見つかった場合、その菌には何の抗菌薬が効くのか、また効かないかを調べます。病原菌の遺伝子を増幅し検出するPCR検査も行っています。また、院内感染対策チームの一員として、院内感染防止にも取り組んでいます。
病理検査室
患者さんから採取されたさまざまな疾患の病変部の組織や細胞を顕微鏡で詳細に観察し、癌かどうかなどの診断を行っています。必要に応じて特殊染色や免疫染色を加え、診断を確定します。術中迅速組織診断は、手術中に病変の質や広がりをリアルタイムで診断し、手術方針の決定に役立てられます。不幸にも患者さんが死亡した場合、病気の原因・進行度や死因解明のための病理解剖を行っています。
輸血検査室
輸血検査室の役割は、輸血療法が必要な患者さんに対して輸血前検査を行い、血液製剤を供給することです。輸血責任医師の下、検査体制を整え、血液製剤の管理、輸血後副作用の監視や輸血製剤の使用記録の保管管理を行う部門です。輸血の際に必要な検査「血液型検査」、「不規則抗体検査」、「交差適合試験」を24時間体制で行っています。
血液製剤ならびにアルブミン製剤の使用記録は、患者さんごとに20年間保管管理しています。厚生労働省のガイドラインを遵守し、輸血が安全・確実・迅速に行われるよう、常に最新の知見に基づいた対応を行い、医師・看護師・臨床検査技師・血液センターと連携して安全性の向上に努めています。また、自己血輸血や造血幹細胞移植のための末梢血幹細胞処理・保管・管理を実施しています。
生理機能検査室
不整脈や心筋梗塞などの心筋の虚血をみる心電図検査、手足の血圧を測ることにより足の血管の硬さや詰まりをみつけるPWV/ABI検査があります。
エコー検査では心臓の動きをみる心エコー、血管に詰まりがないかをみる頸動脈エコーや下肢静脈エコー、病変や腫瘍がないかをみる腹部エコー、甲状腺エコーも行っています。
また肺の広がりやすさ、気管が狭くなっていないかを調べる肺機能検査、頭皮に電極を付けて脳から出る電気信号をみる脳波検査、手足の神経に電気刺激を与えて神経の障害をみる神経伝導検査、筋肉などの障害をみる筋電図検査なども行っています。
その他に睡眠時に息が止まっていないかを調べる睡眠時無呼吸検査、乳腺外科では乳腺エコーを検査します。
耳鼻咽喉科検査室
聴力検査、語音検査(言葉の聞き取り検査)、ティンパノメトリー検査(鼓膜の動きの検査)、耳管検査、脳の聴覚路の検査(聴性脳幹反応検査)、顔面麻痺の検査、めまいの検査を行っています。めまいの検査では目の動きを観察する眼振検査にビデオ式眼振計(VNG)を採用しており、患者さんの負担の軽減に努めております。
認定情報・認定資格
認定情報
- 品質保証施設認定
- 輸血管理料Ⅰ
- 輸血適正使用加算
- 日本臨床検査医学会認定病院
- 日本病理学会研修認定施設B
- 日本臨床細胞学会施設認定
認定資格(2024年6月現在)
- 細胞検査士
- 国際細胞検査士
- 認定病理検査技師
- 緊急検査士
- 認定救急検査技師
- 認定血液検査技師
- 認定臨床化学・免疫化学精度保証管理検査技師
- 認定認知症領域検査技師
- 認定輸血検査技師
- 認定消化器内視鏡技師
- 認定平衡機能検査士
- 日本糖尿病療養指導士
- 超音波検査士(循環器、消化器、健診、体表)
- 血管診療技師
- 2級臨床検査士(微生物、病理学)
- 東京都肝炎医療コーディネーター
スタッフ紹介
- 役職・医師名
- 主任医長 大友 梨恵
- 得意な分野
- 頭頸部病理
肺病理 - 認定等
- 日本病理学会認定病理専門医
日本臨床細胞学会認定細胞診専門医
日本医師会認定産業医
- 役職・医師名
- 医長 田中 大貴
- 認定等
- 日本病理学会認定病理専門医
日本臨床細胞学会認定細胞診専門医
- 役職・医師名
- 医長 高橋 友香
- 認定等
- 日本病理学会認定病理専門医
日本臨床細胞学会認定細胞診専門医
日本病理学会認定分子病理専門医