脳神経外科・脳卒中外科・脳血管内治療科
特色
当科は、脳疾患に対して顕微鏡下マイクロ手術やカテーテル手術を施行する診療科で、脳卒中(脳血管疾患)、脳腫瘍、頭部外傷などの疾患を対象としています。当科では、ナビゲーションシステム(StealthStation)、手術用顕微鏡(ZeissOPMI® Kinevo® )などの先進的な装置を使用してより安全な手術を心がけており、 また、外科治療とカテーテル治療という2つの治療方法を持っていることにより治療方法の幅が広がり、バランスのとれた考え方をもとに適切な治療方法を選択できるというのが、当科の非常に大きな特徴であります。いかなる症例においても、何が最善の治療方法であるのかについて真摯に向き合い、よりよい治療を目指して日々研鑽をつんでおります。必要に応じて大学、研修/関連施設から専門家を招聘させていただき共同で治療したり、特殊疾患などに関しては専門施設に紹介することもしております。
日々の臨床の一端を第79回渋谷区医師会JR東京総合病院合同研修会で紹介させて頂きました。→
スライドを見るPDF[2.4MB]
疾患
◇脳卒中(脳血管疾患):クモ膜下出血、脳出血、脳梗塞、脳動静脈奇形など。
◇脳腫瘍:神経膠腫、髄膜腫、転移性脳腫瘍など。
◇頭部外傷:外傷性脳内血腫、急性硬膜下血腫、急性硬膜外血腫、慢性硬膜下血腫など。
◇その他:正常圧水頭症、重症痙縮など。
当科で可能な主要な検査・治療
■検査
CT/CTA、MRI/MRA、脳血管撮影(DSA)、脳血流検査(SPECT)、頚動脈エコーなど。
(緊急時においてMR、CTは24時間いつでも対応しています)
■治療
脳動脈瘤コイル塞栓術などの脳血管内治療、開頭脳動脈瘤クリッピング術
開頭血腫除去術、穿頭血腫吸引除去洗浄ドレナージ術、
開頭腫瘍摘出術、脊髄腫瘍摘出術、頸椎脊柱管拡大椎弓形成術・頸椎前方除圧固定術などの脊椎手術
水頭症手術(脳室、腰椎、腹腔シャント術)
急性期脳梗塞に対する血栓回収術(血管内治療)、rt-PA治療など
バクロフェン髄注療法
認定情報
日本脳神経外科学会専門医研修プログラム連携施設
1次脳卒中医療センター
東京都脳卒中急性期医療機関
スタッフ紹介
役職・医師名 |
得意な分野 |
認定等 |
部長 安達 淳一 |
悪性脳腫瘍の集学的治療 覚醒下脳腫瘍手術 分子病理学、がんゲノム診療 脳神経外科一般 バクロフェン髄注療法 |
日本脳神経外科学会 専門医・指導医
日本癌治療認定医機構 がん治療認定医
日本神経内視鏡学会 技術認定医
臨床研修指導医
医学博士
埼玉医科大学客員准教授 |
部長 古峰 弘之 |
脳血管障害の外科治療 血管内治療 頭部外傷 神経救急集中治療 |
日本脳神経外科学会 専門医・指導医
日本脳卒中学会 専門医・指導医
日本脳卒中の外科学会 技術認定医・指導医
日本救急医学会 専門医
日本脳神経外傷学会認定専門医
脳血栓回収療法実施医
日本脳神経外科救急学会評議員
臨床研修指導医
PNLSコース インストラクター
医学博士(埼玉医科大学) |
非常勤医師 羽井佐 利彦
 |
脳血管障害 脳腫瘍 脊髄脊椎外科 |
日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医・指導医
日本脊髄外科学会認定医
日本脳卒中学会認定脳卒中専門医
医学博士 |
当科の歩み
当科の歴史は、東京大学外科学第1講座教授であった清水健太郎(1903-1987年)が昭和38年東大を定年退官し当院に赴任したことに始まっています。清水は昭和23年に初めて創設された日本脳・神経外科研究会のメンバーであり、わが国の脳神経外科を創ったパイオニアの一人です。当院における最初の開頭術は、昭和38年6月10日清水により執刀された慢性硬膜下血腫の摘出術でした。東京大学外科学第1講座が脳神経外科学講座と改称されたのが昭和38年4月で、脳神経外科が医療法での診療科目として独立したのが昭和40年ですから、全国的にみてもかなり早い時期に脳神経外科が正式に発足した方でしょう→
スライドを見るPDF[372KB]。最近では、元部長の滝沢利明が当院でレーザーメスの開発に取り組み、その過程はNHKのプロジェクトXという番組で平成13年10月9日に放送され紹介されました。以後、現在まで専門医が一貫して、近隣の医療機関と連携しつつ脳神経外科診療に従事しております。