循環器内科

特色

当科では、急性冠症候群(急性心筋梗塞、不安定狭心症)、急性心不全または慢性心不全の急性増悪、重症不整脈、急性大動脈解離、急性肺血栓塞栓症、急性腎不全に対する救急治療をはじめとして、高血圧、慢性心不全、不整脈、安定狭心症、弁膜症、心筋疾患、先天性心疾患、末梢血管疾患、慢性腎不全、ネフローゼ症候群など、全ての循環器疾患並びに腎疾患に対応できる体制を整えています。また虚血性心疾患の重要な危険因子である高脂血症のコントロールも行っています。

検査法としては、心電図、心エコー図などの非侵襲的検査法から、心臓カテーテル検査、電気生理学的検査などの侵襲的検査法に至るまでが、最新の機器を用いて緊急時にも施行可能です。
また治療法としては、生活指導などの一般療法、薬物療法の他、冠動脈インターベンション、末梢血管インターベンション、ペースメーカー植え込み、カテーテルアブレーション、下大静脈フィルター留置、血液透析などを最高の設備を用いて行っており、これらについても緊急時の対応が可能です。

他臓器に合併症のある循環器・腎疾患患者さまに関しては、他科とのコンサルトを密にして、「全身を診る」ことを心掛けています。
週1回は当科全スタッフがカンファレンスをとおして意見を出し合い、全入院患者さまの診断と治療方針を決定し、最善・最良の医療を実践することを目指しています。

疾患と治療法

当科で対応可能な主な疾患と基本的な治療方針は以下のとおりです。

◇高血圧
血圧が高い状態(収縮期血圧140 mm Hg以上、または拡張期血圧90 mm Hg以上)のことで、最も多い循環器疾患です。
生活習慣の改善を始めとして、最新のガイドラインやエビデンスに基づいた薬物療法を行い、目標血圧レベルを達成すること、将来の心血管イベントをできるだけ防ぐことを目的にきめ細やかな診療を行っています。

◇虚血性心疾患
急性冠症候群
冠動脈に「不安定プラーク」というもろい脂肪の塊のような病変ができて、それが破れ、その部位に血栓(血の塊)が形成されることにより冠動脈が詰まってしまうた めに起こる病態です。
前兆なしに突然起こることも多くみられます。
 
*急性心筋梗塞
 冠動脈が突然、完全に詰まってしまった状態で、強い胸の痛みを生じます。心電図や血液検査で診
 断され、緊急入院となります。
 禁忌のない状態では、可及的速やかに冠動脈インターベンションによる再灌流を行います。
 その後は予後改善のための薬物療法(アスピリン、β遮断薬、ACE阻害薬またはアンジオテンシン
 1型受容体拮抗薬[ARB])を積極的に行い、左室機能の保持と再梗塞の予防を目指しています。
 
*不安定狭心症
 冠動脈が詰まりかけている状態で、安静時に、または軽度の体動で胸痛を生じます。
 この場合も緊急入院していただき、安静と薬物療法で病状が安定したところで冠動脈造影を行い、
 治療方針(冠動脈インターベンションまたは冠動脈バイパス手術)を決定するのが原則です。
 しかし、内科的に胸痛がコントロールできないときはその段階で緊急冠動脈造影を施行して、治療
 方針を決定します。


・安定狭心症
冠動脈の器質的狭窄やれん縮(ギュッと縮まること)によって起こります。
体動時や夜中から明け方の安静時に持続の短い(15分以内)胸痛や息切れを生じます。
トレッドミル運動負荷心電図、ホルター心電図や心筋シンチグラフィーで診断を進めてから、冠動脈造影を行い、その所見に基づいて、治療方針(冠動脈インターベンション、冠動脈バイパス手術または薬物療法)を決定します。

◇心不全
心不全は病名ではなく、心臓ポンプ機能の異常によって生じる息切れや浮腫などの一連の症状(症候群)のことです。急性心不全あるいは慢性心不全の急性増悪と慢性心不全とに分けられます。
急性心不全の方には入院していただき、安静などの一般療法と強力な薬物療法を行い、できるだけ迅速に状態を改善することが重要です。
また慢性心不全の方に対しては、生活習慣の改善の他、最新のエビデンスに基づいた薬物療法を行っています。

◇不整脈
心臓の拍動の乱れで、動悸や失神の原因となります。
心電図やホルター心電図による診断の他に、心エコー図による心機能の評価を行ってから治療方針を決めます。
また必要な場合には電気生理学的検査も行います。不整脈には治療を要しないものが多いので、その場合には患者さまに十分な説明を行います。
また薬物療法を行う場合にも十分に適応と副作用について説明します。カテーテル・アブレーションやペースメーカー植込術も多数施行しています。

◇弁膜症
リウマチ性弁膜症は少なくなりましたが、老人性石灰化性大動脈弁狭窄症は増えており、非リウマチ性僧帽弁閉鎖不全症も多く見られます。
これらの疾患では手術の必要がある場合がありますので、早めに十分な評価を行い、心臓外科医と相談して、手術の時期を失しないようにしています。
また僧帽弁逸脱という軽い弁の異常をもつ方が高頻度にみられますが、このような方々の生活上の注意やフォローアップについても対応しています。

◇心筋疾患
肥大型心筋症や拡張型心筋症という病気で、主に生活指導と薬物療法を行っています。当科で長期間フォローアップしている患者さまが多数いらっしゃいます。

◇先天性心疾患
成人の先天性心疾患患者さまが対象です。
心房中隔欠損症、心室中隔欠損症、ファロー四徴症、動脈管開存症、修正大血管転位症などの疾患で、手術後の患者さまが増えています。
心不全、不整脈など種々の問題に内科的に対応しています。

◇大動脈疾患
大動脈解離は突然激しい背部痛や胸痛を生じる致命率の高い疾患です。
病気の及んでいる範囲を明らかにして、治療方針(手術または薬物療法)を決めます。
大動脈瘤は大きくなれば手術が必要となりますが、手術時期を失しないように心臓血管外科と相談の上治療方針を決めています。

◇末梢血管疾患
歩いているとふくらはぎが痛くなり、休むと直るという間欠性跛行や安静時の足の痛みが特徴的症状です。
血管造影を行い、狭いところがあればカテーテルによる血管形成術や手術で治療します。

◇肺血栓塞栓症
足の静脈にできた血栓が肺動脈に飛んで詰まることで起こります。
話題になった「エコノミークラス症候群」はその一型です。
抗凝固療法や血栓溶解療法を行いますが、病状によっては肺動脈内の血栓の吸引や下大静脈へのフィルター(血栓を捉える網の目)留置を行います。

◇急性腎不全
様々な原因で急に尿が出なくなり、腎機能が悪くなる状態です。
利尿薬などの薬物療法に反応しないときには血液透析を行います。

◇慢性腎不全
慢性糸球体腎炎、糖尿病性腎症などにより徐々に腎機能が悪くなる状態で、一般療法、薬物療法によって腎機能障害の進行を止める治療をします。
しかし、腎機能障害が高度になった場合には、血液透析の導入を行います。

◇ネフローゼ症候群
尿に排泄される蛋白質が著明に増加するため、血中の蛋白質濃度が低下する病気で、全身の浮腫(むくみ)が特徴的な症状です。
腎生検(泌尿器科に依頼しています)により腎臓の組織を採取し、その病理所見に基づいてステロイドや免疫抑制剤を投与して治療します。

◇高脂血症
動脈硬化の主要な危険因子である高脂血症に対しては、当科でも薬物療法を行っています。

当科で可能な主要な検査・治療

◇非侵襲的検査
 ・一般検査(心電図、胸部X線、採血[血漿BNP濃度測定など])
 ・ホルター心電図
 ・トレッドミル運動負荷心電図
 ・心エコー図
  *経胸壁心エコー図
  *経食道心エコー図
  *末梢血管エコー図
 ・放射線検査(放射線科で施行します)
  *X線CT(三次元CTも可能)
  *MRI(MR angiographyも可能)
  *心筋シンチグラム

◇侵襲的検査
 ・心臓カテーテル検査
  *血行動態測定
  *左室造影
  *冠動脈造影
    アセチルコリン負荷試験
  *大血管造影
  *末梢血管造影
  *血管内超音波法
  *冠血管予備能の検査
  *電気生理学的検査

◇侵襲的治療
 ・カテーテルインターベンション
  *冠動脈インターベンション(PCI)
    ステント留置術
  *末梢動脈形成術(PTA)
    腎動脈形成術
    下肢動脈形成術
 ・カテーテルアブレーション(経皮的カテーテル心筋焼灼術)
 ・ペースメーカー植込み術
 ・下大静脈フィルター留置術

スタッフ紹介

役職・医師名 得意な分野 認定等
担当部長 安喰 恒輔あじき こうすけ
安喰 恒輔
不整脈疾患 日本循環器学会認定循環器専門医
日本不整脈心電学会認定循環器専門医
日本内科学会認定内科医
主任医長 杉下 和郎すぎした かずろう 【透析室長・臨床工学室長 兼任】

心不全
人工透析
日本循環器学会認定循環器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
日本心臓病学会特別正会員(FJCC)
日本心不全学会・不整脈ICD・CRT研修履修
日本透析医学会会員
主任医長 碓井 伸一うすい しんいち 虚血性心疾患
血管疾患のカテーテル治療
日本循環器学会認定循環器専門医
日本内科学会認定内科医
日本心血管インターベンション治療学会認定医
日本心臓病学会会員
日本心臓リハビリテーション学会会員
医長 淺川 雅子あさかわ まさこ 画像診断
人工透析
日本循環器学会認定循環器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
日本超音波医学会認定超音波専門医・指導医
医長 村岡 洋典むらおか ひろのり 虚血性心疾患
血管疾患のカテーテル治療
日本循環器学会認定循環器専門医
日本内科学会認定内科医
日本成人先天性心疾患学会会員
難病指定医
身体障害者福祉法第15条による指定医(心臓機能障害)
医長 川上 拓也かわかみ たくや 虚血性心疾患
血管疾患・不整脈疾患のカテーテル治療
副医長 畠山 佳之はたけやま よしゆき 日本内科学会認定内科医

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