自己血貯血について
自己血貯血のお勧め
今回の手術には輸血が必要ですが、
診断と検査の結果、
手術前にあなた自身の血液を採血(自己血)しておき、
輸血することができます。
他人の血液について
日本赤十字血液センターから手配した血液を輸血することで、この血液は、病原菌の検査をしたものです。
輸血すると発熱・蕁麻疹などアレルギーがあらわれたり、ごくまれな例ですが血液中のリンパ球が移植片対宿主病(GVHD)とよばれる致命的な副作用を起こすことがあります。肝炎やエイズウイルスも多くは検査で予防できますが、いまだ完全ではありません。
自己血貯血とは
手術の前にあらかじめ採血しておいた自分の血液を採取、保存しておき、手術中、手術後に、輸血するもので医学的に最も安全な輸血方法です。
自己血貯血の準備について
自己血貯血では前もって自分の血液を採血して蓄えておく必要があります。1回の採血量は最大で体の中を循環している血液の10%で、普通の人は400ccです。貧血の方には、貧血がひどくならない程度にできるだけ多くの血液を採取しておきます。
自己血に伴う副作用
採血時に約1%に気分不快、吐き気、冷や汗などの脳貧血症状があらわれ点滴をすることがありますが、一時的な自律神経の反応によるもので、通常は頭を低くして30分程安静を保つと治ります。なお、貧血を予防するために鉄分とたんぱく質を多く含む食物をなるべく多くとるように心掛けて下さい。また、採血の前日はなるべく睡眠を多くとって下さい。貧血の方には、エリスロポエチンや鉄剤などの造血剤を使用することがあります。鉄剤を服用すると便が黒くなりますが続けて服用してください。食欲不振、吐き気などある場合には担当医にお知らせ下さい。
