安心と日常を乗せて走る新幹線への挑戦
新幹線電化柱耐震対策・シンプル化
JR東日本では、東日本大震災や福島県沖地震などの地震被害を教訓とし、近い将来発生が懸念されている大規模地震に備え、設備の耐震補強を行っています。電気SIOでは、新幹線の電化柱を対象とした耐震補強を推進しています。
東北・上越新幹線は開業から40年余りが経過し、電車線路設備の更新時期を迎えています。更新計画策定に際して、既存のヘビーコンパウンド架線(HC)より設備点数が少ない高速シンプル架線(HS)を開発し、設備の老朽取替に合わせて順次導入を進めています。
- 首都圏
- 東北
- エネルギー
【電化柱耐震補強】高じん性補強
プレストレストコンクリート柱(PC柱)の地際部にRC鉄筋を溶接した鋼管ユニットによる補強を設けた後、ユニット中段部内部のPC柱のPC鋼線を切断します。弱点部を設けることで、耐力を下げずに変形位置を制御するとともに、粘り強さの指標であるじん性を高め、地震エネルギーを吸収することができます。施工性や、地震被害等での知見を踏まえた保守性の改善に取り組んでいます。
【電化柱耐震補強】支持物門形化補強
上下線の単独柱の間に固定ビームを架設することで、門形構造とし、応力分散、線路直角方向の固有周期の低減や地震時の車両限界支障防止を実施しています。レーザースキャナにて取得した点群データを設計・施工に利活用することで、業務の効率化、技術検討の深度化を図っています。
【電化柱耐震補強】支持物取替(鋼管柱へ建替)
PC柱を、金属製電化柱(鋼管柱)への建替を実施しています。鋼管柱は、PC柱と比較して軽量かつ固有振動数が高く、電化柱が施設されている構造物との共振を防止することで耐震性の向上が期待できます。施工においては電化柱建替用専用工事車両を導入することで、高架下の条件などの施工環境に関わらず工事が実施できるようなり、耐震補強対策のスピードアップにつなげています。
高速シンプル架線化工事の概要
高速シンプル架線化工事を行うことで補助ちょう架線や架線金具などの設備点数が削減されます。設備更新は、東北・上越新幹線ともに、施工エリアを分割しながらトンネル区間以外のドラムを優先的に施工しています。2024年度までに東京・熊谷・古川エリアで約130kmの施工が完了しており、2042年度ごろを目標に全エリアの設備更新の完遂を目指しています。
設備更新に伴う架線形式の選定
トロリ線の種類や線条の張力が異なる3タイプ(①高速化タイプ、②省メンテナンスタイプ、③低張力タイプ)の仕様を制定し、導入する線区の条件を考慮して最適な架線タイプを選定しました。東北新幹線では、上記の3タイプを運転速度に応じて導入し、上越新幹線では大宮~新潟間の運転速度が同様であるため、施工性や保守性を鑑みて②省メンテナンスタイプを導入しています。
工事車両の紹介
当社では少人数で多くの工事を推進するために、工事車両を用いた施工の機械化に取り組んでいます。高速シンプル架線化工事でも安全で効率的な施工のために、工事車両群(以下、SW編成)を導入しました。SW編成は、SW・MTW・TWを各2両ずつ、計6両1編成の工事車両群です。それぞれの車両は個別の役割を有しており、施工手順に応じて編成順を変えて使用しています。