コーポレート・ガバナンス
コーポレート・ガバナンス
ガバナンスに関する情報はJR東日本グループレポート(統合報告書)でも開示しています。
<基本的な考え方>
当社は、究極の安全によるお客さまからの信頼の向上及びすべての人の心豊かな生活の実現に向けた経営課題に対して、透明、公正及び迅速果断な意思決定を行っていくとともに、株主の皆さま、お客さま、地域社会、取引先、債権者の皆さま及び当社グループで働く社員等をはじめとするステークホルダーとの適切な協働に努め、事業の持続的な成長及び中長期的な企業価値向上をめざします。
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コーポレート・ガバナンスに関する報告書(2024年6月20日)PDFが別ウィンドウで開きます
<体制の概要>
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- ①取締役会
- 2024年6月20現在、社外取締役8名を含む16名で構成され、原則として毎月1回開催し、法定の事項その他グループ全体に係る経営の基本方針や戦略、グループ経営上重要な事項についての審議を行います。2023年度は16回開催し、取締役の年度内の出席率は97.6%でした。なお、重要な業務執行の決定権限については、特に重要な事項を除き、取締役会から業務執行取締役へ委任していますが、委任した事項について報告を受け、業務の監督を行います。
このほか、取締役会の定めるところにより、社内取締役及び常務執行役員で構成されるグループ経営会議を置き、原則として毎週1回開催し、取締役会の決議事項及びその他のグループ経営上の重要事項について審議・報告を行います。また、当社グループ全体の発展を期するため、社内取締役、常務執行役員及び関係部長等を委員とするグループ戦略策定委員会を置き、必要に応じて開催し、グループの事業戦略の策定・推進等に係る事項について審議を行います。
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- ②監査等委員会
- 原則として毎月1回開催します。監査等委員会において、監査の方針、方法、業務分担及び計画、業務の適正を確保するための体制に関する取締役会決議の相当性及び運用状況、会計監査人の監査の方法及び結果の相当性等について具体的に検討し、当事業年度は「当社グループの内部統制の整備・運用状況」「グループ理念及び『変革2027』の実現に向けた構造改革の取組み」を重点監査項目として監査を行いました。監査にあたっては内部監査部門であるマネジメント監査部の監査計画及び結果の報告を受け、連携して効果的かつ効率的な監査に努めています。また、各監査等委員は監査活動の実効性評価を行い、その結果を次年度の監査計画に反映しています。なお、取締役(監査等委員である取締役を除く。)の選任等及び報酬等については、監査等委員会において人事諮問委員会及び報酬諮問委員会における審議内容を共有し、意見形成を行っています。
各監査等委員は、監査等委員会が定めた方針に従い、取締役会その他重要会議への出席、取締役及び使用人等からの職務執行状況の報告聴取、重要な決裁書類等の閲覧、本社及び主要な事業所における業務及び財産の状況の調査、会計監査人の職務執行状況の報告聴取及び会計監査人と監査上の主要な検討事項(KAM)の協議、代表取締役及び社外取締役との定期的な意見交換等を行いました。特に常勤監査等委員は、サステナビリティ戦略委員会等の会議出席及び執行部門からの情報収集等を通じ、監査等委員会の監査・監督機能の強化に努めました。また、グループ会社については、グループ会社の取締役及び監査役等と意思疎通・情報交換を図り、必要に応じてグループ会社から事業の報告を聴取しました。
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- ③社外取締役
- 候補者については、独立した立場から経営を監督するほか、その豊富な知識及び経験を当社の経営に活かすことなどを目的に、多様な分野より選任します。
独立社外取締役の候補者の選任にあたっては、経営のダイバーシティの観点から、原則として取締役の3分の1以上とします。
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- ④人事諮問委員会
- 取締役(監査等委員を除く)の選解任議案及び代表取締役社長の選解任の決議にあたっては、客観性、適時性及び透明性を確保する観点から、事前に社外取締役(監査等委員を除く)とその他の取締役(監査等委員を除く)で構成する人事諮問委員会に諮っています。
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- ⑤報酬諮問委員会
- 取締役(監査等委員を除く)の報酬の決定にあたっては、手続きの透明性及び公正性を確保する観点から、事前に社外取締役(監査等委員を除く)とその他の取締役(監査等委員を除く)で構成する報酬諮問委員会に諮っています。
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- ⑥会計監査人
- 当社と監査契約を締結している有限責任あずさ監査法人(会計監査人)が期中及び期末に監査を実施しています(継続監査期間1987年以降)。2022年度において監査業務を執行した公認会計士の氏名、監査業務に係る補助者の構成については、以下のとおりです。
- 監査業務を執行した公認会計士の氏名:指定有限責任社員 業務執行社員:薊和彦、吉田秀樹、斉藤直樹
- 監査業務に係る補助者の構成:公認会計士20名、公認会計士試験合格者16名、その他19名
<ステークホルダーの立場の尊重>
当社は、中期経営ビジョンなどでステークホルダーの立場を尊重する旨を明確にしているほか、「マルチステークホルダー方針」を掲げ、従業員への還元や取引先への配慮、その他ステークホルダーに関する取組みの方針を示しています。
内部統制システム
<基本的な考え方>
当社は、いわゆる内部統制について、グループ理念及びグループ経営ビジョンを適正かつ効率的に実現するための様々な取組みと位置づけています。コンプライアンス、安全・安心の確保、財政上の損失の防止、財務諸表の健全性の確保などに加え、新たな事業分野への展開などの観点も踏まえたリスクマネジメントに取り組み、グルプを発展させ、その価値を高めることをめざしています。
また、リスクマネジメントについては、リスク(※)を損失回避等のマイナス要素を減らす観点から捉えるだけでなく、リスクテイクも含め、グループの価値を積極的に向上させる観点を含めて幅広く取り組んでいます。
これを踏まえ、以下のように会社法に基づく業務の適正を確保するための体制を構築しています。
(※)コンプライアンス、安全確保、自然災害等のオペレーションに係るものだけでなく、マーケットの変化や競合他社の動向及び国内外の社会・経済状況等に係るものや、新規事業に関する経営判断に係るものなども幅広く含みます。
<整備状況(体制)>
- (1)JR東日本グループにおける取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
- 法令遵守及び企業倫理について、当社と当社の連結子会社(以下、「グループ会社」という。)で構成されるJR東日本グループの企業行動指針である「法令遵守及び企業倫理に関する指針」を策定し、具体的な行動のあり方を示すハンドブックを当社及びグループ会社の役員及び社員に配付するなど、指針に沿った企業活動の実践を図ります。
- 当社の総務・法務戦略部は、全社横断的にコンプライアンスに係る業務を統括するとともに、JR東日本グループにおけるコンプライアンスの確保に向けてグループ会社の総務・法務部門と連携します。
- JR東日本グループとしてのコンプライアンスに関する相談窓口を当社内及び外部に設置し、公益通報やコンプライアンス上問題のある事象についての報告を受け付けます。その際、利用者及び通報内容等に関する秘密を守り、当該通報を理由とした不利益取扱いを禁止しています。
- 当社は、適法で効率的な業務執行確保のための内部監査体制を整えています。また、JR東日本グループにおける業務の適正を確保するため、当社からグループ会社に役員を派遣するなど経営に関与するとともに、当社マネジメント監査部がグループ会社監査を定期的に実施します。
- (2)取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
- 当社は、法令及び社内規程等に従い、取締役の職務執行に係る文書を適切に保存及び管理します。取締役は、必要に応じて常時これらの文書を閲覧できます。
- (3)JR東日本グループにおける損失の危険の管理に関する規程その他の体制
- 当社は、リスクマネジメントの一環として、損失の危険の管理に関する体制を構築しています。
- 当社では、危機管理責任部署及び危機管理に関する規程を定め、問題が発生した際には、経営トップが関与しながら、迅速に初動体制を構築し情報の収集及び迅速な対応等がとれるよう危機管理体制を構築しています。また、グループ会社に対して、同様の危機管理体制を構築し、問題が発生した際には必要に応じて当社に報告するよう指導しています。
- 当社は、鉄道の運行に関し、事故・災害等の発生に備え、迅速かつ適切な対応ができる体制並びに輸送の安全性及び安定性を向上させるための体制を整備しています。
- 当社の取締役会は、リスクマネジメントの実効性を確保するため、定期的にその取組み状況及び今後の方針についてモニタリングを行います。
- (4)JR東日本グループにおける取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制並びにグループ会社から当社への職務の執行の報告に関する体制
- 当社は、会社の効率的な事業運営を確保するため、社内規程により、各部署の権限、役割を定め、権限分配しています。
- 当社及びグループ会社は、グループ経営ビジョンの浸透を図るとともに、その達成に向けて部門や施策ごとに具体的な計画を定め、その進捗状況については定期的にトレース等を実施するなど、施策を効率的に展開する仕組みを確保しています。また、グループ会社は、営業成績、財務状況その他の重要な情報を当社へ定期的に報告しています。
- (5)監査等委員会の職務を補助すべき使用人に関する事項
- 当社は、監査等委員会の職務を補助する専任スタッフを監査等委員会室に配置し、監査等の実効性を高め、監査等委員会の職務が円滑に執行できる体制をとっています。
- (6)監査等委員会の職務を補助すべき使用人の取締役(監査等委員である取締役を除く。)からの独立性及び当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
- 当社監査等委員会室スタッフは、監査等委員会の職務に関して、取締役(監査等委員である取締役を除く。)・他の使用人等の指揮命令を受けません。
- (7)JR東日本グループにおける当社監査等委員会への報告等に関する体制
- 当社は、取締役会規則に基づいた決議事項の付議基準を定め、適切に取締役会に付議しているほか、当社監査等委員会は、取締役会決議事項以外の重要な事項についても、取締役会及びグループ経営会議等の会議への監査等委員である取締役の出席、取締役(監査等委員である取締役を除く。)・使用人等からの聴取及び取締役の職務執行に係る文書により、その内容を確認することができます。
- 当社監査等委員会とグループ会社監査役の間で定例の連絡会を実施し、監査に関する情報の交換を行います。
- 当社は、JR東日本グループにおける公益通報やコンプライアンス上問題のある事象、当社マネジメント監査部によるグループ会社監査の結果について、当社監査等委員会に定期的に報告します。
- 当社は、監査等委員会へ報告を行った者に対し、当該報告を理由とした不利益取扱いを禁止しています。
- (8)監査等委員である取締役の職務の執行について生ずる費用等の処理に係る方針に関する事項
- 当社の監査等委員である取締役がその職務の執行について、当社に対し会社法第399条の2第4項に基づく費用の前払い等を請求したときは、当該請求に係る費用又は債務が当該の監査等委員である取締役の職務の執行に必要でないことを当社が証明した場合を除き、当社はその費用を負担します。
- (9)その他監査等委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
- 当社監査等委員会は、代表取締役社長及び会計監査人と、それぞれ定期的に意見交換会を開催しています。
- (10)財務報告に係る内部統制
- 財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するために必要な体制を整備し、運用する。
- 前項に定める体制の整備及び運用の状況について、一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に従って、事業年度ごとにこれを評価する。
<取締役のスキル・マトリックス>
各取締役の有するスキルや専門性、経験を踏まえ、「特に期待する分野」(上段)とその分野におけるフォーカスポイント(下段)は以下のとおりであります。
(注)上記一覧表は、各取締役の有する専門性や経験の全てを表すものではありません。
人的資本経営の推進
<基本的な考え方>
当社グループの成長の源泉は「人材」です。2018年に策定したグループ経営ビジョン「変革2027」では、「ヒトを起点とした価値・サービスの創造」を打ち出し、「新たな価値を社会に提供」するためのフォーカスポイントの中心に“社員・家族の幸福”を掲げています。それぞれの社員がもつ可能性を引き出すことによって、技術・技能を着実に継承・発展させるとともに、困難な課題に対しても果敢に挑戦する人材を育成し、社員のエンゲージメントと人的資本の価値を高めていきます。
環境保全活動、CSR活動等の実施
<基本的な考え方>
気候変動による財務的な影響についての国際的な開示の枠組みであるTCFDへの対応を含めたサステナビリティに関する具体的な取組み、「JR東日本グループレポート(INTEGRATED REPORT)」に掲載しています。また、地域社会との共生を目指し、環境活動を進めています。
環境に関する取組みや情報の詳細はサステナビリティ環境で開示しております。
知的財産への投資等
グループ経営ビジョン「変革2027」を推進し、モビリティ、生活ソリューションの各事業を支えるためには、知的財産を適切にマネジメントし、事業戦略と結び付いた知的財産戦略を遂行することが重要であると認識しています。
当社グループは、グループ理念に基づき、重要な資産である知的財産(無形財産)をグループ一体で適切にマネジメントし、“信頼”と“豊かさ”という価値を創造する知的財産活動を推進することを基本方針としています。
サステナブル調達
当社グループでは、調達に関する行動基準として調達方針等を定め、これに基づき、サプライチェーン全体で人権や環境等に配慮した調達を実施しています。政府・経済界が推進している「パートナーシップ構築宣言」にも賛同しています。
また、サステナブル調達アンケートの実施や企業訪問等を通じた取引先とのコミュニケーションを継続していきます。