KEIYO TEAM6 クロストーク Vol.6

三宅剛司選手(オービックシーガルズ)& 古家康隆選手(千葉ゼルバ)

三宅剛司
(オービックシーガルズ)

&

古家康隆
(千葉ゼルバ)

6チームの注目選手や共通点を持つ選手・スタッフが、競技の枠を越えて様々なテーマでトークを行う、『京葉線プラス』限定のスペシャル企画「KEIYO TEAM6 クロストーク」。

第6回は、ベテランのチームリーダー、かつコーチ兼任として指導者の顔も持つオービックシーガルズの三宅剛司選手と、千葉ゼルバの古家康隆選手です。 社会人としてのキャリアを十分に積んできた2人だからこそ、態度や言葉遣いはまさに〝大人〟そのもの。和やかな雰囲気で進められた対談の様子をご覧ください。

「"割り切って"ディフェンスを頑張っています」(シーガルズ 三宅)

さっそくですが、「KEIYO TEAM6」の取り組みはご存知でしたか?

古家:先日、ジェフ千葉さんのイベントに参加したときに伺って、アプリをダウンロードしたので知っていました。

三宅:僕も、チームメートのKJ(ケビン・ジャクソン *今シーズンからコーチ)が以前、このクロストークに登場したので知っていました。ラッピングトレインも走っていましたね。僕は中刷り広告に写真を載せていただきました。

古家:僕は広告には出ていなかったので、次回はポスターとか出てみたいですね。(笑)

お二人は、お互いに「はじめまして」になりますか?

古家:はい、「はじめまして」ですね。違う競技の方はどんな練習をしているのだろうと興味があります。ただ、全然違う競技の中にも、共通したトレーニングもあるんじゃないかとも思っていますので、そのへんのお話しを聞けたらなと。

三宅:こちらこそ、よろしくお願いします。職場にバレーボール選手が働いていまして、イメージ的にはみなさん身長が2mぐらいあるのかなと思って来ました。

古家:僕はリベロという守備専門のポジションで、身長はチームで一番小さいですね。

他の競技を観に行ったことはありますか?

三宅:サッカーや野球は何度かあります。ジェフ千葉さんの試合も一度だけ、一緒にイベントをした後に試合も観戦させていただきました。

古家:僕もジェフさんの試合を3、4回観たことがあります。

三宅:バレーボールも、職場が筑波なので、つくばユナイテッドSun GAIAの試合を一度観たことがあります。ジャンプ力とか迫力がすごくて、横の動きも速くて驚きました。

古家:僕はアメリカンフットボールに関しては生で観戦したことはありません。テレビゲームでならやったことはあるんですけど(笑)。

お二人は、いつから競技を始められたのでしょうか?

三宅:僕はずっとサッカーをやっていて、高校からアメフトに転向しました。ポジションはディフェンスだったので、今と同じですね。

古家:僕は中学からバレーボールを始めました。それまでは野球をやっていました。僕も野球はセカンドだったので、どちらかと言えば、守備寄りの選手だったと思います。

アメリカンフットボールもバレーボールも、攻撃の選手が脚光を浴びることが多いと思いますが、守備的なポジションのお二人はそれを「うらやましい」と思うこともありますか?

古家:レベルは高くありませんが、僕ももともとはエースアタッカーとしてやっていたので、そういう気持ちもわかります。今やっているリベロは点を取れませんから、自分がミスをしても自分の手で取り返せないもどかしさはあります。うまくいかないアタッカーを見ていて、「こうやればいいのにな」と思ったりもします。ということは、うらやましいんでしょうね(笑)。

三宅:僕は高校でアメフトを始めた当初は、クォーターバックというオフェンスの花形のポジションでしたが、1ヶ月でクビになり、次にやったランニングバックも1年で見切りをつけられました(笑)。その後に転向したディフェンスが自分に合っていたのかなと。脚光を浴びるオフェンスがいいなぁと思うことはたびたびありますが、そこはもう割り切ってディフェンスを頑張っています!

「選手たちからの話を聞くことを大切にしています」(ゼルバ 古家)

お互いに聞いてみたいことはありますか?

三宅:純粋に今、おいくつですか? 僕は今年36歳になります。

古家:僕は1974年9月生まれの44歳です。

三宅:練習などで年齢を感じることはありますか?

古家:あります…!普通の筋トレでは体力維持が無理になってきますね。瞬発力系のメニューを取り入れながらバランスよくやっていかないと、維持することだけでも難しいですね。

三宅:いつまで現役を続けられるか、悩ましいところですよね。何歳までやろうという目標はありますか?

古家:基本的にありません。今、チームの目標がVリーグに上がることですから、まずはそれを成し遂げてから自分のことを考えようかなと思っています。

三宅:僕は今年からコーチ兼任になったのですが、古家さんはいつから兼任職をやられていますか?

古家:兼任になって3年目です。最初は監督兼任でしたが、他に監督をやらせたい者がいたので、僕はコーチ兼任になりました。選手だけの立場だった頃は、バレーボールのことだけを考えていましたが、資格を取得しないと監督にはなれないので、資格取得のための講習を受けることで、他の競技の方とお話しする機会があって、バレーだけではない見方や考え方ができるようになったのはよかったですね。三宅さんはコーチ兼任になっていかがですか?

三宅:選手だけのときは練習が終われば、自分のペースで身体のケアをして帰宅できていました。でも、コーチ兼任となると、時間の使い方をより考えないといけなくなりましたね。

コーチとして選手を指導するにあたって、どんなことを意識しますか?

三宅:オービックシーガルズは、ほとんどが大学で活躍してから入団してくるので、ベースはできていますし、能力が高い選手ばかり。ですから個々の強みは消さないようにしつつ、オービックシーガルズがずっと大事にしているテクニックは、僕自身がずっとやってきたので伝えられる部分だと思います。伝えられることはしっかり伝えた上で、それぞれの選手が強みを生かせるような指導を心がけていきたいですね。

古家:千葉ゼルバは、いろいろなチームでプレーしてきた選手が集まっているチームです。同じ9m四方のコートの中でプレーすると言っても、それぞれ考え方が違いますから、そこはみんなで案を出し合って、練習方法から試合での作戦までみんなで考えて行っています。そこは良い部分ですから、まずは一度、選手たちの話を聞くことを大切にしています。

両チームはともにクラブチームで、選手のみなさんは普段は仕事をされています。練習時間が限られる中で、どのように工夫されていますか?

三宅:オービックシーガルズは、みんな平日が仕事で、集まって練習できるのは週末の土日しかありません。ただ、平日に集まれるメンバーだけで都内などに集まってミーティングをしたり、最近はコミュニケーションツールが多いので、映像を共有したりしています。ですから平日のサポートもコーチの仕事で、そういうところでしっかり準備した状態で、週末を迎えることが大切だと思っています。

古家:千葉ゼルバは水曜日と土曜日をチームの練習日として活動しており、やはり仕事や家庭があって、平日はほとんど集まれないという状況です。でも、バレーボールの利点は、毎日いろいろなチームがどこかの体育館でやっていますから、平日はそういうところで各自、個人練習をしています。アメフトは、全体での1回の練習時間はどれくらいですか?

三宅:フィールドに出るのは、だいた2時間半くらいです。その前にミーティングを約2時間、それ以上やることもあるので、ミーティングの方が実際の練習より長いですね。

古家:そこは全然違いますね。うちは3時間ずっとボールを使って練習しています。何かあれば、コートの中で話し合いながら進めています。アメフトは人数が多いですし、戦術ができていないと練習にならない部分があるのかもしれませんね。今、選手は全体で何人いらっしゃるんですか?

三宅:選手だけで80人近くいます。その中で登録されるのが65人、試合に出られるのが57人です。今、チーム内ではその登録枠入りを争っている感じです。千葉ゼルバさんは?

古家:選手は現在16人です。私は2012年から所属していますが、毎年、選手の入れ替わりは多いですね。

「ビビッてミスしたときのほうが、心の痛みを引きずります」(オービックシーガルズ 三宅)

お二人は練習以外で京葉線を使うことはありますか?

三宅:自宅が新松戸で、勤務先がスポーツ用品店で「ららぽーとTOKYO-BAY」内の店舗に顔をだすこともありますし、オフの日には海浜幕張に行くことも多いので、武蔵野線とともによく使っています。

古家:僕は埼玉県に住んでいて、京葉線はあまり使う機会がありません。すみません…(苦笑)。今後たくさん乗ります!(笑)

練習以外の時間をチームメイトと過ごすことも結構あるのでしょうか?

三宅:練習後に何人かで食事に行ったり、オフに軽く飲みに行ったりはしています。大人数なので、全体で動くことは少ないですね。

古家:アメフトのみなさんは、たくさん食べそうですね(笑)。

三宅:いや、案外そうでもなく、ディフェンスラインの身体が大きな選手はかなり食べますが、全体的には普通の人とそう変わらないと思います。ただ、よく一緒に食事に行くケビン・ジャクソンコーチは、「自分は少食です」というアピールをするのですが、1回に食べる量はたしかに少ないものの、1日6食ぐらい食べるので、全然、少食ではないです(笑)。バレーボールのみなさんは食べますか?

古家:うちはバレーボール選手とは言えない体格の選手も結構いまして。よく食べていると思います。その選手は、かなり横幅も目立っているんですけど(笑)。

お二人自身は、食べることに関しては若い頃と比べて変わってきていますか?

古家三宅:(声をそろえて)-変わってきました!

古家:まず量をたくさん食べられないようになってきました。

三宅:練習前は軽めの物を、練習後はしっかり食べるようにしていますが、寝る前に重い物を食べると、胃もたれしやすくなってきましたね(笑)。そういう意味では、トレーニングも変わってきました。若い頃はそれほどしっかりやっていなかったストレッチも、股関節周りを中心にかなり意識的にやるようになりました。

古家さんから三宅さんに聞いてみたいことはありますか?

古家:アメフトって、単純に痛い場面が多いですよね? バレーボールはコンタクトスポーツではないので、相手選手とぶつかる痛さはありませんから。

三宅:でも、バレーボールもスパイクを受けるのは痛いような気がしますが。アメフトは当たれば痛いは痛いのですが、僕の場合は身体の痛みより、ビビッて思い切りいけずにミスしたときの心の痛みの方が引きずります。だから、しっかり当たりにいけたときは、その夜の筋肉痛が「仕事ができた」と思えて気持ち良かったりします(笑)。あと実際、思い切り行かないと、逆に怪我をしやすくなりますし、痛みも大きくなりますね。

アメリカンフットボールとバレーボールでは、屋外スポーツと屋内スポーツという違いがあります。

三宅:冷房がない体育館もあるでしょうから、夏場は暑くて大変ではありませんか?

古家:バレーボールは基本的に夏がオフシーズンなので、真夏にプレーすることは多くありませんが、それでも暑い時期の冷房がない体育館の試合では、終わったらすぐに外に出るようにしています。最近の夏は大変ですね。それはアメフトのみなさんも同じでは?

三宅:ヘルメットを被ったりするのは大変ですが、練習時間を多少短くして、その中で集中してやるような対処はしています。

古家:おそらくアメフトのみなさんは外の暑さには慣れていると思います。僕たちは室内の暑さには慣れていますが、外の暑さはちょっと耐えられませんね。

「昔も今も常にバレーボールのことだけを考えています」(ゼルバ 古家)

お互いのスポーツや他の競技をやってみたいと思いはありますか?

三宅:バレーボールは今回、お話しさせていただく前からやってみたい競技の一つでした。トレーニングの一環で、みんなでサッカーをやることはあります。また、以前、ジェフさんのレディースチームと試合をしたこともあります。(早速古家選手にサーブを教えてもらいました!動画はこちら

古家:うちは、チームで他のスポーツをやることはありません。でも、体育館にはバスケットボールのリングがありますから、練習後にリングを狙ってシュートしたりして遊んでいる者はいますね。

三宅:そういうのは気分転換にもなりますね。

古家:気分転換というかリフレッシュという点では、練習後に5人前後で温泉、スーパー銭湯に行ったりしています。みなさんは行かれますか?

三宅:よく行きます。試合前に行くのが多くなりますね。そこで疲れを取るのもありますし、コミュニケーションがより図れるのは良いところだと思います。

リフレッシュ方法や気持ちの切り替え方というのは、若い頃と比べて変わりましたか?

三宅:独身の頃は、好きな釣りに行くことが多かったのですが、今は子どもと遊ぶ時間が多くなりました。

古家:釣りが趣味なんですか?

三宅:はい、釣って食べるのが好きなんです。福井に知り合いの漁師がいて、何度か漁を手伝わせてもらったことがあります。

古家:それはだいぶ本格的ですね。そうなると、もはや釣りではないですね(笑)。私は、競技と同じでインドア派なものでして、家の中で漫画を読んでいるのが好きです。今は『ハイキュー!』や『MAJOR』がお気に入りです。

三宅:オンとオフはそうして切り替えているのですか?

古家:切り替えに関しては、僕は昔も今も常にバレーボールのことを考えている気がします。というのも、いろいろな人を見て、良いところを自分に取り入れたいという考えがもともとあるので、普段の生活でもバレーボールにつながることはないかと探していますね。

三宅:他の競技も含めて、尊敬しているアスリートはいますか? 僕はサッカーのカズ選手です。ずっとサッカーをやっていて、本当は今でもサッカー選手になりたいくらいなんですが(笑)、自分も歳を重ねてきた中で、カズ選手は52歳になってもまだ一線で活躍されているのは、本当にすごいと思います。

古家:私は野球の…ここはロッテの選手を挙げるのが正解なんでしょうけれど(笑)、すみません、実は横浜DeNAベイスターズファンでして、3年前に引退された三浦大輔さんをずっと尊敬しています。プロの世界では、移籍という方法もありますが、1つのチームでずっと活躍するというのはそれだけでも大変ですし、チームやファンから求められているわけですから素晴らしいことですよね。

コーチとしての目標はどんなことですか?

三宅:今は日本一しか考えられないですね。ライスボウルは2011年から4連覇したものの、ここのところ勝てていません。4連覇を知らない選手が増えていく中で、若い選手たちに勝つ喜びや勝って得られるものを味わわせたいですね。ただ、ベテランの選手として率先してハードワークをしないと、コーチとしての説得力も出ませんし、今はまだ選手として活躍して日本一になりたい気持ちの方が強いです。

古家:目標としては各大会での優勝です。自分の場合は明らかに他の選手より衰えている部分がありますから、そこは選手としてのこだわりというより、みんなが活躍できるように支えていくという比重の方が大きくなっています。

最後に今回の対談の感想をいただければと思います。

三宅:イベントなどでご一緒することは何度かありましたが、こうして他の競技の方とゆっくりお話しする機会は初めてでしたから、とても良い刺激になりました。

古家:今回対談に備えて、オービックシーガルズさんのホームページを見せていただきましたが、「ワクワクするフットボールを」というチームミッションに親近感を覚えていました。千葉ゼルバも楽しくプレーすることをテーマにしているので。今回の対談でじっくりお話をさせていただきとても貴重な経験になりました。

プロフィール

三宅 剛司(みやけ たけし)
(オービックシーガルズ)

背番号 16
ポジション DB(ディフェンスバック)
生年月日 1983年7月12日
血液型 A型
身長/体重 182cm/78kg
ニックネーム タケ
出身地 大阪府城東区放出
経歴 大阪産業大学附属高校→立命館大学→オービックシーガルズ
実績 高校時代は3年連続で日本一。大学でも4年連続で甲子園ボウルに出場し、1年時から3年連続で大学日本一に輝いた。日本代表としても3度の世界選手権出場など、信頼度抜群の守備が光る。

古家 康隆(ふるいえ やすたか)
(千葉ゼルバ)

ポジション リベロ
生年月日 1974年9月13日
身長/体重 167cm/56kg
ニックネーム フルイエ
出身地 東京都世田谷区
経歴 千葉県立流山中央高校→淑徳大学→クラブチームNUDE→千葉ZELVA
   千葉県バレーボール協会理事 指導普及委員
実績 新日本スポーツ連盟全国大会優勝2回、準優勝3回。全日本実業団優勝など数々のタイトルを獲得してきた経験のあるベテラン選手。日本スポーツ協会公認コーチ3を取得しており指導経験も豊富。

中学時代はセッター、高校時代はライト、レフト、大学2年生からライトでレギュラーを獲得し、チームメイトの怪我等でセンターも経験したが、その後レフトでエースアタッカーとなる。 クラブチームからリベロとなったが、今まで様々なポジションを経験したことにより、守備から攻撃まで幅広く行える。
多年に渡り千葉県中学校女子バレー部やヤングクラブチームの指導経験も豊富にあるため、バレーボール教室等で的確な指導が出来る。
千葉ZELVA内のポジションは調整役と自負している。