脇田雅史
(オービックシーガルズ)
&
佐藤勇人
(ジェフユナイテッド市原・千葉)
6チームの注目選手や共通点を持つ選手・スタッフが、競技の枠を越えて様々なテーマでトークを行う、『京葉線プラス』限定のスペシャル企画「KEIYO TEAM6 クロストーク」。
第12回は、オービックシーガルズのグループ会社が新たに立ち上げたスポーツジム「VITA BASE(ヴィータ ベース)」にて、脇田雅史VITA BASE取締役兼オービックシーガルズアシスタントGM(以下AGM)が、昨シーズン現役を引退したばかりのジェフユナイテッド市原・千葉 佐藤勇人CUOを迎えて、地域での活動や今後のビジョンについてお伺いしました。
番外編でジムの紹介もあります!
※マスクを着用のうえ対談を実施いたしました。
──さっそくですが、地域とスポーツのつながりについての思いを聞かせてください。
脇田:オービックシーガルズは2003年から本拠地を習志野市に移したのですが、「する・みる・ささえる」というスポーツとの関わり方の中で、「みる」は秋津(第一カッターフィールド)でのホームゲームで実現できているのですが、「する」の部分に対してもう少しできることがないかなとずっと考えていました。市民の皆さんに、一緒にアメフトしましょうって言うほど気軽なスポーツではないですし(笑)。そこで思ったのが、アメフトはポジションによって投げる・蹴るなど異なる動きをするため、トレーニングや練習内容もポジションによって全然違います。コーチやトレーナーには、それらすべての動きに対応する幅広いノウハウがありますし、怪我に対しても処置の仕方からリハビリまで、いろいろなケースに対応できるノウハウがあります。それを活かして、スポーツを「する」機会を提供したいと考えて作ったのが、このVITA BASEです。習志野市をはじめ千葉県のみなさんが、生き生きと笑顔で暮らしていけるための健康インフラになりたい、そんな思いがベースにあります。
佐藤:素晴らしい取り組みですね。ひとつの思いを形にするまでやり続けるというのがどれほど大変なことか。自分もスタッフになった今は日々それを感じているのですが、それを形にした、実現したというのは本当にすごいことです。それに、これだけの施設なら地元の方にもすごく喜ばれること間違いないですね。KEIYO TEAM6のメンバーにこんなに頼もしいクラブがあるなんて、これからの活動がますます楽しみになりました。ワクワクします!
──佐藤さんは選手からCUO(クラブユナイテッドオフィサー)に就任されました。
これからどんなことに取り組んでいきたいと考えていますか?
佐藤:クラブユナイテッドオフィサーということで、クラブと地域を、クラブとファンを、クラブと選手を、などみんなをもっともっと、つないでいきたいと思っています。
チームは常に勝敗に左右されてしまうのですが、一つの街にスポーツのクラブがあるということを街の人たちみんなが喜んでくれるようなクラブになりたくて、そのための取り組みをしていきたいです。まずは知ることが重要だと考えています。地域が求めていることはなんなのか、自分たちにできることはなんなのか。それを知ることからはじめています。
脇田:クラブユナイテッドオフィサーに就任されてどんな役割でどんなビジョンを抱えていらっしゃるのかと気になっていました。将来的にこんなことをやってみたい、とかありますか?
佐藤:そうですね、まずはもっともっと地域密着を強化していきたいですね。そのためには選手たちも含めて地域との交流を持たせて何かを一緒に創り上げていきたいです。
蘇我・千葉から日本へ、そしてアジアにも目を向けて「アジアの中の千葉」として認知されるようなクラブにしていきたいです。
脇田:アジア!広いですね。
佐藤:はい、せっかく千葉県には成田空港や東京ディズニーリゾートという外国から多くの方が訪れる大きな施設があるので、千葉をもっと多くの方に知ってもらいたいです。それに、千葉にはスポーツチームが多くあります。京葉線沿線だけでも6チームも国内トップリーグ所属のチームがありますので、スポーツの千葉としてのアプローチももっとしていくべきだと思っています。
脇田:ジェフさんは今もいろいろな取り組みをされていますが、さらなる発展が楽しみですね。ジェフさんは勝敗に関わらずたくさんのお客さんが入る、それはジェフさんの大きな強みですよね。羨ましい限りですが、目下の課題としてはどんなことがあるのでしょうか?
佐藤:コアなファンの方はどんな成績でも応援してくださる。それは古河電工サッカー部の頃からの歴史が作ってきたもので、それは自分たちの大きな誇りです。でも、だからといってそこにすがってはいけないと思っています。甘えてはいけない、というか。それと、過去の強かったジェフを何かと引き合いに出しているようでは次に進めないと思っています。これからどうしていくのかに目を向けていかないといけないですね。
──過去の話になってしまいますが、それぞれ印象的だった監督(ヘッドコーチ)のお話を聞かせてもらえますか?
佐藤:やっぱりオシム監督ですね。はじめはびっくりしましたよ。厳しい監督が来るとはきいていましたけど、来てみたら無愛想で全然笑わない。常に怒ってるし(笑)。練習もすごくハードだし、スケジュールも出してくれないし、不安にもなりましたね。
だけど、オシムさんの放つ言葉はすごく強くて自分たちを奮い立たせる物がありました。クラブに対しても、すごく厳しい要求をしているところも衝撃的でした。それに全員がひっぱられて同じ方向を向いて進むようになりました。
そして今の尹 晶煥(ユン ジョンファン)監督も、同じように厳しい側面を持っていると感じています。選手たちの意識水準をより高めるために、いきなり早朝トレーニングを組み込んだ3部練習をやったりしてインパクトがありました。
脇田:前身の企業チーム「リクルートシーガルズ」時代のことですが、私が98年に加入したときにヘッドコーチをしていたデイビッド・スタントという名物コーチが印象的ですね。チームを日本一に導いてくれた人です。オシムさんとは逆で、普段は陽気なハワイアン。アメフトに関しては、注ぐ思いや熱量、割く時間もすごくて、選手へ求めてくるレベルももちろん高い。この人についていけば日本一になれるんじゃないかと思わせてくれました。高校や大学でそれなりに厳しい環境でやってきていましたが、次元が違いましたね。合宿中に3部練をやったりもしました。夜ご飯食べてからのナイター練習。疲れが溜まっている時だったので、辛かった…。この人と日本一になりたい、この人を日本一にしたいと思うようになった。そんな思いを、佐藤さんのお話を聞いていて思い出しました。
──そのような厳しい監督(ヘッドコーチ)が来た時に、はじめはびっくりすると思うのですが、どこでそれが信頼に変わるものでしょうか。
佐藤:結果です。自分にとっては、結果しかないです。良い監督だなと思ってもあまり結果が出ないということもありますが、そういうときはそれまでだと思います。
脇田:サッカーって監督の入れ替わりが割とありますよね。オービックシーガルズは、所属選手が引退して、ヘッドコーチになる流れが続いているので、デイビッドの後任の大橋ヘッドコーチも、デイビッドのもとでプレーしていた人物。なので、チームのカルチャーはあまり変わらないのですが、サッカーの場合は180度違う考えの監督が来てしまうことがあると思うと、選手は緊張感が高いでしょうね。ところで佐藤さん、アメフトは観たことありますか?
佐藤:もちろん!って言ってもテレビで、ですが。アメリカのテレビで観たときはびっくりしました!地元の人たちのクラブに対する思いも深いし、地元のチームの試合の日はテレビの前にかじりついてビールを飲みながら、ひとつひとつのプレーに一喜一憂して、しかも翌日は街の人達の話題が試合のことでもちきり!Jリーグはここまでではないですからね。
脇田:アメリカでは馴染みがあるスポーツですからね。日本だと「アメフトはルールが難しい」と思われがちですが、馴染みがないから難しく見えてしまうだけなんじゃないかな。だって、そんなに難しかったら、アメリカでスーパーボウルの視聴率50%なんてことにはならないと思うんです。
佐藤:確かに!きっと、誰でも楽しめる要素があって、それをみなさん見つけていらっしゃるんでしょうね。サッカーの場合はまだそこまで全世代に根付いていないところがあるのでしょうね。
脇田:アメフトや野球は、プレーの間が途切れるので、その間に飲んで喋ってということができる競技の特性もありますね。サッカーは、ハーフタイム以外、基本的に途切れないので、音を出して応援したり、静かにじっくり観たり、別の楽しみ方がありますね。
佐藤:一緒にアメフトを観たアメリカの方たちには、アメフトは点が入るから盛り上がるけど、サッカーはなかなか点が入んないから疲れちゃうって言われちゃいました(笑)。
脇田:アメフトの決勝は、東京ドームでやっているので、ぜひ一度観戦にいらしてください。決勝まで行けるように選手たちに頑張ってもらうので。
佐藤:そういうときにはぜひKEIYO TEAM6のイベントとして、各チームのサポーターたちが自分の応援しているチームのユニフォームを着て応援に行く企画とか面白そうですね!
──おふたりとも長く同じチームに関わっていらっしゃいますが、佐藤さんは一度移籍をされて戻っていらっしゃいましたね?
脇田:一度移籍したけどまたジェフさんに戻った、そこには何があったんですか?
佐藤:そうですね、中1の頃からいたクラブなので、ジェフに対する思いはやっぱり強いものがあって。
脇田:中1からってすごいですよね。。。でも、高校時代に一度サッカーから離れてしまった時期もあったそうですね?
佐藤:あの頃は、100%でサッカーと向き合うことができなくなってしまったんですよね。ボールを蹴るよりも別の友達とつるんで他愛もないことで笑うことがたのしくなってしまったり。
脇田:まだ高校生の頃で、その時期は親御さんも心配されたのでは?
佐藤:そうですね、心配はしていましたが今思うとあの時期があって良かったと思っています。プロになってから、お子さんがサッカーを辞めたいと言っていると悩んでいる親御さんから相談を受けたこともありました。でも、僕は、サッカーから離れたことでよりサッカーへの熱が上がりましたし、もしもその時間に中途半端にサッカーを続けていたとしたら、自分に対してもチームメイトに対しても失礼だったと思います。その方にもそうお伝えしました。
脇田:ひとつのことを続けることの美徳のようなものもありますが、ひとつのことだけ、ひとつの場所にいることで視野が狭くなってしまう部分もありますよね。うちの選手もいろんなことをしている選手のほうが、長く現役を続けている傾向はありますね。シーズン終わって突然「ダイビングのライセンスを取りたい」と海外へ行ってしまったけれど、半年もしないうちに「やっぱりアメフトしたくなっちゃった」と帰ってきた選手が40歳ぐらいまで現役やっていたり、一級建築士の資格を取るために数年アメフトをやらずに、戻ってきて42,3歳まで続けたり。アメフトだからそうやって出たり入ったりができる部分はあるかもしれませんが、その時その時に、自分が熱量を注げるところに行くというのは大切ですよね。離れるときの怖さを優先しない、というのも大切なのかなと今のお話を聞いていて思いました。
──それでは最後に、KEIYO TEAM6で今後やってみたいことばあれば教えて下さい。
佐藤:TEAM6だけではなくクラブでもですが、SNSの活用ももっとしていきたいですね。
スポーツ選手はスポーツだけをしていればいい、という風潮を感じることもあるのですがそれではあまりにももったいない。まずは、やれることは行動に移したいと思います。
脇田:そうですね、やりたいと思うことは勢いとスピード感を持ってやっていきたい。
つい最近まで、選手としてピッチの上で瞬時に色んな判断をしながらプレーをしていた佐藤さんがスタッフになったというのは大きいですよね。
佐藤:ハードルはありそうですが、TEAM6で大運動会とかやってみたいですね。TEAM6じゃないとできなそうですしね!
脇田:そうそう、そういうTEAM6でしかできないことってたくさんあると思うので、地域の方たちが楽しめるイベントをたくさんやっていきたいですね。
佐藤:これからもよろしくお願いします!
VITA BASEは、スタッフ全員がパーソナルトレーナーとして活動できるだけの研修を受けているのでトレーニングの相談、ストレッチなど相談に乗ってくれます。
マシンは、日本人の体型でも使いやすい仕様になっています。
アスリートコーナーではトレーニングをするオービックシーガルズの選手の姿が見られることも。プロアスリートのトレーニングにも十分な設備が揃っています。
佐藤CUOはやはり芝が気になり人工芝の材質などを詳しく聞いています。ゴムチップ不使用の特別な加工をした、ふわふわの人工芝になっています。
芝スペースは、縦に約55ヤード(約50メートル)。日本にこんな空間ないですね!プログラムによってはボールの使用も可能です。
こだわりの女子ロッカー!鏡の女優ライトでびっくりするほどクリアに映ります。シャワーブースの数の多さ、棚の多さなどでも女性のニーズを満たしています。
男子トイレのおむつ替えシートや、託児サービス(6月スタート予定)もあるので、お子様連れの親御さんもご安心を。かゆいところに手が届くとはこのこと!
また、本文中のふたりの対談風景写真の後ろに写っているのがVITA CAFE。
脇田AGMがこだわりのコーヒーを入れてくれることも。
施設は新習志野駅の目の前なのでアクセスも良く、手ぶらで来て汗を流して、VITA CAFEでお腹も満たして帰ることができちゃいます。
ぜひ公式サイトをチェックしてみてください!
http://vitabase.jp/