王林と行く!津軽の魅力をギュッとお届け「ツガル ツナガル」14市町村の旅王林と行く!津軽の魅力をギュッとお届け「ツガル ツナガル」14市町村の旅

叫びたくなる思い「津軽のことをもっとたくさん知ってほしい!」

王林さんと巡る青森・津軽14市町村の旅も今回で最終回。残るエリアは五所川原や鰺ヶ沢といった津軽地方の北西部・奧津軽です。津軽の中でも荒々しい自然や秘境があり、伝統的な文化や習慣が残るエリア。奥津軽でしか味わえないような体験や地元の人ですら知らなかったりすることなど、魅力がたくさんあります。どこか異国のような雰囲気すら漂う奥津軽へ向かう王林さん。一体どんなことを紹介してくれるのでしょうか。

巨大な立佞武多に、レトロな津軽鉄道

立佞武多
つがにゃんつがにゃん
立佞武多の館では3体の立佞武多を目の前で見ることができる

「青森ねぶた祭」「弘前ねぷたまつり」と並ぶ青森を代表する夏祭り、「五所川原立佞武多(たちねぷた)」。高さ約23メートルの巨大な山車が最大の特徴で、祭りの時はまるで巨人が歩いているように街中を運行します。大迫力の五所川原立佞武多を通年で展示しているのが「立佞武多の館」。祭りのときは見上げることしかできなかった山車と同じ目線に立てたり、高いところから見下ろしたりすることができます。王林さんも大興奮!「立佞武多は子どもの時によく見に来ていました。掛け声が青森と弘前とも違い、『ヤッテマレ!ヤッテマレ!』なんですよ」と身振りを加えて話してくれました。

津軽五所川原駅
レトロな駅舎にファンも多い津軽五所川原駅
車窓
車窓に流れる景色はまるで異国のよう

次に王林さんが訪れたのは津軽鉄道。「津鉄(つてつ)」の愛称で知られる本州最北の私鉄です。奥津軽の貴重な移動手段で、ストーブ列車や「走れメロス」号といった季節のイベント列車が有名。全国から多くの観光客が訪れます。今回、王林さんが乗車したのは一般車両で、下校途中の高校生たちがたくさん乗っていました。王林さんは「地元に根付いた列車っていいですよね」と笑顔。レトロな車内の雰囲気に、車窓に流れるどこか懐かしい景色は異国情緒に溢れます。王林さんは「四季折々の奥津軽の景色を車窓から見てほしいので、いろんな季節に来てほしい」と力強くアピールしていました。

「あげたい」を食べる王林さん
おいしそうに「あげたい」を食べる王林さん

「五所川原で紹介したい食べ物がある」と王林さんが持ってきたのは「あげたい」。名前から想像できる通り、たい焼きを揚げたもの。日持ちするようにと、たい焼きを揚げてみたのが始まりなんだとか。今では高校生たちが学校の帰りに食べるおやつにもなっています。王林さんは「おいしくて何匹でも食べちゃいそう。私は頭からいっちゃいます」と、ペロリと完食していました。

データ

  • 立佞武多の館
  • 住所:青森県五所川原市大町506-10
  • TEL:0173-38-3232
  • 営業時間:9:00〜17:00(立佞武多展示室)
  • 定休日:1月1日
  • HP:http://tachineputa.jp
  • あげたいの店 みわや
  • 住所:青森県五所川原市字上平井町99
  • TEL:0173-34-2064
  • 営業時間:9:00~18:00
  • 定休日:第1・第3日曜

今にも動き出しそうな「しゃこちゃん」と、青森の「千本鳥居」

しゃこちゃん
王林さんの到着を待ちわびていたかのように目を光らせるしゃこちゃん

どどーんと王林さんの後ろに立っているのは木造(きづくり)駅の「しゃこちゃん」こと、遮光器土偶のモニュメント。五所川原市の隣にある「つがる市」は、国の重要文化財に指定された縄文時代の遮光器土偶が発掘された場所です。街にはさまざまな場所に遮光器土偶のオブジェがあり、一番大きいのがこの駅のモニュメント。高さは約17メートル、立佞武多にも劣らない存在感です。そして、このモニュメントには秘密が…なんと列車が到着する時間になると目が光るのです。王林さんが到着した時もちょうど点灯。さすが!持ってますね、王林さん!

千本鳥居
千本鳥居を背に「今年も来ることができた」と満足げな様子
王林さん
ちぃ、やぁ、かぁ、しぃちぃ、やぁ、かぁ、しぃ
テンションがあがり元気いっぱいの王林さん

木造駅を後に北へ車を走らせること約30分。王林さんがパワースポットとして一推しの髙山稲荷神社があります。約800年前に創建されたと伝わる由緒ある神社で、何といっても竜のように鳥居が連なる「千本鳥居」は一見の価値あり。王林さんは毎年、友達と一緒に遊びに来ているんだとか。「写真にも映えるから津軽に来たらぜひ来てほしい。絶対に損はさせません」と笑顔でアピールしていました。

データ

  • 木造駅
  • 住所:青森県つがる市木造房松

王林さんが初めて見た国宝級のステンドグラス

ステンドグラス
廊下にある円窓の間は、十三湖をモチーフに描かれている

次に向かった中泊町の「宮越家離れ」は、王林さんが初訪問。それもそのはず、宮越家離れや庭園は2020年から一般公開を始めたそう。100年近くもの間、持ち主の家族ですら入ることができなかった建物で、人目に触れることがほとんどなかったと言われています。近年の学術調査の結果、高級建材が惜しげもなく使われていることや日本のステンドグラスの第一人者であった小川三知(さんち)の最高傑作ともいえる大正浪漫あふれるステンドグラスなどが再評価され、注目され始めています。

詩夢庵
庭の景色とステンドグラスが見せる美しさ

「詩夢庵(しむあん)」と名付けられた宮越家離れには、非公開を含む3つのステンドグラスがあり、「涼み屋敷の間」にある4枚のガラス障子には花木が描かれています。庭の景色と重なり、日本庭園の技法「借景(しゃっけい)」をステンドグラスで表現した、まさに芸術作品。四季を表現するステンドグラスの美しさに息を呑む王林さん。「津軽にまだこんな魅力的な場所があるなんて。すごすぎます」と驚いていました。

データ

  • 宮越家離れ(詩夢庵)
  • 住所:青森県北津軽郡中泊町尾別玉の井
  • TEL:0173-57-9030
  • 特別公開期間:5月19日(金)~21日(日)
  • ※詳細はお問い合わせください。
  • HP:https://www.town.nakadomari.lg.jp/section/miyakoshi/

鰺ヶ沢のヒーロー「わさお」とローカルフード

わさおの銅像
わさおの銅像と王林さん。

わさおは、「ブサカワ」の代名詞で知られた秋田犬です。鰺ヶ沢の顔として長年にわたって活躍していましたが、残念なことに2020年に他界。旅立ってしまったわさおの雄姿を後世に伝えようと「海の駅わんど」の駐車場内に銅像が設置されました。王林さんは「わさお」に会ったことがあるそうで、当時の面影そのままの銅像に抱きつき、「久しぶり!」と声をかけていました。

チキンボー
つがにゃんつがにゃん
ワンハンドで食べやすく食べ歩きにもぴったりなチキンボー

鰺ヶ沢のローカルフードと言えば「チキンボー」。わさおが生んだローカルフードと言っても過言ではありません。串に刺さった鶏肉を揚げてマヨネーズなどで味付けて食べる、ファストフードのようなもの。わさおがよくテレビで共演した故・志村けんさんが散歩の帰りに食べていたことから人気に火が付きました。「注文してから揚げるからアツアツ。マヨネーズとの相性がバツグンです」と王林さんもご満悦。

データ

  • 海の駅わんど
  • 住所:青森県西津軽郡鰺ヶ沢町本町246-4
  • たこやき西海
  • 住所:青森県西津軽郡鰺ヶ沢町舞戸町下富田29-115
  • TEL:0173-72-5937
  • 営業時間:10:00〜17:00
  • 定休日:水曜

日本海の荒波を感じる海岸で決めポーズ

王林さん
岩がごつごつしていることになぜか喜んでいた王林さん
王林さん
実はかなりの強風に吹かれましたが…決めポーズ!!

旅の最後に訪れたのは深浦町。青森の日本海側にあり、コバルトブルーが鮮やかな青池や水平線に沈む夕日が望める温泉、日本一の大きさを誇るイチョウの木といった観光スポットがたくさんある町です。王林さんが向かったのは千畳敷海岸。国定公園に指定された隆起海岸で、五能線を走る「リゾートしらかみ」は散策の時間を取って長めに停車します。「兜岩」や「大仏岩」といったさまざまな形の岩肌に伝説や言い伝えがあり、じっくり散策することをオススメしたいところですが、そうは簡単にいかないのが日本海。この日はとにかく嵐のような強風で、王林さんも座り込んで岩につかまるほど。それでも最後はポーズを決めて「津軽最高!」と叫んでいました。

データ

始まりがあれば終わりがあるもので、王林さんと巡った、津軽をつなぐ旅はここまで。旅といっても王林さんにとっては地元。地元の魅力を余すことなく十分に紹介できたのかと言えばそうでもないようで、まだまだ物足りない様子。「おいしい食べ物や美しい景色、津軽ならではのアクティビティなど、紹介したいことがいっぱいありすぎて選びきれなかった!青森のありすぎる魅力はテレビやネットだけじゃ伝えきれないので、一度だけじゃなく何度も来て体験してほしい。私もまだまだ知らないことがあったし、津軽のことをもっと知りたくなりました」と、語り尽くせない思いが溢れていました。王林さん、ありがとう!また津軽の旅を楽しみましょうね。

記事作成:工藤健(文・写真)

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