黒石市の中心市街には、江戸時代からほぼそのままの形で残る「中町こみせ通り」があります。豪雪地帯の通路を確保する「生活の知恵」によって造られた、いわゆるアーケードです。道路の両サイドにある通路のようなアーケードを歩けば、200年以上続く酒蔵や商家があり、タイムスリップした気分で街あるきが体験できます。王林さんはこの雰囲気にテンションが上がりっぱなし。「どこから撮っても絵になっちゃう場所なんです」と話しながら撮影をしていました。フォトスポットとしてもお気に入りの場所みたいです。
王林さんと巡る青森・津軽14市町村の旅。第3弾は、古い木造の街並みが残る黒石市、津軽のリンゴ農家の文化を発信する平川市、田んぼアートで世界が注目する田舎館村、温泉だけじゃない大鰐町のローカルフードの4本立てです。市や町、村によってさまざまな魅力がたくさんある青森・津軽。王林さんの青森愛を紹介する旅はまだまだ続きます。
黒石市の中心市街には、江戸時代からほぼそのままの形で残る「中町こみせ通り」があります。豪雪地帯の通路を確保する「生活の知恵」によって造られた、いわゆるアーケードです。道路の両サイドにある通路のようなアーケードを歩けば、200年以上続く酒蔵や商家があり、タイムスリップした気分で街あるきが体験できます。王林さんはこの雰囲気にテンションが上がりっぱなし。「どこから撮っても絵になっちゃう場所なんです」と話しながら撮影をしていました。フォトスポットとしてもお気に入りの場所みたいです。
2020年、中町こみせ通りにオープンした手作り雑貨店「IRODORI(いろどり)」は、ねぷた絵を使った「うちわ」や「灯篭ランプ」の販売や製作体験ができる新スポットです。店内には作品が並び、まるで「ねぷた」を鑑賞しているような気分に。王林さんは「青森では『ねぶた』や『ねぷた』と言いますが、黒石は「ねぷた」。ねぷた絵を再利用したうちわやランプはオシャレで、インテリアにもいいかも」と真剣に品定めをしていました。
黒石市へ行くには弘南鉄道弘南線がおすすめです。弘前駅から黒石駅まで約30分。地元住民たちの欠かせない移動手段として、通学や買い物に利用されています。「弘南線は津軽平野の田園風景や岩木山を車窓からのんびり見ることができて、ノスタルジックな雰囲気も味わえるんです」とおすすめのポイントを話してくれた王林さん。4月以降には季節ごとに地域の食を楽しむことができるお座敷列車がスタートするので、ますます楽しみが増えそうです。
津軽地方には「バーベキュー文化」があります。「にぐ(肉)やるべ」といった津軽弁で誘い、リンゴなどの農作業が落ち着いたタイミングや、家族・親戚、地域の人たちが集まる時に、倉庫や家の庭などでワイワイとバーベキューに興じる習慣があるのです。そんなバーベキューに着目して地元の肉を「平川サガリ」と命名。平川市の若い人たちを中心に研究会が発足しました。王林さんが訪れたのは、創業70年の老舗「水木精肉店」。肉の品ぞろえや品質の良さから、近隣の市町村からもお客さんが集まる人気店です。
王林さんは水木精肉店で肉を選んだ後、アットホームな地域の人たちと交流しながら焼いた肉を食べることに。店の車庫でバーベキューに参加しました。王林さんも手際よく網の上で焼いていました。「お肉ホントおいしい。おにぎりもおいしい。ずっと食べていたい」と言いながら王林さんはいつまでも食べ続けるのでした…
「田んぼアート」は田んぼをキャンバスに見立て、色の違う稲を植えて作ります。田舎館村では村おこしとして1993年から映画やアニメ、絵画といったさまざまなテーマを田んぼアートにしてきました。近年は田舎館村を参考に、各地で田んぼアートが行われるようになりましたが、田舎館村の田んぼアートは遠近法が用いられ立体的に見えることが特徴。その正確さと緻密さは見る人を毎年驚かせています。昨年の「モナリザ」は、20年前にも挑戦したテーマで、技術の進化が分かると話題を集めました。王林さんは「津軽の観光で見てもらいたいものの一つ!」と語り、毎年のように田んぼアートを見に来ているそうですよ。
田舎館村には、五能線と奥羽本線が交差する川部駅があります。川部駅は五能線の終点駅。津軽の西海岸を走る五能線は、日本海の絶景を堪能することができ、観光列車「リゾートしらかみ」も有名です。川部駅は奥羽本線から電車がスイッチバックして五能線に向かうため、鉄道ファンも多く訪れるとか。王林さんは「川部駅はよく通った奥羽本線の駅。いろいろな人が乗り降りする様子をいつも見ていました」と昔を振り返っていました。
約800年の歴史がある大鰐温泉は、温泉街だけでなくスキーやリゾート地としても知られています。王林さんも友達と一緒に遊びに来るそうですよ。大鰐町で王林さんが紹介してくれたのは「大鰐温泉もやし」。大鰐温泉もやしは温泉水を使って栽培する地域の伝統的な品種です。約30センチもある長さが特徴で、シャキシャキの食感と土の香りがするような風味が感じられます。大鰐駅のすぐそばにある「大鰐町地域交流センター鰐come」の「お食事処花りんご」では、大鰐温泉もやしを使った「どんぶり」や「しゃぶしゃぶ」のようにゆがいて食べる「大鰐温泉もやししゃぶしゃぶ御膳」がおススメ。
大鰐町の街中には、足湯や公衆浴場があったり、古い商店があったりするため、街あるきをするだけで楽しめる発見や魅力があります。一方で若い人たちが開いたカフェや個性的な店もあるので、ぶらりと散策するだけでも一興。大鰐町のシンボル的な公園「茶臼山公園」は5月〜6月になると約1万5000本ものつつじが咲き、訪れる見物客を楽しませます。王林さんは「休みがあったら大鰐の温泉宿に泊まりたい!」と話していました。
津軽4市町村を巡った今回の王林さんの旅。「王林が紹介できたのは一部だから、絶対に現地まで足を運んで見て食べた方いい」と力強く宣言していました。旅の途中では「テレビ見ているよ」「応援しているよ」といろいろなところで声をかけられることが多かった王林さん。そろそろ疲れが見え始めるかと思ったら、むしろ元気になっているかも。もしかして青森愛を充電している? 「青森でもっと仕事がしたいな」と青森愛を全開にして次の目的地へと向かうのでした。
記事作成:工藤健(文・写真)