津軽エリアには農作物を保存していた蔵が今も多く残り、その活用方法もさまざま。弘前公園近くにある日本料理店「なる海」は、築約200年の蔵を改修した店舗が特徴です。津軽の食材を活かした懐石料理や地酒を楽しむことができます。「おまかせ」の懐石料理は、丁寧な手仕事で、次々と出てくる津軽の味に、王林さんは舌鼓を打ちました。地元の日本酒もおいしくいただき、「津軽の食材って本当に贅沢なんです」とご満悦でした。
王林さんと巡る津軽14市町村の旅。今回向かったのは弘前市を中心にりんごの生産が盛んな5市町村です。りんごを使ったお酒やスイーツ、新名物から津軽のローカルフードまで、王林さんと一緒に紹介します。
津軽エリアには農作物を保存していた蔵が今も多く残り、その活用方法もさまざま。弘前公園近くにある日本料理店「なる海」は、築約200年の蔵を改修した店舗が特徴です。津軽の食材を活かした懐石料理や地酒を楽しむことができます。「おまかせ」の懐石料理は、丁寧な手仕事で、次々と出てくる津軽の味に、王林さんは舌鼓を打ちました。地元の日本酒もおいしくいただき、「津軽の食材って本当に贅沢なんです」とご満悦でした。
王林さんが弘前市でオススメするものといえば、アップルパイとシードル。弘前市には青森県産りんごを使ったアップルパイだけを紹介する「アップルパイガイドマップ」があります。紹介する店は弘前市内だけで約40店舗。味だけでなく、形や使う品種も店によって違い、提供店もカフェや和菓子店など多種多様。食べ歩きする人も年々増えているのだとか。王林さんは「弘前駅は、朝から出来立てアップルパイを食べることができるから、『朝ップルパイ』する人がいました!」と新しい発見を教えてくれました。
シードルはりんごを使ったお酒。もともと弘前市には日本で初めてシードルを作った醸造所があり、近年津軽エリアにはさまざまな醸造所が生まれ、クラフトシードルが次々と誕生しています。弘前駅にある「BRICK A-FACTORY」では、シードルを買うこともその場で飲むことも可。お好みのシードルを選んでみてはいかがでしょうか。王林さんは「ジュースみたいに飲んじゃいそうです」と話していました。
次に王林さんが向かったのは弘前市に隣接する藤崎町。藤崎町はりんごの王道品種「ふじ」が生まれた町でもあります。前回チラッと紹介したりんごの形をした木は藤崎町にあります。地元のりんご農家さんが「町に新しい観光地を作りたい」と10数年前に作ったのが始まり。サワラの木を剪定し、りんごの形をキープするために定期的に手入れをしているとか。今ではフォトスポットとして人気があります。
藤崎町で今注目を集めているのは「りんご飴(あめ)」。地元で収穫したりんごをまるごと1個使ったスイーツです。国道7号線沿いにある直売所「ふじさき食彩テラス」に専門店がオープンしたばかり。ふだんから食べ親しんでいる地元の人たちにも「改めてりんごのおいしさを実感してほしい」と作ったそうです。王林さんは「りんごがとても新鮮で、シャキシャキのりんごとパリパリにコーティングされた飴の食感と甘さがクセになります」と絶賛。一口また一口と止まらないおいしさでした。
板柳町は藤崎町の北隣にあり、日本一の「りんごの里づくり」を目指しています。ジュースやジャムなどの加工品が人気です。「りんごワーク研究所」では、完熟のりんご100%のりんごジュースを飲むことができます。りんごジュースは品種だけでなく、ブレンドやブレンドの仕方によっても味が変わるという奥が深い飲み物。王林さんも「子どもの頃からよく飲んでいたりんごジュース。青森のりんごジュースは濃くて大好きです」と話していました。
鶴田町のシンボル「鶴の舞橋」は、日本一の長さを誇る木造三連太鼓橋。青森県産ヒバを使い、全長は300メートル。津軽富士見湖と岩木山と鶴の舞橋が揃う姿は絶景です。季節によってさまざまな表情を見せ、渡るだけでなく、見る人も楽しませてくれます。王林さんは「鶴田町は、鶴のオブジェがたくさんあって、丹頂鶴を公園で飼っていたり。とにかく鶴推しの町が好きです」と笑顔で語っていました。王林さんは鶴の方が気になったようです…。
鶴田町の名物といえば、「道の駅つるた 鶴の里あるじゃ」にあるびっくりパン。その大きさにびっくりするというパンで、規格外の大きさのパンが店内に並びます。通常の3〜5倍もある大きさから、地元民だけでなく観光客も買うようになりました。大きさや見た目だけでなく、そのおいしさも人気の理由です。
そして鶴田町の新しい名物は「ワイン」。鶴田町はスチューベンの生産量が日本一で、全国の8割を占めています。スチューベンが生まれたニューヨークと同じ緯度のため気象条件が似ていて、栽培に適していることから生産が始まりました。鶴田町で収穫したスチューベンを使ったワインを醸造する「ワノワイナリー」は、地元の生産者が作った醸造所。店内のカフェスペースではワインの試飲ができます。「移動中に立ち寄って休憩するお店として最適かも。もちろんドライバーさんは飲んではいけません!」と言いながら王林さんは、しっかり飲み比べていました。
世界自然遺産・白神山地がある西目屋村。青森県では一番小さな村ですが、大自然の恵みをさまざまな形で活かし、自然と共生するアイデアが次々に生まれています。王林さんが食べたソフトクリームは、「道の駅津軽白神」の屋上で採取されたハチミツをトッピングできるのが特徴。「絶品スイーツ」と笑顔がこぼれる王林さん。
ダムカレーは津軽平野の水源「津軽白神湖」をモチーフにしたカレーです。量だけでなく見た目でも味わえる一品です。
昼と夜の寒暖差が大きい西目屋村では、良質なそば粉が作れます。西目屋村産蕎麦粉を使った「白神そば」はのど越しが良く、王林さんはペロリと完食しました。間伐材を活用した炭で焙煎したコーヒーも西目屋村だからこそ。王林さんは「山からの大切ないただき物を活かす考えは、西目屋村に古くからいたマタギの文化が今も根付いているからかもしれない」と話していました。
津軽エリアの5市町村をまわった王林さん。「本当にたくさん紹介したいことばかりなのです」と、まだまだ物足りないようです。りんごはもちろんですが、四季がはっきりしている津軽エリアでは旬の食材やその時期しか食べられないローカルフードもあります。「大好きな青森に来て、ぜんぶ食べてほしい!」と、食べて飲んで大満足の王林さんでした。
記事作成:工藤健(文・写真)
※2023年1月31日現在の情報です。