王林さんが最初に推すのは岩木山。岩木山は青森県で一番高い独立峰。標高は1625メートル。青森県の西部に位置し、津軽エリアであればどこからでも見ることができるほどの高さを持ちます。見る場所によって山の表情が変わることから、津軽エリアに住む人たちには自分の好きな岩木山の角度があり、「自分が好きな岩木山が一番美しいと思っている」といった地元ネタがあるほど。王林さんは「いつもそこにいてくれる、母のような存在です」と紹介します。
「青森を紹介する仕事と聞いて楽しみにしていました! 青森をまわる仕事は久しぶりなんです」。テレビや雑誌、新聞などで、今や見ない日がないほど、全国に名前が知れ渡っている王林さん。「東京には住みたくない」と公言し、青森愛を全国にアピール。自身のインスタグラムでも積極的に青森を紹介し、青森の魅力をSNSで発信しています。王林さんは弘前のご当地アイドル「りんご娘」として約10年間活動しましたが、2022年3月に卒業。卒業後は、青森に生活の基盤を置き、東京に通いながら仕事をしています。「青森を紹介することは家族を紹介するみたいです」と王林さん。今回は青森県津軽エリア14自治体を舞台に開催する津軽観光キャンペーン「ツガル ツナガル」を一足早く王林さんに体験してもらう旅。旅立つ前に、まずは王林さんの青森愛を聞いてみました。
王林さんが最初に推すのは岩木山。岩木山は青森県で一番高い独立峰。標高は1625メートル。青森県の西部に位置し、津軽エリアであればどこからでも見ることができるほどの高さを持ちます。見る場所によって山の表情が変わることから、津軽エリアに住む人たちには自分の好きな岩木山の角度があり、「自分が好きな岩木山が一番美しいと思っている」といった地元ネタがあるほど。王林さんは「いつもそこにいてくれる、母のような存在です」と紹介します。
岩木山をご神体とする岩木山神社は、岩木山中腹に位置する建立1200年以上の歴史がある。王林さんは何か新しい挑戦をする時や気持ちに迷いがあった時は、岩木山神社を参拝するそう。「お山さまに手を合わせると気持ちがすっきりしたり、何か背中を押されたりするような気持ちになります」。まさにパワースポット。津軽に住む多くの人たちも王林さんのように参拝に訪れるほか、毎年旧暦の8月1日には「お山参詣」という岩木山を集団参拝する行事があります。地元では暮らしに密接し、古くから親しまれています。「リンゴミュージックの社長も月一くらいで通っていると聞いています(笑)」とポロリという王林さん。
岩木山神社は見どころがたくさん。岩木山の山頂を目指すように作られた参道。その先には岩木山神社のシンボルとも言える国指定有形文化財の高さ18メートルの楼門。手水舎(てみずや)は、その右手にあり、3つの竜の口から神水が噴き出ています。神水は岩木山からの湧水であることもポイント。通年で冷たく、その冷たさから自然と気持ちも引き締めてくれます。取材日は真冬日だったにも関わらず、王林さんはしっかりと手を清めてから参拝しました。
青森県といえば、日本一の生産量を誇るリンゴの産地。津軽エリアでは街から離れるとすぐにリンゴ畑が広がり、収穫シーズンになれば、真っ赤なリンゴがたわわに実る津軽ならではの景色が広がります。残念ながらそんな絶景は収穫シーズンのみですが、津軽地域にはリンゴをいつでも感じることができる、リンゴの形をしたオブジェが各地にあります。弘前駅を出てすぐあるのは「リンゴのポスト」。
そのほか、ガードレールやカーブミラー、マンホールなど、さまざま。リンゴの形に手入れされている木もあります。見事なリンゴ型は地元でも有名で、度々話題を集めるフォトスポットです。「リンゴの形って本当に好きなんです。ぜひ津軽エリアを巡って『リンゴ』を探してみてください」と王林さん。
全国各地にご当地ラーメンはありますが、津軽地方にあるご当地ラーメンは「煮干し」です。もともとは焼き干しでそばなどの出汁を取っていた習慣が、「煮干しラーメン」の根付いた一因になっているとも言われています。津軽エリアでは、あっさりとした中華そばからこってりとした濃厚な煮干しラーメンまで、多種多様な「煮干しラーメン」を食べることができます。王林さんは「青森はカップ麺の消費量が日本一(※)。ラーメンをよく食べる県民性があって、王林も津軽地方のいろんな店でラーメンを食べています」と話します。
※総務省の家庭調査では青森市のカップ麺消費量は全国1位
王林さんが今回食べたのは弘前にあるラーメン店「煮干結社弘前」の「煮干番長」。王林さんは普段、みそラーメンを好んで食べるようですが、この日は煮干しの香りに誘われ「煮干番長」を完食。「煮干しの香りが苦手な人もぜひ挑戦してほしいです。青森にはたくさんの独特な食文化が根付いているんです。王林も大好きです」と王林さん。
岩木山神社を訪れた時、参道を歩いていた王林さんに声を掛けてきた参拝客がいました。「昨日、王林ちゃんのことを考えていたら、今日、こんなふうに出会うことができた。とってもいい出会い。岩木山のおかげだ」。王林さんの気持ちもほっこりする出会いでした。そんな津軽のあたたかさを感じる王林さんの旅が始まります。
記事作成:工藤健(文・写真)
※2023年1月17日現在の情報です。