これまで58回の全国制覇を誇る高校バスケットボール界の名門「能代工業高等学校(現:能代科学技術高等学校)」があることから、能代市は「バスケの街」として広く知られています。現在、2022年に公開された映画「THE FIRST SLAM DUNK」に登場する秋田県代表のチーム「山王工業高校」のモデルが能代工業高校と言われている影響もあり、国内外から多くのバスケットボールファンがこの地に訪れているのです。
2022年公開の映画「THE FIRST SLAM DUNK」に登場するチームが高校バスケ界の強豪「能代工業高等学校(現:能代科学技術高等学校)」をモデルにしていることから、近年多くのファンが訪れていることで話題の〈バスケの街・能代〉をご紹介します。
これまで58回の全国制覇を誇る高校バスケットボール界の名門「能代工業高等学校(現:能代科学技術高等学校)」があることから、能代市は「バスケの街」として広く知られています。現在、2022年に公開された映画「THE FIRST SLAM DUNK」に登場する秋田県代表のチーム「山王工業高校」のモデルが能代工業高校と言われている影響もあり、国内外から多くのバスケットボールファンがこの地に訪れているのです。
バスケの街・能代を語る上で欠かせない存在なのが、高校バスケ界の強豪「能代工業高等学校(現:能代科学技術高等学校)」。昭和8年に創部され、昭和42年度の埼玉国体で全国初制覇を成し遂げて以来、これまでにインターハイ(高校総体)22回、国体16回、ウインターカップ(選抜)20回を通算して全国優勝を58回、インターハイ7連覇や3年連続全国3冠といった輝かしい歴史から、全国にその名を轟かせるバスケットボールの名門校です。
強豪・能代工業高校バスケ部の礎を築いたのは、故・加藤廣志監督。昭和35年に監督に就任し、平成2年に退任するまでの30年間で全国優勝33回を達成するという偉業を成し遂げました。加藤廣志監督の有名な言葉が「平面は立体を制する」。高さの不利をスピードで打ち勝つという平面バスケットボールをテーマに、オールコートのゾーンプレスからの速攻スタイルは、能代工業高校の伝統スタイルとして多くのバスケットボールファンを魅了し、高校バスケの一時代を築き上げました。 加藤廣志監督の引退後に引き継がれた加藤三彦監督は、スピードとコンビネーションをテーマとしチームを育成。平面バスケットボールを基盤とすることは変わらず、速攻と3ポイントシュートを組み合わせた戦術は、“能代工業ファン”をさらに惹きつけました。 そして平成10年には、日本人初のNBAプレイヤーとしても活躍した田臥勇太選手を擁するチームが史上初の高校9冠を達成。社会現象を巻き起こしたほどの鮮烈な記録と記憶は、時が経った今なお色あせることはありません。
“能代工業ファン”をはじめ、多くのバスケットボールファンに惜しまれながらも能代工業高等学校は2021年4月に能代西高等学校と統合し、「秋田県立能代科学技術高等学校」と学校名が変更に。名称の変更に伴い、新たにバスケットボール部の総監督に就任したのは、小松元さん。「自分は能代工業のOBでもないので、就任が決まった時は現実の世界じゃないようなプレッシャーを感じました」と話すことから、旧能代工業高校バスケットボール部の監督を務めることへの重圧が伝わってきます。「能代工業時代からの伝統である堅守速攻の〈走るバスケ〉がベースなことは変わらず、時代に合った新しいスタイルを取り入れながら指導をしています」と、2024年9月現在は1、2年生の部員26名がウインターカップ(選抜)へ向けて日々練習に励んでいます。
小松総監督のほかに、ヘッドコーチを務めている長谷川 聡さん、アシスタントコーチの遠田 貴大さんの3人体制で指導にあたっています。長谷川ヘッドコーチは能代工業高校が1980年に選抜、インターハイ、国体と、三冠達成時のスタメン選手だったと言います。また、遠田アシスタントコーチは能代工業高校最後の卒業生。高校生に最も近い存在として、親身になって日々生徒たちの指導にあたっています。能代科学技術高校の日常の練習風景は、体育館2階の観覧席から見学することができます。キュッキュッと鳴り響くバッシュの音や、バスケットボールが跳ねる音…。長谷川ヘッドコーチの指導の下、素早いパス回しやシュート練習をする26名の部員たちからは、とてつもない緊張感が伝わってきました。新しい「能代科学技術高校のバスケットボール」を作るために日々前進を続ける高校生たちの姿を見に体育館へ足を運び、〈能代のバスケットボール〉を肌で感じてみてはいかがでしょうか?
能代市には全国的にも珍しい、バスケットボールに特化したミュージアム「能代バスケミュージアム」があります。2012年5月開館、2020年6月に現在地に移転し、「能代工業高等学校(現:能代科学技術高等学校)」をはじめ秋田ノーザンハピネッツ、NBAなどバスケットボールに関する資料を幅広く展示しているんです!
能代市のバスケの街づくり推進担当の諸澤さんは、「能代市のバスケの街づくりは平成元年からスタート。能代市総合体育館の建設や公園にバスケットリングを設置したり、いつでもどこでもバスケットボールができるような環境を整えてきました。そして、平成24年からは〈能代市バスケの街づくり推進計画〉に基づき、今までにやったことのない取り組みをしよう、ということから、能代バスケミュージアムを開設。この施設を拠点にバスケの街づくりを活性化させていこうという想いで運営してまいりました」と話します。
館内に足を踏み入れると、バスケットボールに関する書籍や選手のサイン、バッシュなど、ミュージアムにある多種多様な展示物が所狭しと並んでいて、「バスケの街」ならではの展示の数々は、眺めているだけでも胸の高鳴りが止まりません。ほぼすべてがバスケファンからの寄贈品で、その数今やなんと2万点にも登るそう。館内は能代工業高校や秋田ノーザンハピネッツ、NBAなどジャンルごとにコーナーが分けられ、受付でスタッフの方にお願いをすると展示物についての説明をしてくれるので、展示をより楽しむことができちゃいますよ♪
また、2022年に公開された映画「THE FIRST SLAM DUNK」の影響が来館者数に表れていると言います。「令和3年度までは年間の来館者数が4,000人程度でした。令和4年の冬にスラムダンクの映画が公開され翌年の1月〜3月にファンを中心に徐々に訪れる人が増えて、初めて来館者数が5,000人を突破したんです。そして令和5年度は映画の勢いそのままに、16,460人もの方が訪れてくれました」と、諸澤さん。
館内には、バスケットボールに関する雑誌や書籍、コミック、大会プログラムなど、累計5,000冊を超える寄贈品の中から一部を展示。中でもバスケットボールの専門誌である「月刊バスケットボール」は1973年の創刊号から最新号まですべて揃っているほか、日本バスケットボール協会が1940年に発行した「バスケットボール」など、貴重な資料が多数あり、〈バスケ図書館〉と言っても過言ではありません。どれも自由に読めるので、時間を忘れて読んでみてはいかがでしょうか。
バスケの街・能代には、市内の至る所にバスケットボールをモチーフにしたオブジェやアート作品などが散りばめられています。さまざまなバスケモチーフを探しながら巡れば、能代市の街歩きがもっと楽しくなるはずです♪「能代バスケミュージアム」には、バスケモチーフがある場所を記したマップがあるので、そちらを参考に探してみてくださいね。
街中がバスケットボールで溢れている能代市。ファンはもちろん、今までバスケに触れてこなかった人も、この街に来ればきっとバスケが好きになるはずです。ぜひ一度〈能代のバスケットボール〉の今と歴史を肌で感じる旅に出かけてみませんか?
記事作成:あきたタウン情報