太古の昔から犬は人間のパートナーであり、良き理解者であったという説があります。日本犬のワンオーナー(主人は一人)という特性が顕著と言われている秋田犬。信頼を得ると親密な付き合いができるという愛らしい気質も魅力です。人間との強い絆を育んだ「忠犬ハチ公」の故郷・大館市が、秋田犬発祥の地とされています。
大きくてふわふわな毛並みに、くるんと巻いた尻尾。太くて長い脚で堂々と立つ姿は凛々しく、つぶらな瞳と立ち耳がなんとも愛らしい…!そんな秋田犬と、見学やふれあいを通じて親しめるスポットを紹介します。
太古の昔から犬は人間のパートナーであり、良き理解者であったという説があります。日本犬のワンオーナー(主人は一人)という特性が顕著と言われている秋田犬。信頼を得ると親密な付き合いができるという愛らしい気質も魅力です。人間との強い絆を育んだ「忠犬ハチ公」の故郷・大館市が、秋田犬発祥の地とされています。
大館市には、日本で唯一の秋田犬の博物館を有する「秋田犬会館」があり、その中に世界中の秋田犬を管理する「秋田犬保存会」の本部が構えられています。保存会は秋田犬の繁栄・保存を目的に、その魅力を発信。血統書の発行、品評会の開催などを行い、ブリーダーや秋田犬を飼っている人など約3,000名が会員となっています。
「国内の少子高齢化や人口減少により、秋田犬の頭数を増やしていくのは難しいですね。今の時代に合わせて、SNS等で秋田犬に関心を持っていただき、日本の天然記念物であることを知ってもらえたら。その中から、飼っていただける人が少しでもいたら良いなと思います」と話すのは、秋田犬保存会の事務局長・庄司さん。
小型犬ブームである日本とは対象的に、近年は海外、特にヨーロッパで秋田犬が人気だそう。秋田犬の魅力について伺うと、「人に対しては静かで穏やかなので(笑)、スローライフを一緒に楽しめるところ。一緒に居て過ごしやすく、自然な形で付き合えます」。体形はもちろんのこと、その気質も、もうたまりません!
「展覧会といえば、ブリーディングをしている人だけが楽しむ場所でしたが、最近はキッチンカーを呼んで一般のお客様にも集まってもらい、秋田犬を見ていただく環境づくりをしています」と笑顔を見せてくれました。会館では設立時からもう50年近くも秋田犬の展示・見学を行い、現在3頭の秋田犬を1F事務所で見学できるんです。
「タイミングが合えば、一緒に散歩に行けるかもしれませんね」と話すように、ワンちゃんたちは朝・昼・夕と近所の桂城公園辺りを散歩するそう。会館の2F・3Fに入ると、秋田犬に関する資料の展示がズラリ!秋田犬の知識を深める有意義な時間を過ごしながら、散歩のタイミングを待ってみるのも良いかもしれません。
30年ほど前から秋田犬を販売する能代市の「能代幸寿荘」。「秋田犬保存会」の本部展では幼犬、若犬、壮犬、成犬のクラスがあり、日本一である一席を14回受賞、成犬A組(4歳以上)だけに授与される秋保名誉章を3回受賞するなど、名誉章犬を多数作出する秋田犬ブリーダー・本瀬さんのもと、自然環境の中でのびのびと育つ秋田犬とふれあえます。散歩もできる、犬好きなら思わずニンマリの濃厚な体験に注目です。
犬舎を訪れると子犬に出会えることも!その好奇心旺盛な姿は見ていて飽きません。「私が目標とする虎毛の毛色で、なおかつ骨格がしっかりとした秋田犬を後世に残したい。このオスとメスを交配するときっとこういうのが生まれるというのを想像することの積み重ねで難しさはありますが、成長過程を見るのも面白さのひとつです」。
犬舎にいるのは子犬から成犬まで20頭ほど。ブリーダー歴40年近くの本瀬さんは、「オーナー(飼い主)のためにいい犬を作出しないといけないプレッシャーがある」と話すように、犬を大切に世話する犬中心の生活を送っています。犬舎の様子はSNSで発信しているので、お目当ての犬を見つけてから訪れてみるのもオススメです。
秋田犬の「温(はる)」「華(はな)」の母娘に会えるアットホームな温泉宿として話題の大館市「ふるさわおんせん」。宿も親子(姉妹)3人で切り盛りしています。予約制の日帰りふれあいプランがあり、美肌の湯に浸かる入浴とのセットや、自慢の「きりたんぽ鍋」とのセットなどで、宿の魅力をとことん満喫できるのがうれしいです。
泊まりに来ていたお客様から「秋田犬を見る機会がない」と言われ、大館に居ても日常的にふれあうことがほとんどないと気づいた常務の佐々木さん(姉)。それがきっかけで自身で飼いたいと思うようになり、ブリーダーによく話を聞いたところ、子どもを育てるような気持ちで愛情深く、厳しく育てなさいと言われたそうです。
佐々木さんが温に出会ったのは10頭目くらい。「温の時は特別だった。ビビビ!ときて、『絶対この子がいい!』って思いました」と、飼うことを決めた時のエピソードを優しい眼差しで話してくれました。生まれて3カ月の頃から看板犬として過ごし、初めはたまたま訪れた先で秋田犬に会えたとお客様に珍しがられたそうですが…。
今では県外からのリピーターが多数!毎年1回は必ず訪れる人や年7回も通う人など、家族のように2頭に会いに来てくれます。また、年間約6,000人が訪れ、写真を撮っていくのだとか。ドリンクとセットの気軽なふれあいプランも人気ですが、趣ある湯船に浸かる入浴とのセットで心から癒される体験をしてみるのはいかがでしょうか。
動物の仕草に癒やされることはたくさんありますが、秋田犬はまさに「百聞は一見に如かず」。実際に会うと、言葉には表せない秋田犬こその魅力に気付けます。モフモフで心も“あたたかい”幸せに満たされる旅に出かけましょう。
記事作成:あきたタウン情報