秋田県鹿角市をお腹いっぱい堪能します!秋田県鹿角市をお腹いっぱい堪能します!

鹿角市のおすすめしたいお食事、お土産をご紹介!

鹿角市には全国から注文が入る名店がたくさんあります!今回は3店舗をピックアップしてお店の歴史やおすすめの商品を紹介します!

きっかけは曽祖母の副業。創業108年の老舗豆腐店「奈良亀」

奈良亀
あきおあきお
創業108年の老舗豆腐店「奈良亀」外観

秋田県鹿角市の商店街を花輪スキー場方面へ抜けたところに、1915年創業の老舗豆腐店「奈良亀」があります。もともと米屋でしたが、曽祖母が副業として始めた豆腐屋が繁盛したのをきっかけに営業が始まりました。
現社長の奈良正意さんは4代目で、「豆腐本来の味」を多くのお客さまに伝えるため、創業以来の伝統を残しつつ新たな取組みを始めています。
2022年4月から機械での豆腐作りは行わず、全て手作りに移行しました。手作りの豆腐はスーパーなどには卸さず、工場併設の店舗で販売していています。取材中もお客さまが豆腐を買いに来ていました。1人ひとりのお客さまに丁寧に接する姿やお客さまの笑顔から、長い間地元の方を中心に多くのお客さまに愛されてきたお店だと感じました。

今も美味しい豆腐だけど、、、日々進化する奈良亀の豆腐

奈良亀
奈良亀
奈良亀
(奈良亀提供)全て手作業で行われる豆腐作り

奈良亀の豆腐作りは長い間機械で行われていましたが、2022年4月から手作りに移行しました。機械で豆腐を作っていた頃から手作りの豆腐を作っていたこともあり、漠然と「なんとかなる。」と奈良社長は思っていましたが、試行錯誤の日々が続きます。
満足のいく豆腐ができたと思ったときに失敗したり、逆に失敗したと思った豆腐が意外とうまくできていたりしました。原因不明の成功や失敗をしていく中で、少しずつ豆腐作りのヒントを得てきました。
手作りに移行して1年と数か月が経ちますが、まだまだ試行錯誤しています。奈良社長は自身の豆腐作りの出来を50点と評価しています。「毎日ミスなく安定して満足できる豆腐が完成できれば100点。職人は一生修行と言いますが、まさにこういうことなんだな。」と奈良社長は話します。これからも奈良亀の豆腐は進化し続けるようです。

豆腐本来の風味を味わってもらうために

奈良亀
(奈良亀提供)豆腐本来の風味が楽しめる1日20食限定の豆腐定食(700円税込)
奈良亀
奈良亀
(奈良亀提供)ワークショップでは以前使用していた豆腐作りの機械の見学や自分で作ったできたての豆腐が食べられます

「多くのご家庭で豆腐を食材として活用する機会は多いのですが、豆腐をそのまま食べていただき、豆腐本来の味も楽しんでもらいたい。」と話す奈良社長。豆腐作りを手作りに移行した数か月後に豆腐定食の提供と寄せ豆腐作りのワークショップを始めました。
豆腐定食は寄せ豆腐の他、春~秋は冷奴、冬は湯豆腐の食べ比べができ、豆腐本来の甘味や風味の違いが楽しめます。
毎週土曜日に開催しているワークショップでは寄せ豆腐作りを行っていて、できたての豆腐が食べられます。また、以前使用していた豆腐作りの機械も見学でき、子どもから大人まで多くのお客さまに楽しんでいただけます。

美味しい手作り商品がいっぱい!

奈良亀
奈良社長がイチ推しと話す寄せ豆腐。そのまま食べても甘味があって美味しいです。
奈良亀
奈良亀
それぞれ特徴があるドーナツ。チュロスもあります。全種類制覇してみては。
奈良亀
その他にも手作りの商品がたくさんあります
奈良亀
(奈良亀提供)不定期でお店に並ぶ「大豆ミートの豆腐から揚げ」。見つけたお客さまはラッキーかも

工場では豆腐の他、こんにゃく、ところてんも手作りし販売しています。また、おからを活用したドーナツも作っていて、併設する店舗で購入が可能です。その中でも奈良社長のイチ推しは「寄せ豆腐」で、「汁物との相性は抜群ですが、シンプルに醤油をかけて食べても豆腐の甘味が感じられておすすめです。」と奈良社長は話します。
おからを活用したドーナツはプレーン、りんご、枝豆の3種類から選ぶことができます。過去には抹茶やゴマ、いちごのドーナツも作り限定販売していましたが、おからのもともとの風味を生かせるのが現在商品化されている3種類でした。ドーナツと食材の風味が程よく感じられます。
この他にも「大豆ミートの豆腐から揚げ」が、不定期で販売されていますので見つけた際はぜひ手に取ってみてください。

データ

  • 老舗豆腐店 奈良亀
  • 住所:秋田県鹿角市花輪字下花輪76
  • TEL:0186-23-2516
  • 営業時間:10:00~18:00(店内飲食は11:30~14:00、ワークショップは毎週土曜日13:30~14:30)
    ※ワークショップは事前の予約が必要です。
  • 定休日:木曜日
  • URL:https://narakame-toufu.jimdofree.com/

ここでしか買えないスイートポテト

すいーとぽてと青の木
「すいーとぽてと青の木」内観。有名人のサインや手紙が飾られています
先代の青木さん
先代の青木さん。青木さんとの会話を楽しみに来店するお客さまも多くいます。
スイートポテト
左からM,L,LLのスイートポテト。見た目もインパクトがあります(M 1,190円、L 1,360円、LL 1,530円全て税込)
千葉県成田産のさつまいも
様々な品種を試して、千葉県成田産のさつまいもにたどり着きました

JR鹿角花輪駅から徒歩5分のところにスイートポテト屋さんがあります。もともと和菓子屋の職人だった先代の青木さんが独立し、1995年に鹿角市の商店街に「すいーとぽてと青の木」をオープンしました。「お菓子屋はライバルも多いし、たくさんの種類の商品を作るとなると人件費もかかる。個性があるもので勝負したい。」という青木さんの思いもあり、スイートポテトをメインに営業をしています。
スイートポテトと聞くとどれくらいの大きさを想像しますか?青の木のスイートポテトはさつまいもを1本使用していて直径15cmほどあり、その見た目もインパクトがあります。
オープン当初は今より小さいスイートポテトも作っていましたが、「もう少し大きいスイートポテトを作り、お客さまに満足してもらいたい。」と言う青木さんの気持ちから現在のサイズになりました。
多くの有名人もお店を訪れていて、店内にはサインや手紙が飾られています。また、お店にはスイートポテトの購入はもちろんですが、青木さんとの会話を楽しみに来店するお客さまも多いんだとか。スイートポテトもさることながら、青木さんの人柄も多くのお客さまに愛されています。

個性を大事にして生み出された「青の木」の商品

いも饅頭
つがにゃんつがにゃん
(すいーとぽてと青の木提供)人気商品の1つ「いも饅頭」。(145円税込)

「すいーとぽてと青の木」の看板商品は「スイートポテト」ですが、「いも饅頭」や予約販売の「さくら餅」もファンが多い商品です。どちらの商品もスイートポテトと同じさつまいもで作られています。スイートポテトを作る際に余るさつまいもの欠片や形の悪いさつまいもからさつまいも餡を作り、さくら餅の餡や饅頭の皮と中身になります。他のお店では不要な部分として処分することが多いのですが、青の木では手間をかけて全ておいしく食べられるように工夫しています。
さくら餅は予約販売のため事前予約は必須。スイートポテトやいも饅頭も閉店時間前に売り切れることがあるので、事前の予約をおすすめします。

これからも続く「青の木」のスイートポテト

阿部さん(左)と青木さん
阿部さん(左)と青木さん。これからも変わらぬ味でスイートポテトをお客さまに提供します

長年、お店を支えてきた青木さんは、高齢のためお店の跡取りを探していました。そこに地元鹿角市出身の阿部さんがお店に興味を持ち、2023年1月下旬頃からお店で修行を重ねていました。10月からは阿部さんが店主となり仕込みや準備等を行っています。
実は阿部さんの前にもお店に興味を持った方や「首都圏で販売するのでレシピを売ってくれないか。」という相談はあったそうです。青木さんは、この場所(鹿角市)でこれからもスイートポテトを提供したいと考えていたので、阿部さんが来てくれて、ひと安心です。とは言え、しばらくは青木さんも店舗に顔を出して、仕込みや準備等を手伝います。「今年から修行を始めたので、仕込みのスピードはまだまだ。手伝いをしながら教えられることは教えるが、まだまだ慣れてほしくない気持ちもある。」と笑顔で話す青木さん。阿部さんの1人立ちが待ち遠しい反面、長年、大事に続けてきた青木さんから寂しさが伝わってきました。

データ

  • すいーとぽてと青の木
  • 住所:秋田県鹿角市花輪上花輪132
  • TEL:0186-23-7899
  • 営業時間:10:00~18:00(売り切れ次第終了)
  • 定休日:日曜日

鹿角市のホルモン文化

ホルモン幸楽 花輪本店
「ホルモン幸楽 花輪本店」外観
ホルモン幸楽 花輪本店
「ホルモン幸楽 花輪本店」内観(別棟には座敷席が多くあります。)
ホルモンと牛バラ
ホルモンと牛バラ。ホルモンを注文するとキャベツと豆腐がセットでついてきます。キャベツや豆腐、ホルモンの味付けに使用するタレの醤油や味噌などは秋田県産にこだわっています。(ホルモン1人前380円税込)

「ホルモン幸楽」は、昭和26年に中島社長の祖母が始めた食堂からスタートしました。翌27年にはホルモンの提供を始め、食堂が始まって6年後の昭和32年に現在のホルモン幸楽花輪本店の場所に移転しました。
当時、鹿角市にはホルモンを食べる習慣はありませんでしたが、ホルモンの提供を始めたところお客さまの評判が良く、ホルモンが地域に根付くきっかけとなったそうです。
ホルモンの味付けは韓国料理のプルコギをヒントにしました。食べ方も最初はプルコギを作る浅い鍋の活用や、焼く方法も検討しました。しかし、ホルモンのタレとキャベツの水分が混ざり、汁気が多くなることや大人数で食べられることなどからジンギスカン用の深鍋を活用しました。
実はこの鍋、現在は、鹿角市の家庭に1つはあると言われています。それほど地域に根付いた食文化となっています。

全国にファンが多い幸楽のホルモン

ホルモン
あきおあきお
ホルモンを入れてキャベツをのせ、周りに豆腐を敷き詰めます
ホルモン
タレをキャベツにかけながら煮込みます
ホルモン
たくさんのお客さまをとりこにする幸楽のホルモンの完成です
ホルモン
残ったタレにうどんを入れるのもおすすめです

鹿角市には、銅などの金属が採取され終戦後の日本の経済成長を支えた尾去沢鉱山があります。鉱山で働く出稼ぎの労働者たちは、幸楽のホルモンを食べて日々の労働に精を出していました。出稼ぎの労働者たちが鉱山での労働を終えて地元に帰り、「鉱山の近くにおいしいホルモン屋があった。」と幸楽の名とホルモンの味を広め、全国にファンができるきっかけとなったようです。
また、鹿角市にはアルペン、クロスカントリー、ジャンプが1つのエリアで開催可能な花輪スキー場があり、インカレ、国体などスキー競技の主要な大会も開催されます。そのため、スキー関係のお客さまからも幸楽の名前は全国に広まったようです。
近年はメディアで紹介されることもあり、ますます全国のファンが多くなっています。すぐに鹿角へ来られない時は、郵送での全国発送も受付けているので、ご自宅で幸楽のホルモンをお楽しみください。

ホルモンが苦手な方でも、、、幸楽のホルモンは美味しく食べられます!

中島社長
小さい頃からホルモンを食べて育った中島社長。体の数%はホルモンでできていると言います

全国にホルモンを取扱うお店は多いのですが、幸楽では新鮮なホルモンを活用し、ホルモンの洗い方や仕込みにこだわることで他店と差をつけています。「ホルモンは作ろうと思えば簡単に作れるけど、しっかり洗わないと臭みの無いおいしいホルモンはできない。ただ、洗いすぎると油が落ちておいしくないのでバランスが大事。」と中島社長は言います。何回も試行錯誤を重ね、今の洗い方、仕込み方にたどり着きました。
 幸楽にはホルモンが苦手な人向けに焼肉(牛バラ)のメニューもありますが、幸楽のホルモンを一口食べると「他のホルモンは苦手だけど、幸楽のホルモンは臭みがなくて食べられる。」というお客さまもいると話す中島社長。ホルモンが苦手な方も一度は試してみてはいかがでしょうか。

データ

  • ホルモン幸楽 花輪本店
  • 住所:秋田県鹿角市花輪字堰向5
  • TEL:0186-23-3736
  • 営業時間:9:00~22:00(ラストオーダー 21:30)
  • 定休日:なし(年末年始営業時間不定)
  • URL:http://www.ink.or.jp/~hkouraku/kouraku.html

写真を見たり文章を読んでいるだけでお腹がすいてきた方も多いのではないでしょうか。そんな方はぜひ鹿角名物をお腹いっぱいご堪能ください!また、他にも名店がたくさんあるので、ぜひ一度鹿角市を訪れてみては。

記事作成:JR東日本秋田支社

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