大鰐温泉もやしは、長さ40cmほどの大鰐地域でしかとれないもやしで、大豆もやしとそばもやしの2種類があります。豆もやしは「小八豆(こはちまめ)」という大鰐でしかとれない在来種を、そばもやしは階上早生(はしかみわせ)という青森県で生まれた在来種を使って作られます。
最大の特徴は、加熱しても損なわれないシャキシャキとした食感。水耕栽培のもやしに比べて、カルシウムや鉄分、ビタミンなどが豊富です。冬期でも栽培でき、栄養価の高いもやしは、古くから冬が長い津軽地域の人々にとって、たいへん貴重な野菜でした。
大鰐温泉もやしの歴史は古く、今から約350年ほど前の江戸時代にまで遡ります。文献によると、弘前藩3代藩主 津軽信義公が大鰐を訪れた際にもやしを食べ、そのおいしさに衝撃を受け、広めたとされています。つまり、現地の住民たちはその前から当たり前に食べていたということ。一説では「800年以上の歴史があるのではないか」とも言われるほど、大変歴史のある野菜なのです。