通過型から「滞在型」の観光地へ!ワインで秋田県小坂町を盛り上げます!通過型から「滞在型」の観光地へ!ワインで秋田県小坂町を盛り上げます!

小坂町の観光拠点へ!地域に根ざす小坂七滝ワイナリー

小坂七滝ワイナリーは秋田県の最北部に位置する小坂町にあります。小坂町を広く知ってもらえるよう、ワインを中心とした様々な取組みに力を入れています。小坂七滝ワイナリーのこれまでの歩みと今後の展望をご紹介します。

葡萄栽培の歩み

小坂七滝ワイナリーの自社農園
きりたんぽちゃんきりたんぽちゃん
(小坂七滝ワイナリー提供)
小坂七滝ワイナリーの自社農園

秋田県小坂町と言えば1990年に閉山した小坂鉱山のイメージが強い地域ですが、昭和63年(1988年)頃から「葡萄の里づくり事業」の一環で葡萄栽培を開始しました。この頃の小坂町は、産業の中心を鉱業からリサイクル産業へと転換しており、環境対策として植樹されたアカシアと併せて、SDGsの先駆け的な取組みが始まった時期でもありました。
小坂町における葡萄栽培は、十和田湖の噴火により堆積した火山灰が重要なポイントになりました。火山灰が含まれた土壌は水はけがよく、品質の良い葡萄を栽培するのに適していました。
ワイナリー自体は2017年にスタートしましたが、その前から、小坂産の良質な葡萄は隣県の岩手県、山形県の他、福井県などにも出荷されていました。

ワインツーリズムで小坂町を滞在型観光地へ!

セラードア七滝
(小坂七滝ワイナリー提供)
小坂七滝ワイナリーに隣接するワイン販売所「セラードア七滝」
ホテル小坂ゴールドパレス
(小坂七滝ワイナリー提供)
小坂七滝ワイナリーのワインの飲み比べができる「ホテル小坂ゴールドパレス」

小坂七滝ワイナリーでは、葡萄収穫体験などを活用したグリーンツーリズムや、葡萄畑・ワイナリーを一度に見学するワインツーリズムによる「滞在型観光」を小坂町と連携して推進しています。
例えば、十和田湖は多くのお客さまが訪れる人気の観光スポットですが、その十和田湖から車で30分の立地にある小坂七滝ワイナリーにも立ち寄ってもらえるよう、ワイナリーのガイド付き見学や試飲・販売などの実施、ワインの宣伝に力を入れています。また、十和田国立公園ではコロナが流行してから特に人気となっているキャンプを楽しむお客さまが多く、公園から小坂七滝ワイナリーに訪れていただけるような取組みも検討しています。
ワインツーリズムでは、ワイナリーや葡萄畑の見学の他にも周辺地域の食とコラボしたワインのテイスティングに力を入れています。前職で飲食店に勤務していたワイン作り担当の成田さんは、ワイン作りの際に「食との相性」を特に意識しているそうです。小坂町の桃豚、十和田湖ひめますの他、かづの短角牛、比内地鶏など、小坂町周辺には美味しい食が多く揃っており、そういった地域の資源を活かしたワインのテイスティングをしています。
小坂七滝ワイナリーの近くには、セラードア七滝(小坂七滝ワイナリーに隣接するワイン販売所)と同じ種類のワインがあって、飲み比べができる「ホテル小坂ゴールドパレス」もあります。宿泊と併せて小坂ワインをお楽しみください。

山葡萄系品種を活用したワイン作りへの挑戦

小坂七滝ワイナリーのワイン
小坂七滝ワイナリーのワイン
とうじくんとうじくん
(小坂七滝ワイナリー提供)
それぞれ違った味わいを楽しめる小坂七滝ワイナリーのワイン

秋田県は全国の中でも年間日照時間が短いこともあり、小坂七滝ワイナリーでは欧州系のワイン葡萄品種ではなく、冷涼で日照時間が短い地域でも栽培できる山葡萄系品種を活用してワイン作りをしています。このようなワイナリーは珍しいそうです。
成田さんは、「山葡萄系品種を活用したワインは、渋みが軽くさわやかな酸味が特徴で飲みやすく、普段ワインを飲まない方でも飲みやすいワイン」だと言います。
小坂七滝ワイナリーでは現在、赤・白・ロゼを合わせて15種類ほどのワインを製造しており、それぞれに違った特徴があります。セラードア七滝では試飲も可能で、自分の好みに合う商品を購入できる他、「こんな料理に合うワイン」や「こんな風味で」とイメージを伝えると、要望に沿った商品を提案してもらえます。ぜひ実際に足を運んでみてください。

多くの方の思いが込められた「ワイングランド」

ワイングランド
(小坂七滝ワイナリー提供)
成田さんイチ推しのワイングランド(1本2,200円税込)。

日本に古くから自生する山葡萄は病気に強くたくましいうえに栄養価が豊富で、濃厚な色素が特徴です。しかし、粒が小さく一粒からわずかな果汁しか採れないことや、収穫までに6年(一般的な葡萄の約3倍)かかるという課題もありました。そのため、安定的な生産が可能なワイン専用種の「山葡萄交配品種」を開発し、産地化を進めてきました。
小坂町が開発した品種の中でも主力品種は「ワイングランド」です。品種名をそのまま冠した「ワイングランド」は、和食や白身のお肉との相性が抜群です。
この「ワイングランド」は小坂七滝ワイナリーで初めて作られた赤ワインですが、ワイン作りに関係する方々の努力により、小坂七滝ワイナリーを代表する定番のワインとなりました。成田さんも「思い入れがあり、小坂七滝ワイナリーでイチ推しの商品」と言います。小坂七滝ワイナリーオススメのワインをぜひ味わってみてください。

お客さま一人ひとりを意識したワイン作りと飲みごろのワイン提供

小坂七滝ワイナリー
ステンレスタンクでのワイン作りが特徴の小坂七滝ワイナリー

前職で飲食店に勤務していた成田さん。ワイン作りの際は、扱う品種ごとに「食事」や「ワインを飲むシチュエーション」を常にイメージしています。また、品種の特徴を最大限活かす工夫として、酸味のある山葡萄を飲みやすいように加工するのではなく、あえてその酸味を活かすようにワインを作り、「さわやかな酸味」を表現しています。
ワインは一般的に樽で作られるイメージですが、小坂七滝ワイナリーではステンレスタンクでワインを作っています。ステンレスタンクでは、葡萄の味がそのままワインに反映されます。また、ワインを瓶に詰めた後に熟成が始まるので品種ごとの熟成期間の把握は大変ですが、一方でお客さまの嗜好に合わせたタイミングでの商品提供が可能です。好みに合った飲みごろのワインをお楽しみください。

地元農家と共に歩み、共に成長するワイナリーへ

セラードア七滝
あきおとつがにゃんあきおとつがにゃん
自社農園
ワイナリー
(小坂七滝ワイナリー提供)
ワイン販売所(セラードア七滝)、自社農園、ワイナリーが近距離に揃う小坂七滝ワイナリー

今後の展望として、「ワインの出荷本数を現状の約5倍に増やし、現在は県内のみに出荷しているワインを県外にも出荷して小坂町を知ってもらうきっかけにしたい」と話す成田さん。町唯一のワイナリーである小坂七滝ワイナリーのワインを小坂町の目玉商品にして、お客さまが小坂町の観光資源に目を向けるきっかけとなることを目指しています。
ワイン作りのお話の中で、農家の方への感謝の言葉が何度も聞かれました。「農家さんに、選別された品質の良い葡萄を出荷していただけることで、今はワイン作りのスタートラインがとてもいい状態にある。それが良質なワインを仕込めている要因の一つ」と話す成田さん。「『ワインがおいしい』や『飲みやすくどんな料理にも合いそう』などのお客さまの声は、直接、農家さんに届くべきだと思っています」とのこと。常に農家ファーストで、農家と連携して小坂町を盛り上げていきたいと考えています。
ワイナリーは7年目を迎えますが、「まだまだ規模が小さい。もっと規模を大きくしたい」と成田さん。「やりたいこともあるけど、その前にやらなきゃいけないこともたくさんある」という成田さんの言葉には、農家と連携してワインを作り、そのワインで小坂町を必ず盛り上げるという強い意志が感じられます。

データ

  • 小坂七滝ワイナリー・セラードア七滝
  • 住所:秋田県鹿角郡小坂町上向字滝ノ下22
  • TEL:0186-22-3130
  • 営業時間:10時~15時30分
  • 定休日:火曜日
  • ※ワイナリー館内のご案内は前日までに要予約
  • URL:https://kosaka-7falls-winery.com/
  • ホテル小坂ゴールドパレス
  • 住所:秋田県鹿角郡小坂町小坂鉱山字古館9-3
  • TEL:0186-29-3833
  • URL:https://kosaka-goldpalace.jp/

細かい要望にも応えてくれる小坂七滝ワイナリーには、自分好みのワインとの出会いが待っています。小坂町へのワインの旅をぜひお楽しみください!

記事作成:JR東日本秋田支社

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