優しさと思いやりから作られる「津軽せんべい」!!優しさと思いやりから作られる「津軽せんべい」!!

黒石で受け継がれる「津軽せんべい」の秘密に迫る

「せんべい」は昔から家庭で親しまれているお菓子。全国には草加せんべい(埼玉県)や南部せんべい(岩手県)など、地域に根付いたものも多くあります。今回は津軽の人々に愛される「津軽せんべい」の秘密や魅力をご紹介します。

大正12年から脈々と受け継がれる渋川製菓の技術

渋川製菓
蔵をイメージして建てられた渋川製菓の外観。
津軽せんべい
つがにゃんつがにゃん
津軽せんべいのパッケージは「ねぷた」柄。

「津軽せんべい」は青森県津軽エリアにある黒石市で誕生しました。津軽せんべいを製造しているのは大正12年創業の老舗「渋川製菓」。初代社長が、「せんべいを色々な方に食べていただきたい」という思いで、手焼きせんべいを売り始めたところからスタートしました。創業当時は各家庭に手焼きの型がある時代で、せんべいは家庭で作るものとして親しまれていたそうです。「初代の思いは現在まで引き継がれているんです」と4代目の渋川麗子社長は話します。津軽せんべいは今でこそ青森県内のスーパーやデパート、道の駅などで広く売られていますが、販路拡大に至るまでには様々な苦労があったようです。
「初代が立ち上げ、2代目が技術を継承し、3代目が全自動の機械を導入して販路を開拓してきました」と社長は話します。機械の導入と聞くと、同じ品質の商品が簡単に製造できると思われがちですが、長年にわたり職人が紡いできた技術を機械で再現することは並大抵のことではありませんでした。納得するまで何度も試行錯誤を繰り返し、手作りと変わらない品質の津軽せんべいが製造できる、専用の機械を造り上げました。
津軽せんべい作りの機械化を進める一方で、厚焼胡麻・厚焼豆せんべいは一枚一枚手作りの作業にするなど、職人によるこだわりの製造方法もしっかりと紡がれているそうです。

定番の津軽せんべいからチョコ煎餅まで、バラエティ豊富なメニューが勢ぞろい!!

店内
ふるさとを感じるような優しいぬくもりのある店内。
手焼き型と秤
手焼き型と秤
ユサにゃんユサにゃん
昔使われていた手焼き型と秤。

蔵をイメージした立派な店構えの渋川製菓の店内は、香ばしいせんべいの香りに包まれ、正面にある大きな黒石こけし灯ろうが出迎えてくれます。
心安らぐぬくもりのある店内には、昔使われていた手焼き型や秤が展示されており、長いお付き合いの常連さんに懐かしがられているんだとか。

津軽せんべい
津軽せんべい
津軽せんべいだけでもこんなに種類が!自分だけのオリジナルのセットを作ってみてください!
飴せんべい
お店でしか買えない「飴せんべい」。飴がたっぷり入っています!
特製バター煎餅
製造開始から60年を超えた今でも愛されている「特製バター煎餅」。
特に小さいお子さまから人気があるそうです。

店頭には定番の津軽せんべいから変わり種のチョコ煎餅まで、約30種類の商品がずらりと並びます。津軽せんべいだけでも、すりごま、ピーナッツ、カボチャなど数種類あり、お気に入りを選ぶのも楽しみのひとつ。
おススメは店舗だけで販売している「飴せんべい」。せんべいのサクサク食感の後に甘~い飴がとろりと溶けて口の中で混ざり合い、絶妙なバランスを生み出します。
昔から愛されている人気メニューは「特製バター煎餅」。バターとゴマの風味が程よくマッチしていて、食感も柔らかく、甘さもちょうどよい。 1袋(16枚入り)をひとりで完食してしまうお客さまも多いんだとか。

地域と共に歩む。渋川製菓のせんべいづくり

渋川麗子社長
こけしちゃんこけしちゃん
渋川製菓の4代目、渋川麗子社長。

「お客さまとの会話が楽しい」と話す社長の人柄は、とても物腰が柔らかく、何でも受けて入れてくれる家族のような温かさを感じます。お客さまとの対話を大切にしてきたからこそ生まれた商品があるそうです。若い世代をターゲットに作ったチョコ煎餅は、お客さまから提案された胡麻とチョコの組み合わせをそのまま取り入れて販売しているそう。社長は「お客さまの意見はとっても貴重です。私たちが気づかない視点で商品の良さを見つけてくれるんですよ」と嬉しそうに話してくれました。
お客さまに良いものを届けたいという思いは、商品づくりだけに留まりません。社長は「せんべいを焼くところから梱包してお客さまの元に届くところまで、良いものでなければいけないんです」と力強く語ります。お客さまを第一に考える姿には頭が下がります。
また、渋川製菓では「地元の子ども達にもせんべいを好きになってもらいたい」という思いから、地元の小学校の会社見学を受け入れています。「見学に来てくれた子どもがお家に帰ってせんべいの話をして、後日また遊びに来てくれるのが嬉しい」と社長はニッコリ。地元で長く愛されている理由が分かるような気がしますね。地域とのつながりも大切にして日々精進し続ける渋川製菓。今後も目が離せません。

データ

  • 住所:〒036-0334 青森県黒石市 東新町一丁目7番地
  • TEL:0172-52-2381
  • FAX:0172-52-7763
  • 営業時間:8:30~18:00
  • 定休日:第一・第三日曜日
  • HP:http://www.shibusen.co.jp/index.html

青森県津軽エリアの黒石市にある“津軽せんべい”をご紹介しました。津軽せんべいの商品開発に携わる方々の熱い思いがあるからこそ、伝統が受け継がれているのだと思います。津軽にしかないオンリーワンのお店や、まだまだ知られていないステキなモノやコトがたくさんあります。ぜひ津軽へお越しください!!

記事作成:JR東日本秋田支社

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