秋田県能代市には消費期限わずか1日の和菓子があります。ひと口大のお餅に、こし餡を絡めた「志んこ®」。販売するのは昭和12年創業の「お菓子のセキト」。もともとは秋冬に「おやき」、夏にはアイスキャンディーを店先で販売していましたが「春にも店の目玉になるようなものを売り出したい!」と考え、研究に研究を重ねて「志んこ®」が誕生しました。昔は「志んこ®」を、能代市の一般家庭でも作っていたそうですが、相当な手間がかかるため、だんだんと家庭では作られなくなったそうです。
「志んこ®」の特徴はなんといってもその食感!歯切れのよい柔らかな食感のお餅は何個でも食べられます。通常のお餅はもち米を使用して作られていますが、このお餅はうるち米(ごはんで食べるお米)を使用し、バイパス店の裏にある製造工場でその都度製粉する特製の粉で作られているそう。お米はすべて能代産!あんこは北海道産の小豆を使用したこし餡です。こし餡の「くどすぎない甘さ」とコシのあるお餅の食感が絶妙にマッチして食べる手が止まらなくなります。この味を求めて全国からお客さまが来られるそうです。
セキトの関戸さんは「科学的な添加物を使わないことが昔から変わらない『信念』なんです」と言います。科学的な添加物を使うと「志んこ®」独自の食感が失われてしまうそう。保存料なども一切使用していないため、消費期限は1日なのです。「お客さまに出来立てを召し上がっていただきたいし、納得して買っていただきたい」と続けます。店頭ではお客さまに、その日のうちに食べきっていただくことを丁寧に説明しています。出来立てを召し上がっていただくために売れ行きを見ながら一日に数回製造しているとのこと。
この徹底したこだわりが、地元のみならず全国で愛される理由なんですね。