秋田県特有の食文化「いぶりがっこ」の魅力に迫る秋田県特有の食文化「いぶりがっこ」の魅力に迫る

次代に伝えたい伝統の味!大綱食品の「大綱漬」

秋田の冬の保存食として地域に根付いた食文化「いぶりがっこ」。
秋田の気候は日照時間が短く、晩秋から冬にかけて雨や雪の日が多くなり、冬は氷点下の日もあります。その昔、多くの家では囲炉裏の上に大根を吊るし、熱と煙で乾す様子が見られました。その大根を米ぬかと塩などで漬け「いぶりがっこ」を作り、冬の保存食としていたようです。「がっこ」は秋田弁で「漬物」のこと。今回は、県内のいぶりがっこ製造会社の中から歴史のある「大綱食品」でお話しを伺いました。

時代と時代をつなぐ「いぶりがっこ」を作る

大綱漬
とうじくんとうじくん
大綱食品のロングセラー商品「大綱漬」

大綱食品のルーツは、先代の社長 佐藤福蔵さんが昭和54年に西仙北町(現在の大仙市)で創業した「佐藤食品」。福蔵さんの家にたまたま来た九州の漬物屋から買った「がっこ」の味が忘れられず、ここで作りたいと思ったことが創業のきっかけになったそうです。
その後、昭和63年に「大綱食品」を創業し、今年で35年目になります。
大綱食品の看板商品「大綱漬」は、『時代と時代をつなぐいぶりがっこ』をコンセプトに製造を行い、「じいさまやばあさまだけでなく、若い人も一緒に世代を超えて、人と人とが繋がってほしい」という想いが込められていました。食卓に並ぶいぶりがっこは、気づいたら無くなっていて、無くなるとちょっと寂しい。それが「いぶりがっこ」の魅力なのかもしれませんね。

いぶりがっこの製造工程に密着!

畑
広大な自社の畑で栽培したこだわりの大根。
大根洗い
丁寧に水洗いされた大根
従業員のみなさま
幅広い年代で大綱食品を支えています。
大根詰め
燻し機に一本ずつ手作業で大根を入れます。
燻し機
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大綱食品が誇る大きな燻し機。楢や桜の木を使いムラが無いよう丁寧に燻す。
漬け込み
その年の大根の味により、漬け汁の配合を微妙に変えながら伝統の味を守っています。
漬け込み
重石を置き2か月じっくり漬け込みます。

いぶりがっこの材料である白首大根は、11月ごろから収穫します。大根の味はもちろん、見た目も重要で、真っ直ぐな大根に育つよう土作りから丁寧に行っています。
収穫した大根は、一本ずつ丁寧に水洗いをしてヒゲを取ります。その後、燻し機でじっくり燻します。この「燻し」は、大綱漬の味が決まる重要な工程で、どの大根も均一に燻せるよう適宜状態を確認しています。大綱食品の燻し機は、全ての燻し機を合計すると一度に15,000本もの大根を燻すことができ、秋田県内でもトップクラスの設備です。この燻し機は、大綱食品が特許を取得し、1本1本ムラなく燻ることができ、「燻りの煙をぎりぎりまで纏わせることで、より美味しいいぶりがっこになる」と佐藤社長は話します。

仕事へのこだわり

佐藤海知さん
社長の佐藤海知さん
社訓
伝統の味を守るための大綱食品の社訓

2代目の佐藤社長は、3年前の令和2年に新型コロナウイルスが流行した頃に社長に就任し、現在28歳の若さで大綱食品を牽引しています。当時は25歳で、周りの従業員は年上ばかりで、「最初は誰も言う事を聞いてくれなかった。」と当時を振り返ります。コロナウイルスの影響で、売上は大幅に減り、そんな苦悩の中、佐藤社長は「良い品質の商品を作るためには、先輩だろうと後輩だろうと言うべきことは言い続け、誰よりも遅くまで仕事をする」というスタンスを貫いた結果、自然と従業員がついてくるようになったそうです。大綱食品の社訓には、「本気」という文字が並んでいます。社員には、仕事には常に本気で臨むように伝え、体調が悪かったり、疲れていて「本気」が出せないような時には、遠慮せず自由に休めるルールを追加しました。十分に休息をとった後は全力で仕事に取り組む風土をつくり、より良い商品をお客さまに提供し続けています。

おすすめ商品

生ふりかけ
あきたこまちちゃんあきたこまちちゃん
人気上昇中のいぶりがっこを使用した「生ふりかけ」
大綱漬
大綱食品のラインナップ 「大綱漬」価格524円(税込)~

看板商品の「大綱漬」の他にもいろいろな商品を開発しています。
今、大綱食品が力を入れている商品が「いぶりがっこの生ふりかけ」。
しその実と刻んだいぶりがっこ、特製のたれを合わせて数日間漬け込んだ生ふりかけは、ごはんのお供におススメです。
また、大綱食品には、無添加のいぶりがっこ「綱吉」というブランドがあります。
綱吉は、甘味料・保存料・着色料を一切使用しない製品づくりを行っていて、「大綱漬 無添加」という表示で販売しています。昔ながらの作り方をしている「大綱漬」と、薄味で体に優しい「大綱漬 無添加」。その他にも、お土産屋さんでもよく見る「いぶりがっこタルタル」やスーパーのお惣菜のポテトサラダに入れるいぶりがっこも製造しています。
大綱食品の商品はwebや秋田県内の各お土産屋さんでも販売していますので、ぜひチェックしてみてください!

データ

  • 住所:秋田県大仙市土川上野152
  • TEL:0187-75-1305(見学などお問い合わせはコチラ 9時~17時)
  • https://ootuna-gakko.jp/

伝統の味「大綱漬」を守りながら、「いぶりがっこ」が持つ可能性に挑戦し続ける大綱食品。
佐藤社長は、この「いぶりがっこ」で秋田を世界に発信し、地域の人に故郷「秋田」をもっと誇りに感じてもらいたいと夢を語ってくれました。
秋田にお越しの際は、伝統の味「いぶりがっこ」を是非ご賞味ください。
※JR東日本秋田支社が首都圏で不定期に開催する「あきた産直市」でも「いぶりがっこ」を販売しております。

記事作成:JR東日本秋田支社

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