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一年を通してイチゴを生産・販売!田舎館村

「田んぼアート」で知られる田舎館村は、イチゴが年中収穫できる村でもあります。ビニールハウスを使い、村でイチゴの栽培が始まったのは約30年前。「雪深い田舎館でも美味しいイチゴが作りたい」と農家の有志が栽培方法の研究を始めました。現在は、村内の観光施設や飲食店でイチゴはもちろんさまざまな果物が春夏秋冬いつでも味わえます。

雪国なのに冬でもイチゴが採れる理由とは?

観光いちご園 アグリいーな田んぼアートの里
温泉施設のそばにある「観光いちご園 アグリいーな田んぼアートの里」。
ビニールハウス
ビニールハウスの中には完熟イチゴがいっぱい。
イチゴ
あきおあきお
甘酸っぱい香りを放つ真っ赤な果実がいっぱい!
完熟イチゴ
食べ放題に挑戦。完熟イチゴだけでお腹いっぱいに。

「観光いちご園 アグリいーな田んぼアートの里」は、一年を通してイチゴの摘み取りが体験できる施設です。制限時間30分の食べ放題プランや摘み取った果実の量り売りを行っており、季節を問わず完熟の甘いイチゴが堪能できます。
雪深い田舎館で、冬でもイチゴが栽培ができる理由は、ハウスから200メートルほどの近距離に温泉施設があるから。温泉を配管から各ハウスに引き込み暖房に利用しているため、冬季間ハウス内の温度を一定に保つことができるそうです。
12月~6月は甘く粒の大きい冬イチゴ「よるぼし」と「とちおとめ」を、7月~11月は甘酸っぱい夏イチゴ「すずあかね」と「なつのたより」を計13棟のハウスで栽培。取材時も、たわわに実ったイチゴで、ハウス中に甘い香りが広がっていました。
受付で専用の容器を受け取り、いざ食べ放題へ。腰の高さくらいの棚で栽培する苗がずらりと並び、数え切れないほどのイチゴが実っていました。それを採っては食べ、採っては食べ…を繰り返し、気がつけば採れたてのイチゴでお腹いっぱいに!イチゴ好きにとっては夢のような体験です。完熟のイチゴは驚くほどの甘さで香りも豊か。甘酸っぱい果汁が口の中いっぱいに広がりました。甘みや酸味の度合いは品種ごとに異なるので、イチゴ2品種の食べ比べもおすすめです。

完熟を見極め、上手に採るコツは?

イチゴの採り方
佐藤さんに教えてもらった採り方のコツ。ヘタの上を指で挟んで果実に触れない様に優しく採ります。
「アグリいーな」の佐藤さん
採り方や採りごろについて教えてくれた「アグリいーな」の佐藤さん。
生イチゴジュース
甘酸っぱさがたまらない、名物の生イチゴジュース。
いちごプリン
いちごのはこぶね
いちごのはこぶね(チョコ)
あきおあきお
完熟イチゴを使ったスイーツ。写真は、「いちごプリン」「いちごのはこぶね」「いちごのはこぶね(チョコ)」。

ちなみに、収穫のコツを施設のスタッフ、佐藤さんに教えていただきました。真っ赤になった完熟イチゴは果実に触れると潰れやすいため、ヘタの上の茎を指の付け根付近で優しく挟み、手首を手前に倒すようにして軽く引くと上手に採れるそうです。
食べごろの果実は、ヘタの付近まで赤く色づき表面に光沢のあるもの。ヘタがくるんと反り返っていることも見極めのポイントだそうです。
なお、食べ放題や摘み取りは、予約優先。予約は当日でも可能ですが、申し込み数に上限があるため、電話またはウェブサイトのお問い合わせフォームから前もって予約することをおすすめします。
「アグリいーな田んぼアートの里」では、イチゴの生ジュースや「レアチーズケーキ」などの各種スイーツも販売しており、こちらもイチゴ好きにはたまらない美味しさです。

データ

  • 観光いちご園 アグリいーな田んぼアートの里
  • 住所:〒038-1113 青森県南津軽郡田舎館村大字田舎舘字中辻10-1
  • TEL:0172-55-6016
  • 営業時間:10:00〜12:30
  • 定休日:お盆、年末年始
  • 最寄駅:弘南鉄道弘南線 田舎館駅から車で約5分、JR川部駅から車で約10分
  • https://www.agri-na.com

“インスタ映え”するスイーツで人気

田さ恋いむら
産地直売所にカフェ兼食堂を併設した田さ恋いむら。
産地直売所
産地直売所。地元産を中心に新鮮な野菜が並びます。
ショーケースの中にあるフルーツサンド
産地直売所ではフルーツサンドを販売。

国道102号線沿いにある「田さ恋いむら」は、地元特産の野菜や果物、米、卵などの農産物、加工品を販売する産地直売所。地元産を中心とした旬の果物の季節限定ソフトクリームやフルーツサンド、大福も人気があります。
併設する「Cafe食堂 田さ恋」では、果物を使ったスイーツメニューがさらに充実。生ジュース、シェイク、パフェ、ゼリー、フルーツティーなど多彩なアレンジで旬の果物が味わえます。店のカウンターには、その日に味わえるスイーツメニューが写真入りでずらり。30種類以上の中から選べます。
驚くのは種類の豊富さだけではありません。果実を丸ごとまたは大胆にトッピングしたソフトクリームやジュース、パフェなどの見た目のインパクトも話題に。家族連れや女性客を中心に、連日多くのお客さまでにぎわっています。
オーナーの小野康高さんは「メニューの数は無限大。その日にどんな果物やスイーツに出会えるか、楽しみにご来店ください」と話します。

津軽の“達人たち”との縁でメニュー拡大

フルーツサンド
ちぃ、やぁ、かぁ、しぃちぃ、やぁ、かぁ、しぃ
フルーツサンドは果物の旬によって断面が変わります。
Cafe食堂田さ恋
カウンターにスイーツの写真入りPOPが並ぶCafe食堂 田さ恋。
小野康高さん
オーナーの小野康高さん。果物のスイーツメニューは、スタッフたちがアイデアを出し合い、考えているそうです。
桃の生ジュース
取材時(8月)に販売していた桃の生ジュース。100%桃の果汁(ジュース)に、なんとトッピングは桃丸ごと。「そのままかぶりついて食べてください」とお皿も用意されています。
メロンのソフトクリーム
取材時(8月)の人気メニュー「メロンのソフトクリーム」。

小野さんが前オーナーから店を引き継ぎ、「田さ恋いむら」をリニューアルオープンしたのは2017年。「Cafe食堂 田さ恋」では、通常のカレーや定食、麺類などの提供が中心でしたが、「新たな名物になるものを」と地元産のトマトを使ったソフトクリームを開発。そのヒットをきっかけに、イチゴをはじめ地元産の果物をさまざまなスイーツを提供するようになりました。また、インスタグラムで商品の情報を積極的に発信。“インスタ映え”するスイーツが話題を集めるようになりました。
旬の果物を贅沢に使用できる理由は、地元田舎館のほか、弘前、平川など近隣の農家から直接果物や野菜を仕入れているから。オープンからの5年間、農家との縁が大きく広がり、メニューのバリエーションが増えたそうです。「リンゴで有名な津軽には、リンゴの達人が多くいますが、実は他の果物や野菜の達人も多くいます。津軽の旬を集めたスイーツをぜひ食べにいらしてください」と小野さんは話します。
※季節によってメニューが異なります。

データ

  • 田さ恋いむら
  • 住所:〒038-1113 青森県南津軽郡田舎館村大字田舎舘字東田160-1
  • TEL:0172-88-7020
  • 営業時間:9:00~17:00
  • 定休日:月曜日(祝日の場合は営業)
  • 最寄駅:弘南鉄道弘南線 田んぼアート駅から車で約5分、JR川部駅から車で約10分
  • https://tasakoimura.com
  • ★旬の果物やスイーツの情報をインスタグラムで発信中 @tasakoimura

弥生時代の水田跡に隣接する案内所

遊稲の館
垂柳遺跡の目と鼻の先にある「遊稲の館」。
垂柳遺跡
つがにゃんつがにゃん
約2100年前の水田跡が見つかった垂柳遺跡。現在は、弥生時代の田んぼを復元した小さな田んぼで古代米を栽培する「弥生体験田」が行われています。

田んぼアートの第2会場から徒歩約10分の場所にある田舎館村総合案内所「遊稲(ゆうとう)の館」。約2,100年前の弥生時代の小さな水田跡が発見された史跡「垂柳(たれやなぎ)遺跡」の隣にあり、「稲」「わら」「土」に関連した体験メニューの実施やイベントの開催、古代米や稲穂のアレンジ商品の販売などを行っています。
田んぼアートの公開期間中は、館内で古代米を使ったおはぎやドリンク、スイーツなどが味わえる「いろりばた喫茶」を営業。2022年5月からは地元産のイチゴを使った手作りの和スイーツを提供しています。

田舎館産の古代米とイチゴのスイーツ

おはぎ作り
「弥生おはぎ」のおはぎ作り。古代米とイチゴを一緒に炊きます。
手作り調理
1つ1つのスイーツをスタッフが手作りしています。
弥生おはぎ
「弥生おはぎ」。館内でいただけるほか、テイクアウトもできます。
あま酒寒天
「あま酒寒天」。イチゴのソースたっぷり。果実もトッピングされています。
抹茶セット
あきたこまちちゃんあきたこまちちゃん
「抹茶セット」。お膳でおはぎや抹茶をいただきます。
遊稲サイダーと弥生おはぎ
「遊稲サイダー」と「弥生おはぎ」。
遊稲の館のスタッフの皆さん
田舎館産のイチゴや古代米にこだわった、さまざまな商品を提供している遊稲の館のスタッフの皆さん。

「弥生おはぎ」は、淡い赤紫色が美しいおはぎと粒あんを層のように交互に重ね、地元産の完熟のイチゴをトッピングした一品。おはぎは、3種類の古代米の餅米やうるち米にイチゴの果実を加えて炊いたもの。炊き上がった後に、さらに果実を“追いイチゴ”しています。おはぎの美しい色は、古代米とイチゴによる自然の色。ほのかに感じるイチゴの甘酸っぱさをあんこの甘さが優しく包みます。イチゴの種のつぶつぶ感もおはぎの食感のアクセントになっています。
イチゴ風味のおはぎとあんこの層は、約2,100年前の水田跡をはじめ、時代ごとの複数の地層が発見された「垂柳遺跡」がモチーフ。古代米もイチゴも田舎館産で、地元の食材や歴史にとことんこだわり、約半年かけて開発した商品です。
「あま酒寒天」は、古代米の餅米で作った甘酒を寒天にして、田舎館産のイチゴのソースをたっぷりとかけたもの。古代米で作る甘酒は、砂糖を一切使用せず、餅米と米こうじの甘さみ。寒天の淡いピンク色は古代米の自然の色です。あま酒のまろやかな甘さと甘酸っぱいイチゴのソースのバランスが絶妙でした。
他にも「いろりばた喫茶」では、他にも古代米で作ったおはぎや焼きおはぎ、古代米の紫黒米を使用した「遊稲サイダー」などを販売。例年、田んぼアート期間中の6月上旬から10月上旬まで営業しています。「来年以降も地元産の古代米やイチゴを使ったオリジナルスイーツの提供を続けていきたい」と遊稲の館のスタッフの皆さん。田んぼアート期間限定の新たな名物となりそうです。

データ

  • 遊稲の館
  • 住所:〒038-1112 青森県南津軽郡田舎館村大字垂柳字長田47
  • TEL:0172-58-4689
  • 営業時間:9:00~17:00
  • 定休日:月曜日(祝日の場合は翌日休業)、年末年始
  • 最寄駅:弘南鉄道弘南線 田んぼアート駅から徒歩で約10分(4月~11月)、弘南鉄道弘南線 田舎館駅から徒歩で約20分(12月~3月)
  • http://den-en-mirai.sakura.ne.jp/www/yuutoh

田舎館村の名物は、田んぼアートのみならず!イチゴ好きにはぜひ訪れていただきたいスポットがあちらこちらにありました。特に印象的だったのはビニールハウスを使った観光イチゴ園。イチゴの食べ放題や摘み取り体験が、冬でも可能な理由は温泉熱にありました。土地の恵みを余すところなく利用したエコな栽培法ですね。また、イチゴ以外の果物や野菜、古代米など、この土地ならではの食も豊富で、津軽の大地の恵みや豊かさを実感した旅になりました。

記事作成:マゼンタ(株)

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