魅力いっぱいのローカル列車「おばこ号」!魅力いっぱいのローカル列車「おばこ号」!

地元だけでなく県外からもファンが訪れる「由利鉄」

秋田県の南に位置する由利本荘市。山形県との県境に位置する鳥海山の麓には、全長23kmのローカル線があります。今回は、沿線の風景だけでなく、様々なイベント列車が楽しめる「由利高原鉄道」をご紹介します。

レトロな雰囲気溢れる鉄道

由利高原鉄道
きりたんぽちゃんきりたんぽちゃん
由利高原鉄道
※写真撮影 佐藤和博さん
由利高原鉄道
鳥海山の麓を走る列車
※写真撮影 渡会哲さん
硬券とハサミ
硬券とハサミ
タブレット交換の様子
タブレット交換の様子

由利高原鉄道(以下、由利鉄)は、羽後本荘駅でJR東日本の羽越本線から分かれ、矢島駅まで延びる第三セクターです。国鉄矢島線を引き継ぎ、1985年に鳥海山ろく線として開業し、地域交通を支えてきました。
車窓からは、由利本荘市内を流れる一級河川「子吉川」や日本百名山に数えられる「鳥海山」、麓に広がる田園地帯など、四季折々の景色を楽しむことができます。
由利鉄の切符は、昭和レトロな雰囲気溢れる硬券です。駅員が「パチン」とハサミを入れる光景を、見たことがないという人も多いのではないでしょうか。
また、国内でも珍しいタブレット閉塞(へいそく)が由利鉄には残っています。タブレット閉塞とは同じ線路に2つ以上の列車が走って衝突する事を防ぐために、金属製の円盤(タブレット)を持った列車だけが線路を走る仕組みです。由利高原鉄道の前郷駅では、列車交換のたびにタブレットとスタフ(タブレットと形状の異なるもの)を交換する昔懐かしい鉄道情景が毎日繰り返されています。言葉で説明すると難しく感じるかも知れませんが、体験するととても分かりやすいので、是非一度ご覧になってはいかがでしょうか。

地域の人に愛される「おばこ号」

池田優香さん
アテンダント 池田優香さん
※写真撮影 植村直人さん

由利鉄の車両は、開業前に一般公募によって選ばれた「おばこ号」という愛称で地域の人に親しまれています。(「おばこ」とは20歳前の若い女性のこと)
また、毎日午前中の一往復には、絣の着物をきた「秋田おばこ」姿の列車アテンダントが乗務し、沿線の魅力などを紹介しています。
アテンダントの池田優香さんは『ただ乗るだけでは気づかない沿線情報などを、秋田弁まじりで紹介しています。ガタンゴトンと走る列車で、日頃の忙しさを忘れて、のんびり旅をしてもらいたいです』と話していました。
由利鉄では、4名いるアテンダントがそれぞれ個性的なお話をしてくれます!違った楽しみを提供してくれると何度でも行ってみたくなりますね!

個性豊かな車両とイベント列車

鳥海おもちゃ列車「なかよしこよし」
鳥海おもちゃ列車「なかよしこよし」
※写真撮影 渡会哲さん
車内の様子
車内の様子

由利鉄には、全5両の車両があり、様々なイベント列車も企画しています。今回は、その中から人気の車両と6月~7月のイベント列車をご紹介します。
鳥海おもちゃ列車「なかよしこよし」
2018年7月、鮎川駅から車で5分ほどのところにある「旧鮎川小学校」(国登録有形文化財)が、「鳥海山木のおもちゃ美術館」としてオープンしました。それにあわせて、YR2001号車を改装して運行を開始したのが「鳥海おもちゃ列車『なかよしこよし』」です。車内は、東日本で初めての本格的な木質インテリアを採用し、多種多様な木材と、地元秋田の技術でつくりあげられています。木のボールプールや木製おもちゃで遊べるキッズスペースが設けられていて、小さなお子さまでも飽きることなく列車の旅を楽しむことができます!
また、おもちゃ列車では、地元のイタリアンレストランのシェフが同乗し、本格的なコース料理が楽しめる「イタリアン列車」も好評だそうです。運行日は、ホームページでお知らせするそうなので、ぜひ、チェックしてみてください。
https://www.obako5.com/
※こちらからアクセスしてください

たなばた列車
ちぃ、やぁ、かぁ、しぃちぃ、やぁ、かぁ、しぃ
たなばた列車

季節ごとの様々なイベント列車
由利鉄では季節に応じた様々なイベント列車を運行しています。7月上旬に運行している「たなばた列車」は、列車アテンダントの手作り飾りで装飾されます。車内では、短冊に願い事を書いたり、お子様限定でぬりえや「食べられるお星さま」がプレゼントされます。また、乗車した方には、手作りの乗車記念品がもらえます。
その他イベント列車の情報は下記HPからご確認ください。
https://www.obako5.com/%e3%82%a4%e3%83%99%e3%83%b3%e3%83%88%e7%b4%b9%e4%bb%8b/
※こちらからアクセスしてください

「駅カフェ おばこ」で待ち時間も寛げます

駅カフェおばこ
あきおとつがにゃんあきおとつがにゃん
駅カフェおばこ
カフェドリンクメニュー(税込)
カフェドリンクメニュー(税込)

2021年7月、由利鉄本社がある矢島駅待合室内に、駅社員が運営する「駅カフェおばこ」がオープンしました。地元の珈琲豆専門店の豆を使用した、拘りのコーヒーが味わえます。これからの暑い時季にオススメなのは、コーヒーの苦みとアイスの甘さがベストマッチの「コーヒーフロート」と、6月からの新メニュー、果肉入りかき氷を炭酸飲料で割った「フローズンドリンク」です。いちご味とマンゴー味があり、人気上昇中だそうです。テイクアウトして車両でも飲めるそうなので、旅のお供にいかがでしょうか。
「駅カフェ おばこ」
場所:矢島駅待合室内
営業時間:10:00~16:00
定休日:年末年始
※平日は観光案内所と兼務になる為、無人の場合は、案内所へ声をかけてください。

  • 由利高原鉄道
  • 住所:秋田県由利本荘市矢島町七日町字羽坂21番地2
  • TEL:0184-56-2736
  • https://www.obako5.com/

日本百名山に数えられる鳥海山と沿線に広がる四季折々の景色を楽しむことができる由利高原鉄道。車窓からの眺望だけでなく、由利鉄の特徴を伝えてくれるアテンダントや季節ごとのイベント列車も大きな魅力となっています。みなさんもその魅力を体験してみませんか?

記事作成:JR東日本秋田支社、由利高原鉄道
写真提供:由利高原鉄道

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