由利高原鉄道(以下、由利鉄)は、羽後本荘駅でJR東日本の羽越本線から分かれ、矢島駅まで延びる第三セクターです。国鉄矢島線を引き継ぎ、1985年に鳥海山ろく線として開業し、地域交通を支えてきました。
車窓からは、由利本荘市内を流れる一級河川「子吉川」や日本百名山に数えられる「鳥海山」、麓に広がる田園地帯など、四季折々の景色を楽しむことができます。
由利鉄の切符は、昭和レトロな雰囲気溢れる硬券です。駅員が「パチン」とハサミを入れる光景を、見たことがないという人も多いのではないでしょうか。
また、国内でも珍しいタブレット閉塞(へいそく)が由利鉄には残っています。タブレット閉塞とは同じ線路に2つ以上の列車が走って衝突する事を防ぐために、金属製の円盤(タブレット)を持った列車だけが線路を走る仕組みです。由利高原鉄道の前郷駅では、列車交換のたびにタブレットとスタフ(タブレットと形状の異なるもの)を交換する昔懐かしい鉄道情景が毎日繰り返されています。言葉で説明すると難しく感じるかも知れませんが、体験するととても分かりやすいので、是非一度ご覧になってはいかがでしょうか。